病弱な妹がいるので、同じく病弱な妹のいる人と婚約しました。
私には病弱な妹がいます。
大人になるまで生きられない等と余命宣告はされていませんが、両親の関心はすべて妹に行きました。
妹は幼い頃からよく熱を出して、まれに私が熱を出しても両親は「妹が辛い思いをしているのに、気が引きたいから仮病を使う卑怯者」と言って放置する始末。
無理矢理、ベッドから出された家庭教師の授業で、先生がお医者様を呼んでくださらなかったら、薬ももらえないところでした。
そんな私の縁談は私の希望が通りました。お相手にも病弱な妹がいて、病人の苦しさをわかる方。
妹のことがあって、病人に理解のある方のほうがいいと、両親も思ったようです。結婚するのは、私なのに。
熱を出すだけの妹とは違って、婚約者の妹は本当に病弱で、病気の為に身体の成長が遅れていました。
余命宣告も、されていたかもしれません。
食事は取れなくても、おやつは食べられる妹とは大違いです。
私は婚約者との交流より、婚約者の妹との交流を深めました。妹の病状で気掛かりな婚約者と話していると、心が落ち着かなかったからです。
婚約者の妹との交流に時折、婚約者が混じる。そちらのほうが自然に話せました。
彼女との交流で、妹や両親のことが嫌いになりました。
妹は私の婚約者が見舞いに来ないことに癇癪を起こして、更に嫌いになりました。
そんな妹を支持する両親への嫌悪感も増しました。
何故、婚約者の妹と、こうも違うのか?
その答えが出ないまま、私は医師を志しました。
婚約者の妹の病気を治したいと思ったからです。
今から始めても、間に合わないのはわかっていましたが、彼女を死なせたくありませんでした。
だから、医学を学びました。
そして、そのおかげで彼女の病気の治験を知り、彼女に紹介することができました。
命を長らえることのできた彼女は、健康な身体で人生を謳歌しています。
私の努力は無駄になりましたが、彼女以外の病気を患っていた人々を助けられました。
何故、婚約者の妹と、こうも違うのか?
今の私なら答えられます。
彼女はどんな状況でも生きることに貪欲で、眩しかったからです。




