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WonwanwanWan  作者: ニャーっち
1/1

Wonder

【人類は恐ろしいナニカと遭遇する】


このフレーズが社会現象となって早3か月。

街中を見ると、このフレーズが書かれた雑誌や広告、挙句の果てにはTシャツなど商品化している始末。

言いようの無い不気味さとは裏腹に、世間では祭り騒ぎとなっているのが末恐ろしい世の中だ。


元は、的中率9割越えの預言者が言い始めたのが始まりであり、過去には某国の震災や世界的に流行したパンデミックまで言い当てており、世界中がその預言者の言動に注目している。


しかも、彼女に能力が目覚めたのは3年前。

突然、普通のOLが能力に目覚めたのだ。

それ以前の彼女は、料理上手で紫蘇やかいわれを育てるのにハマっているごく普通の女性だった。


ある冬、外は雪が降っていたが妙に明るい夜だった。

その時にS県の集合住宅で火災が発生する夢を見た。そして、それが実際に起きてしまったのだ。

次々と予知夢に近しい夢を見て、挙句の果てには完全な予知夢として周囲に認められていった。

最初はかなりぼんやりと、次第に人の声までも覚えてられるくらい鮮明なものになったという。


そんな彼女が最近見たのが、冒頭に紹介した【人類は恐ろしいナニカと遭遇する】だ。

具体的には、空は暗いが一部は閃光し、大地は火炎が踊り、大きな地鳴りとともに終焉を迎える夢だった。

自然現象と呼ぶには不可解で、大きな画用紙に子供が無邪気に絵具を塗りたくったようであり、その不規則性が逆に幻想的だったという。

そして、その夢には自分以外に一匹だけ居た。


これが予知夢の内容である。

夢の詳細は本人しか知りえないのと、話しがぶっ飛びすぎていて、みんな話しについてこれないのが現実である。

かく言う自分もその一人なのだが、まあ言えない。


世間では嘘つき呼ばわりしている輩が多く、挙句の果てには詐欺師とまで呼ばれている。

本人が良かれと思って世間に公表したのに、この言いようは見るに堪えないし怒りさえ湧き上がってくる。


そんな怒りを抑えつつ、今日も僕は働いている。

IT企業に努めており、丁寧な仕事を評価され、4月に昇進した。

妻は妊娠10か月,そろそろ新しい家族もできるため、仕事に身が入る!

信頼できる同僚、将来有望な後輩とともに切磋琢磨でき環境も申し分ない。


今日は暑いが、顧客と要件定義についての打ち合わせがあるため、14時から顧客先に赴く予定だ。

必要な書類の準備をしていた際中、突然電話が鳴った。


「はい、もしもし。高田ですが」

「高田さんですか?丸逸病院ですが、奥様が緊急搬送されまして、おそらく陣痛が始まったのかと思われます。今から病院まで来られますか?」

「!? わかりました!!すぐ向かいます!」


予定日は半月以上先だったが、だいぶ早い出産となった事に驚きつつも、妻の出産には必ず立ち会う約束をしていたので、上司に無理を言って病院に駆けつけた。

走って電車に乗っては、乗り換えのためにまた走る。

運動不足が身に染みる...


電話を受けて30分後、病院に到着したが、出産が始まっていた。

その場には僕とお義母さんがいる。どうやらお義母さんが救急車を呼んでくれたらしい。

「お義母さん、迅速な対応ありがとうございました。」

[★★★★★★★★」


なんていったか聞き取れなかったが、神妙な顔つきに違和感を覚えた。

時計を見て時間を確認したその時だった。

赤ちゃんの産声がかすかに聞こえる。


恐る恐る見に行くと、ベッドで横になりながら、赤ん坊を抱きかかえている妻がいた。

「赤ん坊が生まれたのに、この空気なんだ...」

その異常な空気に違和感を感じつつ、妻のところに寄り添って見ると、

妻は大きく目を開け、天井を見つつ話しかけてきた。

「多分、気を失っていたんだ...」

「その中でまた夢を見たの、前と同じ夢」

「暗闇の中、化け物から声がしっかりと聞こえた。今度は」

「お母さんって...」


妻の予知夢的中率は9割越えであり、自身が見た視点から物事を見るらしい。

その高い的中率は旦那である僕が保証できる。

その妻が見た、ナニカとは....



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