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心が生まれた瞬間  作者: 仙夏


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03

朝、アレンが目を覚ますとリズは側で本を読んでいた。

リズ  「…」

アレン 「…お、おはよう。」

リズ  「あっ、おはようございます。申し訳ありません、集中してしまいました。」

アレン 「…ほんと、人間らしいロボット。見た目も話し方も何もかも人間らしい。感情がないだけ。」

リズ  「アレン様が少しでも早く慣れるようにとこのように設計されました。」

アレン 「…そう。」

リズ  「アレン様。朝食を召し上がった後は外でお散歩しましょう。今日は天気が良いですよ。」

アレン 「…僕のこと知ってるんだよね?」

リズ  「アレン様の病気のことは存じています。今日はアレン様の体調も良さそうでしたので。」

アレン 「…あっ、そう。朝食にして。」

リズ  「かしこまりました。」


朝食後、アレンはリズと庭に出た。

アレンは庭から見える町の様子を見た。

アレン 「…久しぶりに外に出た。あんなに町も元に戻ってたんだ…」

リズ  「はい。ロボットによって、夜も止まらず復旧作業が行われていますから。」

アレン 「…本当、狂ってる。この世界。というか、狂ったのか。戦争のせいで。」

リズ  「…」

アレン 「君たちは嫌じゃないの?ロボットは、汚い大人に良いように使われているだけでしょ。」

リズ  「私たちには感情がありません。アレン様を守るために感情は不要とされています。」

アレン 「…ロボットだもんね。」

リズ  「はい。嬉しいや悲しいという感情は捨てなさいとプログラムされました。」

アレン 「まぁ、人間みたいに感情を持っていたら同じように争いを行って、破滅するだけだろうね。」

リズ  「そうかもしれませんね。」

アレン 「…感情なんて要らないのかもね。人間もロボットのように感情を捨てれば争いは生まれないし誰も傷つかない。」

リズ  「争いは生まれないのかもしれませんが、その世界で何が生まれるのでしょうか。」

アレン 「…たしかに。楽しいも嬉しいもそういうのも無くなっちゃうのか。」


アレンは庭にある花畑に向かった。

アレン 「じいやが毎日水を上げていたんだ。僕、あまり外に出られない体だから少しでも外を見るのが楽しくなるようにって。」

リズ  「そうでしたか。」

アレン 「…じいやは生きてる?」

リズ  「分かりません。そのような情報は私には届いておりません。」

アレン 「…町に行ける日はある?」

リズ  「一か月後、アレン様の能力試験が町で行われます。」

アレン 「あぁ、僕の能力が下がっていたら君は壊されるんだよね。怖い?」

リズ  「私に感情はありませんよ。」

アレン 「…まぁ、僕の能力は君が思っているよりも高いから。君が壊れるようなことはないと思うけどね。」

リズ  「では、部屋に戻って勉強しましょうか。」

アレン 「うん。」


一か月後、アレンとリズは二人で町に来ていた。

リズ  「アレン様。もう少しで試験会場です。」

アレン 「うん。」

リズが指を指した先の建物の前では人型ロボットがトラックに乗せられ、その側で何人かの子どもが泣いていた。

アレン 「…あれは何?」

リズ  「お仕えする方の能力試験での結果が駄目だったのでしょう。ロボットはロボット工場に運ばれて能力が上がるよう改良されます。ただ、結果が酷すぎる場合は壊されるようです。」

アレン 「…」


アレンが能力試験を終え、リズと待合室で結果を待っていた。

アレン 「…大丈夫だと思う。」

リズ  「アレン様でも能力試験で心配されることがあるんですね。」

アレン 「し、心配はしてない。君が心配するかと思って…」

リズ  「アレン様なら大丈夫ですよ。」

アレン 「…君の山も当たっていたよ。」

リズ  「それは良かったです。」

アレン 「…君を壊すことはさせないから。」

リズ  「はい、ありがとうございます。」


アレンの試験結果は満点での合格で、アレンとリズは試験会場を出た。

アレン 「ね、僕の能力に間違いはなかったでしょ。」

リズ  「はい。アレン様、お疲れではありませんか?車椅子にしましょうか。」

アレン 「大丈夫。僕に不可能はないよ。」

アレンは気分が高揚していて石に躓いて転びそうになった。

リズが咄嗟にアレンを支えた。

リズ  「お気を付けください。アレン様。」

アレン 「びっくりした…」

リズ  「お怪我はありませんか?」

アレン 「…平気。でも、支えてて…急に力が入らない…」

リズ  「やはりお疲れのようですね。車椅子で帰りましょう。」

アレン 「…」

アレンを車椅子に乗せて、リズがバス停に向かっていると一体の人型ロボットが壊される瞬間がアレンの視界に入った。

アレン 「っ…止めて。」

そのロボットは、大人たちの間で動かなくなった。

大人たちの後ろでは子供が泣いていて、足からは血が流れていた。

大人  「No.24様。怪我の手当をいたします。」

子ども 「どうして…僕が自分で転んだだけなのに!」

大人  「怪我から守れないロボットなど居なくて良いのです。すぐに新しい優秀なロボットを手配しますから。」

子ども 「僕はあいつが良いんだ!何でこんなことするんだよ!」

大人  「落ち着いてください。すぐに新しいロボットを用意しますから。」

アレンがその光景を見ているとリズがアレンンの顔を覗き込んだ。

リズ  「体調、悪いですか?」

アレン 「えっ?」

リズ  「涙。悲しいときに出るんですよね。」

アレン 「涙…?」

アレンは自分の頬を触ると自分が泣いていたことに気づいた。

アレン 「あれ…おかしいな…」

リズ  「…少し休んでから戻りましょうか。」

リズは近くの公園に入り、ベンチにアレンを座らせた。

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