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心が生まれた瞬間  作者: 仙夏


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02

夕方になり、お風呂の準備をしていたリズの後ろからアレンはリズの背中を押してお風呂の中に沈めた。

リズは、まるで人間かのように水面から顔を出してお風呂から出て、タオルで髪を拭き始めた。

アレン 「…水、平気なんだ。」

リズ  「水害の際にアレン様をお守りするためですよ。」

アレン 「…」

夜眠るときまでリズはアレンの傍を離れなかった。

アレン 「…一人で眠れるんだけど。」

リズ  「傍に居るだけですから。」

アレンがベッドに横になると、リズは傍に座ってアレンを見ていた。

アレン 「…寝付きが悪いこともプログラムされてるの?」

リズ  「はい。アレン様が眠れるまでリズが傍に居ますから。安心してお休みください。」

アレン 「…僕が何で眠れないのかも知ってる?」

リズ  「はい。」

アレン 「…何で?」

リズ  「話してもよろしいのですか?」

アレン 「…どうプログラムされてるのか聞きたい。」

リズ  「アレン様の頼みであればかしこまりました。アレン様は目を閉じると戦争のことを思い出されます。ご両親が戦争を止めるために燃え盛る町の方へと行かれ、帰って来なかった。そのことを思い出してアレン様は眠れなくなってしまいます。」

アレン 「…君は僕の両親をどう思う?」

リズ  「どうと言うのは?」

アレン 「…僕は馬鹿だと思う。あんなに欲望まみれの人間たちに二人っきりで立ち向かうなんて無理だったんだ。頭が良くて、変に勇気があったからって…そのせいで両親は死んだんだ…」

リズ  「…アレン様は戦争が嫌いですよね。」

アレン 「っ、当たり前じゃないか!」

アレンが大声を出すとリズはアレンのお腹に手を添えた。

リズ  「きっと、ご両親も同じ気持ちだったんだと思います。戦争は誰も喜ばない。アレン様も嫌いな戦争をご両親は止めたかった。アレン様を守りたかったのではないでしょうか。」

アレン 「…でも、それで死んじゃったら意味ないよ…」

リズ  「…アレン様を守れればそれで良かったのかもしれません。」

アレン 「…勝手なこと言わないで。」

アレンは目から涙がこぼれるのが分かって、すぐに拭った。

リズ  「…それは何ですか?」

アレン 「えっ、それって…涙のこと?」

リズ  「涙?」

アレン 「…それはプログラムされてないの?人間は悲しいとき、涙を流すものなの。」

リズ  「そうなのですね。アレン様、大丈夫ですか?」

アレン 「…何で君は、両親の気持ちが分かるの?ただのロボットなのに。」

リズ  「私も同じようにプログラムされていますから。アレン様が守れるのであればどのようなことも厭わずに実行するようにと。ですので、その気持ちだけは分かります。」

アレン 「…そう。でも、両親の気持ちは両親にしか分からない。何を考えて何であんな無茶なことをしたのか分かりたくもない。」

リズ  「そうでしたか…」

アレン 「…もう寝るよ。」

リズ  「…はい。おやすみなさいませ。」

リズがアレンに布団を掛け直すと、アレンは布団を頭まで被った。


時間が経ってもなかなか眠れずアレンが起き上がると、リズは傍でアレンを見ていた。

アレン 「…まだ居たの?」

リズ  「アレン様が眠れるまで傍に居ますよ。」

アレン 「君のせいで眠れなくなっちゃったじゃない。」

リズ  「申し訳ありません。何か温かい飲み物でも淹れましょうか?」

アレン 「そうして。」

リズ  「はい。お待ちください。」

リズがホットココアを淹れて、アレンの元に戻ってくるとアレンは起き上がってベッドに座った。

リズ  「お待たせしました。」

アレン 「これもじいやと同じ?」

リズ  「そのはずです。」

アレン 「…いただきます。」

アレンはココアを飲むと俯いて泣き始めた。

リズは傍に行き、アレンの背中を擦った。


しばらくしてアレンは泣き疲れて眠ってしまい、リズはアレンをベッドに寝かせて布団を掛けた。

アレンが眠っているのを確認して、リズは部屋を出て自分の部屋に行き、パソコンの前に座った。

パソコンを少し操作すると、モニターに男性の役人が現れた。

役人  「No.3393。報告が遅いぞ。」

リズ  「申し訳ありません。」

役人  「No.01の状況は?問題があったわけではなかろうな?」

リズ  「問題ありません。健康状態も良好です。」

役人  「分かった。一か月後にNo.01の能力試験を行う。それまでにNo.01の能力が少しでも落ちていたらお前がどうなるかは分かっているな?」

リズ  「はい。」

役人  「No.01について、定期的に報告するように。」

モニターが切れるとリズは今日のことを記録してパソコンを閉じた。

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