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気づいたら、ステータスに『呪詛魔法(レベル1)』が生えてた。
……心当たり?あるよ。あれでしょ?親に対してしばらく帰ってくんな、って心のなかで言ったやつでしょ?
……これって喜んでいいのだろうか?いや、喜んでいいだろう。だって、新しい魔法がゲットできたし、親の顔もしばらく見なくて済む。一石二鳥だ。やったね!
しばらく親が帰ってこないとわかった私は、再び家に帰ってきた。まあ、家を出た日から大体一ヶ月たったけど。
この一ヶ月で、また一段とステータスが上がった。
確認しておこうかな。
『名前:リエラルオーティ・ベナティア
年齢:4歳
種族:人間
出身:ルベル王国
レベル:49
HP:870/890
MP:253/1532
STR〈筋力〉:1003
AGI〈敏捷〉:1121
VIT〈防御〉:923
INT〈知力〉:1429
DEX〈器用〉:921
特殊スキル:成長補正(Level:∞)
魔法スキル:風魔法(レベル9)、火魔法(レベル4)、水魔法(レベル5)、土魔法(レベル5)、光魔法(レベル8)、闇魔法(レベル5)、植物魔法(レベル4)、精神魔法(レベル4)、空間魔法(レベル5)、影魔法(レベル8)、生産魔法(レベル8)、付与魔法(レベル4)、身体強化魔法(レベル3)呪詛魔法(レベル2)
耐性スキル:痛覚耐性(レベル10)、落下耐性(レベル8)、水属性耐性(レベル6)、風属性耐性(レベル5)、闇属性耐性(レベル7)、瘴気耐性(レベル8)、恐怖耐性(レベル8)、混乱耐性(レベル4)、火属性耐性(レベル3)、土属性耐性(レベル3)、光属性耐性(レベル3)、影属性耐性(レベル3)、呪詛耐性(レベル1)
他スキル:自然回復(レベル10)、鑑定(レベル3)、マナー(レベル5)、隠蔽(レベル8)、気配察知(レベル7)、未来予知(レベル2)、結界(レベル3)、暗殺術(レベル1)
称号:転生者、侯爵令嬢、真ボス、悪役令嬢
祝福、加護、呪い:なし 』
本当に強くなった。
だって、一部のステータス4桁だよ!?主人公たちですらレベルカンストしないとこんなステータスにならなかったよ!?
しかも、ヒロインたちはスキル少なめだし!
私の場合、何もしなくても自動回復とかはずっと発動してるし、その分早くレベルが上がるので、スキルレベルがカンストしたのも出てきた。
本体のレベルが50くらいでこのステータスって、めちゃくちゃ化け物だよ……。
だって、レベルがカンストしたらどうなるか想像つかないもん。逆に怖いよ。
最近は、ずっとステータスを隠蔽で隠している。
だって、誰かが私のことを鑑定して、レベルがこんなのだったら、「なんで侯爵令嬢なのにレベルが1じゃないんだ!魔獣を倒したのか!?まさか偽物なんじゃないか?」なんてことになったら面倒だし。
隠蔽って本当に便利。隠蔽を発動した状態でステータスパネルの文字をなぞると、そこの部分だけ文字が消えるのだ。
しかも、魔力の数字をなぞると、私が普段纏っている魔力も減っていくのだから不思議だ。でも、魔力の総量は変化した感じがしないからね。すごい。
それにしても、最近アクシデントがあったんだよね。
魔獣の森で魔獣狩りをしてた時に、人の話し声が聞こえたんだよ。
多分、冒険者だとは思うんだけど。
……あぁ、この世界の冒険者とは、ライトノベルでお馴染みの冒険者と一緒だと思ってくれていいよ。
どの国にも冒険者ギルドはあって、ランクはFからSまである。
主な仕事は魔獣討伐だけど、雑用も引き受けたりする。
F、Eランクの人は子供が多くて、その人たちは雑用を受けたりする。魔獣討伐は、私が初めての魔獣討伐で苦戦したように、相当危険だから。
いや、実はさ。
魔獣の森で冒険者に出会って、冒険者やりたくなったんだよね。
理由は3つ。
一つ目、楽しそうだから。
だって、冒険者だよ!?響きがいいじゃん!ラノベとか読む人だったら一度は憧れる職業じゃないか!
二つ目。冒険者登録したら、魔獣の死体を売ることができるんだよね。
実は、今まで倒した魔獣の死体は、全て空間魔法で保管してある。
え?捨てなかったの、って?
だって、血とかの匂いに引き寄せられるんだよ?魔獣って。そのままにしといたら魔獣が寄ってくるじゃん。
それにもったいなかったし。
最後、三つ目。お金が欲しい。
……あぁ、侯爵家が貧乏なわけじゃないよ?
ただ、外で使える現金を持っていないだけで。
だって憧れるじゃん!街で買い食いとかするの!
でも、メイドたちに現金ねだっても、使わないなら渡しませんって言って絶対渡してもらえない。よって、自分で稼ぐしかないのだ。
侯爵令嬢も大変なんだよ。
よし、そうと決まったら、準備しなきゃ。
まず、バレないように仮面を作った方がいいよね?
生産魔法で……そうだな、狐でいいか。狐のお面を作る。
そして、髪の色も変えとかないと。髪色から侯爵令嬢に結びつけることは無いと思うけど、一応ね。
うーん、何色がいいかな。ここはシンプルに茶色でいっか。
そうして私は着々と準備を進めるのであった。