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序
お断り: 扱う題材と一部描写の関係で、念のためR15に指定しています。ほとんど描写はありませんので、そちらに期待される方はご注意ください。
何事にも時があり、
天の下の出来事にはすべて定められた時がある。
生まれる時、死ぬ時
植える時、植えたものを抜く時
殺す時、癒す時
破壊する時、建てる時
泣く時、笑う時
嘆く時、踊る時
石を放つ時、石を集める時
抱擁の時、抱擁を遠ざける時
求める時、失う時
裂く時、縫う時
黙する時、語る時
愛する時、憎む時
戦いの時、平和の時。
(※『聖書 新共同訳』「コヘレトの言葉」3章1〜8節より引用)
いかなる時代に生を受け、いかなる身分に生まれた、いかなる性の者であろうと、それのみは等しい。しかしながらまた、定められた時の流れの行きつく先を明瞭に知ることの叶わないのも、何人であろうと等しいのである。
先の見えぬ流れなれば、人はただ、濁流のなかであがくのみ。