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未来スケッチ パンデミックの夜明け  作者: 幸田 英和
登場人物紹介
5/12

妖怪園 てん園長

雷光の谷をあとにして、一山超えると古びた小道具屋があった。

店の前で、おばあさんが鼻に割箸わりばしを突っ込みあごを突き出して言った。 

「何か、妖怪ぃ~ん」



不思議な店だ。『なんだって』と看板がある。

「見るだけ、無料むりょうだよ~

 ほしけりゃ買って毛だらけ、猫灰だらけ、となりのじじいは、クソだらけ

 珍品、変品、まがい品いっぴゃぁあるでよ~。ふぉふぉふへぇ・・・」

おばあさんの入れ歯が落ちた。

「おもしろいおばあちゃんだな~」

小さな店だけど、あちらこちらに変わったものが売っている。

「お客さん、ここから先は二方向に分かれているだよ~

 一つは、はんにゃのいる風鈴の森、もう一つは、ライジャのいる水晶の湖・・。

 どっちも危険だよ~!これ、買っていきなよ!必ず役にたつからよ~」

そういっておばあさんが翔太に手渡したのが、風車と油取り紙。二つで100妖銭。

「高いから30妖銭にまけなさい!」

「なんだって?えぇ〜なんだって?」

「聞えんふりするなぁ~!」

「かないまへんな~、よっしゃ50妖銭でどや!」

「わかったわ、おまけに携帯ランプもつけてね!」

「出血大サービスやわぁ!笑劇場しょうげきじょう妖怪園ようかえんのチケット2枚もつけたるよ~」

「わぁ、ありがとう!」

不思議な店の裏は、牧場になっていて、中に笑劇場しょうげきじょうがある。

看板に、『たわけ殿ごりっぷく【満員御礼】(まんいんおんれい)』と、書いてあった。

 「出演 たわけ殿…てん、お女中…久美子」

中に入ると、30席が、2席残して満席だった。

檀上には、白塗りのたわけ殿と‘、お女中のが久美子が座っている。

「おい!そこの女中、名をなんと申すか?」

「久美子と申しまする・・・」

「歳はいくつじゃ?」

「18で、ございまする・・・」

「ジャジャン!!」 と音がなり、眉間みけんにしわを寄せてたわけ殿が立ち上がる。

「どぅ見ても妖怪、砂かけ婆だろう~!化粧でシミはかくせても、目尻の小じわはかくせねぇぜ~」

劇場げきじょうに笑い声が「ぎゃはははは!」ひびく。

岡江戸は、持っていたザルからたわけ殿の顔に灰色の粉を投げつけた。

「ぐわぁ、はぁはぁ~へっくしょん へっくしょん・・・な・・・なんだぁ~これは」

「砂ではなく、コショウでございまする~」

爆笑「ぎゃはははは!」

劇場げきじょうからは笑い声が響き渡っていた。

その後も、二人の絶妙なコントが続き劇場げきじょうは爆笑の渦に包まれた!

「うわっっはは! 笑いすぎてお腹が痛い」

あるよと翔太は、笑劇場しょうげきじょうを出て妖怪園ようかいえんに行った。

サルボボっちのボボちゃんを抱いた てん園長が来て、妖怪園ようかいえんを案内してくれた。

牛の顔に馬の身体の、妖牛馬ようぎゅうば

パンダ模様のコアラ、妖コワパンダ。

亀の甲羅こうら、中はウサギ、妖ウサカメダ。  

 「変わった、妖怪動物ようかいどうぶつがたくさんいる!」

「なにか 妖怪ぃ~ん」

「うわっ!何・・・手と足が入れ替わってる」

あっ変な、おじさん「ぎゃはははは!」

「なんだか ワクワクするね!」

「楽しんでもらって よかったわいなぁ~。これから、いろんな試練しれんが、あるけんど楽しいことも いっぱいあるからよ〜。とにかく、笑ってろよ。~だいじょうぶだぁ~」

てん園長は、エールを送ってくれた。

満月の夜、あるよの手鏡てかがみが光り、翔太は現世界げんせかいに戻っていった。

生きる希望に満ちた元気はつらつの翔太くん。

看護師の悦子さんは「なにかいいことあった?」と言って微笑んだ。










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