元気寺の回復和尚
翔太には、ベットに寝ている自分が見えた。
「そぅ、翔太くんは魂が身体からぬけでたの。
これから旅にでるのよ!魂を鍛える修行の旅にね」
(目の前に白くふわふわの道がある・・・)
ここは妖次元に続く道、絹の道シルクロード。
あるよと一緒に絹の道を進む途中に、背中に羽の生えた女の子がいた。
まるでダンスを踊るようにして、絹の道を編み上げている。
「私は、絹の道の案内人の妖精シルクです。 妖次元の、元気寺まで案内します。さぁ、この羽を背中につけて!」
翔太と、あるよは背中に羽をつけて絹の道を滑るように飛んでいった。
目もくらむ光の輪の中を通り抜けて、元気寺に着いた。
そこには、【布袋】《ほてい》様のようなお腹の回復和尚が、愛くるしい黄色の猫と一緒に、僕翔太たちを待っていた。
翔太は心配になって、回復和尚聞いてみた。
「元の世界に戻ることはできるの?」
「大丈夫! ここは、翔太くんが病魔を倒すための修行の場じゃ。今いるのは翔太くんの魂だけ。身体を見てごら?太ってないし、車椅子なしでも歩けるじゃろう」
「それに、ここでは何を食べてもよいぞ!
あるよが、料理つくるから、お腹いっぱい食べていくがよいぞ!
和尚は続けた。
「それに、ここでは何を食べてもよいぞ!腹がへっては、戦はできんじゃろう。
それに、ここでの一か月は、元の世界の午前零時から25時の1時間だけなのじゃ。ここの 25時は、午前1時ではない。現生には存在しない幻想時間なんじゃ。」
回復和尚に、お寺を案内され、二人はお堂の中に連れていかれた。
大きな鳥の像が置かれてある。
「胸に五つの丸い穴。そこには そこには赤色の火玉、緑色の風玉、青色の水玉、黄色の雷玉、茶色の土玉の『【心魂玉】《しんこんだま》が埋め込んであったのじゃ」
年に一度の【八百万】《やおよず》の神の会合があって出かけた隙にじゃ、
結界を破り【虎狼狸】《ころうり》の手下、【五妖怪】《ごようかい》が奪っていったのじゃ」
回復和尚が巻物を翔太に渡す。
巻物には「【起動呪文】《きどうじゅもん》、『わこれととろもにみらういりにむりけてうろとろびたこて』解読して魔を取り払い念じよ、されば、われは復活する。」
と、書かれてあった。
「火・風・水・雷・土 の、心魂玉を、取り戻し起動呪文を解読するのじゃ。そして眠っている不死鳥フェニックスを蘇らせるのじゃ。虎狼狸を退治するには、それしかない!」
和尚はあるよの目をしっかり見て、言った。
「さあ、あるよ、猫のナーニと共に心魂玉を取り返す旅に出るのじゃ。準備は、出来たか!」
あるよが、翔太にそっと、なんきん袋を渡し、言った。
「困ったときには必ず役に立つから、この袋を肌に離さずもっていて。それまでは決して開けないでね!」
翔太は袋の中身のことは尋ねなかった。、ただ、影絵の作り方だけは、あるよに教えられた。
猫のナーニが、翔太の足元にじゃれついてきてきた。するとビリビリ電気が走り、翔太の足はしびれてしまった。
「大丈夫?ごめんにゃ」
「えっ? 猫がしゃべった!」
「そうよ。ナーニは、人と、しゃべる、とっても賢い猫なの。いつも、わからないことは、『なあに教えて』と聞いてくるのよ」
翔太は、感心してナーニを見つめた。
「未来とは何か、未来に不安がることはないのじゃ」
未来は、今の自分が創るものじゃぞ!
すでに、決まっているものではないのじゃ。
さあ、勇気を出して進むのじゃ!」
ようかい?コラム
座敷童子とは、日本の民間伝承に登場する小さな妖精のような存在で、人の家に居座るとされています。主に客間や座敷に現れ。家の主人に仕えたり、時には悪戯をするといわれます。赤い顔が特徴で、着物を着ているとされます。