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BRAVER-大会編-(前)  作者: Tommy
第1章―目覚め―
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4.二つの街

 ピースの街。そこは31世紀の今、最も発展している国内の大都心。

 この街は、今から1000年前に、この国でたくさんの街が合併して創られた。「ピース」の名の通り、大事件から平和を守る、そんな意味で誕生した。けど街の人は「シュテンハイムが隣だと災いを起こす」とけなした。果たして今まで、大きな災害及び事件はひとつも起こっていない。

 シュテンハイム。ピースの隣にある街。ここから歩いて行くことができる、身近な隣街。

大きな刑務所が、とても昔から建っている。そこは、僕たちブレイバーが誕生するきっかけとなった、看守大量殺人事件が起きた場所として有名である。ピースの町で起きた犯罪は、隣にあるシュテンハイムの刑務所で処罰される。

 たくさんの車が走っている。旧日本で活躍した会社も、1000年以上前からずっとある。その中に、ミッチェル社の最新スポーツカー、「スプリングラー」があった。

 ミッチェル社は、この街に本社を構える、世界的な大企業である。輸入・輸出、食品、車、文房具、建物、そして武器に至るまで幅広いところに首を突っ込むベンチャー企業だ。その全ては大成功していて、代表取締役社長ミッチェルは腕の立つ美人女戦士としても有名なので、現在この国で最高人気の会社といえる。

 朝の歩道を一人、歩く。冷たい風が僕の横を通り過ぎていく。

 建ち並ぶビルの数々。その中のミッチェル社ビルが一際大きくそびえ立つ。

 僕はいろいろなことを思い出しながら、たくさんのビルの前を通過した。

 そして、それはそこにあった。

 大きな鉄でできた門に、火を纏った鳥が描かれた紋章がある。その隣に、

 「特殊警察自衛隊『ブレイバー』本部」

 と大きくかしこまった字で書かれてた。

 ブレイバーはもともと、非政府・非営利の自警団体だった。目標は「バケモノから街を守る」というものであった。当然、周囲の人間はその団体を嘲笑った。「どうしていやしないものから街を守るのだ。無駄なことはしなくていい」と、散々言われたらしい。果たして、バケモノなんて現れやしなかった。

 それからこの団体は、街の犯罪を監視したり、災害時に食料を支給したりして、住民に貢献した。

 その結果、住民は団体を信頼し、街に認められる存在となったのだ。その後、警察がこれを注目、国に認められる大きな警察組織に成長した。そして最近になりどういったわけか、急激に団員が急増。今に至るのだ。

 その急に増えた中の一人が僕、というわけだ。

 それにしても、かっこつけて早く家を出たけど・・・・・

 時計の針は、午前7時を示していた。

 まだ時間があるから、そこらへんのコンビニで時間を潰そう。

 僕は本部から百メートルほど離れたコンビニエンスストアに向かった。

 コンビニの窓には、「ブレイバー隊員募集中!あなたも一緒に国を守ろう!」というチラシが貼ってあった。

 コンビニに入り、週刊誌を手に取る。表紙には「ついに解明!刑務所事件の真実」という文字がある。


 『先日シュテンハイム刑務所で起きた、役人およそ百人全員が死亡していた事件で、警察は懸命の捜査をしているが、特に大きな進展は無い。なお、特殊警察隊・ブレイバーとの関連性が噂されているが、現時点ではそのような事実は無いと、警視総監が話している。』


 ブレイバーとの関連性・・・・?僕はちょっと気に留まったが、どうせガセ情報だろと思いながら商品棚に週刊誌をしまった。

 そして、店に置いてある雑誌に目を通していく。少年ステップで連載してる「カーディガン・ガーディアン」は本当に面白い。久々に見ることができて感動した。

少年ステップを読み終わったあと、周囲を見渡すと、さっきまでいなかった人が急に増えていた。もう通勤とかする時間帯なのかな。そう思い、時計を見る。


 午前9時50分。


 やばい!式に送れちゃう!


 さっき行った道を、全速力で戻っていった。


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