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BRAVER-大会編-(前)  作者: Tommy
第4章―迫る脅威―
31/37

31.確信

「……間違いないわね」

 ミッチェルは窓から外を見つめながら、そう言った。

 外はさっきまで降っていた雨が、より激しくなっていた。


「あれは間違いなく……"鳥"ね」

 彼女は深々と、考えていた。

 スタン・ハーライトを、レックスに呼んでもらい、調べたが、彼女はそこである"確信"を持ったのだった。

「どうした?」

 すると、彼女の後ろからすうっと長い髪の男が現れた。

「ジューン、いたの?」

「いや? 今来たところさ」

「……スタン・ハーライトは"鳥"だわ」

「ほう」

 ジューンは関心無さそうに言った。

「どうしてそう思った?」

「この腕輪よ」

 ミッチェルは右腕に付けてる黒い腕輪を彼に示した。

「腕輪?」

「これは"遺伝子"を感知することができるの」

「またディッセムのか?」

「ええ、ディッセムは良いものを作ってくれたわ。これを付けて、スタンの手を触ってみたんだけど、"鳥の遺伝子"が非常に濃かったの」

「ふーん、あんなマッドサイエンティストの作るものを信頼するんだなぁ」

「ええ、信頼してるわよ」

 ミッチェルは当然だ、と言わんばかりの口調だった。


「だってさぁ、"鳥の遺伝子"を感知するって…やりかたがなんとも回りくどいよ。誤認の可能性は十分にあるだろ?」

「たとえば?」

「君らしくもない質問だね。外に鳥が飛んでたら、それを感知するかもじゃん?」

「外を御覧なさい」

「ん?」

 ジューンは窓の方を向いた。

「……なぁるほど」

「でしょ?こんな雨の中、鳥が飛んでると思う?しかもここはビルの最上階よ?」

「アマノタツはいなかったのか?」

「来ていたのはスタン・ハーライトとレックスだけ」

 ジューンは少し考えた。

「ふーん、これだけ条件がそろってれば問題なし……か」

「あいつは間違いなく……」


「ストロン、というわけか」


 ミッチェルはうなずいた。


「何かあったの~?」

 そして、スーツを着た女が部屋に入ってきた。

「ん? 誰だ、コイツ?」

「すぐに分かるわよ」

 するとその女は急に姿形が不安定になり、やがて別の女性の姿になった。

「あぁ、エイプリルか」

「うふふ、ジューンでも分からないなら上出来ねアタシ」

 エイプリルはクスクス笑った。


「で、どーしたのよ、ミッチェル?」

「ええ、ストロンの行方が分かったわ」

「あら、ストロンってほんとー?」

「本当よ。ディッセムのおかげで分かったの」

「へぇー」


「さて……そろそろ僕たちの"作戦"の準備が整ったようだ」

 ジューンは得意げに髪をなびかせた。

「そうね」


「ヒヒヒッ、勇者ごっこはおしまいだね」


 外では、雷が激しく轟いていた。

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