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BRAVER-大会編-(前)  作者: Tommy
第2章―魔術大特訓―
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18.新たな動き

「ふぁーあ、朝から講義とかありえないんですけどぉ」

 エクセルがあくびした。

「何あくびしてんだよ、一番最初に寝たのお前の癖に」

「んー、俺はなぁ、ゆうべいちばんパワーつかったからつかれてんだよぉ」

「パワー使ったのか、そうかそうか、あはは」

 少々寝ぼけている彼を見て、僕はくすりと笑った。

 僕たちは、朝から『魔術講座』2回目が始まる知らせを聞いていた。

 朝食を食べてる間、そう放送があったときはびっくりした。

 だから教室へ向かうため、今こうして廊下を歩いているというわけだ。


「あ、おはようございます」

 正面にラメルが現れた。

「おーっすラメルちゃーん」

「やぁラメル、おはよう」

「おはよう」

 そういえばラメルとは、昨日の講義から、話していなかった。

 講義が終わってから話そうと思っていたら、いなくなっていたのだ。

「あ、ラメル。この前はどうもありがとね」

 僕はまずはとりあえず、お礼を言った。

「え、いえいえ、私は何もできなくて。そんな風にいわれると、恥ずかしいです……」

 ラメルは僕と目を合わせなかった。

「来てくれただけでもありがたいのさ」

「そうなんでしょうか……」

 そんなときだった。


「なーにやってんのですか、ラ・メ・ル・じょ・う!」

 ラメルの肩によりかかるように、女の子が現れた。


「あっ、クリス先輩っ!」

「気を抜いちゃ、だめだぞ? あれれぇ、ひょっとしてその金髪のコに、ヒトメボレしちゃったのかなぁ~?」

「いえ……そんなことないですよお」

 なんだ?この人?


 女の子向けの隊員服を着て、髪は緑のロングヘアーだった。背中まで伸びていて、すごくふわふわしていた。よく見ると、花の髪飾りをつけていた。

 年齢は多分、僕と同じかやや上か……。なんか少し違和感があるような気がしたが、気のせいだろう。

とても肌が白く、言いにくいけど……とても端正な顔立ちをしていた。

「えっと……あなたは?」

「ボク? ボクはクリスティーだよ! クリスって呼んでね!」

「失礼ですが、所属はどちらですか?」

「マジョリティの医療班と後衛部隊両方だよー!」

「り、両方!?」

 マジョリティに所属してる時点で、相当できる人だ。ましてや医療班と後衛部隊…魔術のエキスパートともいえる存在だった。

 この組織は、どうしてこう……こんなに……見かけで判断できない人がいるんだ。

「すっげぇな、そりゃあ」

「信じられないです」

 2人も驚いた様子だった。

「へへーんどうだ。すごいだろう」

 クリスティーさんは鼻をこすった。

「かくいうキミたちは何者だい?」

「僕はスタン、そこにいる眠そうなのがエクセル、そしてワイヤーです」

「どうもぉ」

「おはようございますクリスさん」

 2人はおじぎをした。

「おぉ、キミがスタン・ハーライト氏かねえ?」

 クリスさんは僕のフルネームを知っていた。

「え?は、はい、そうですけど」


「シルク嬢が呼んでいたよん」


「え、シルクさんが?」

「そうだよん。ボクはカノジョに『スタン・ハーライトを探してきてちょうだい!!』って言われたんだよん」

 シルクさんが、僕に用があるだって?

「用件は何かおっしゃっていましたか?」

「用件……それは言っていなかったかなぁ? 言ってなかったよね?」

「いや、僕が聞いてるんですけど」

「まぁいいから、行ってきてあげてくれ」

「はぁ、わかりました。どちらへ向かえばいいのですか?」

「うーんと、たいちょーしつ!」

「隊長室、ですか……!?」

 ちょっと待てよ。隊長室というと、シルクさんじゃなくて――

「それって、剣士隊長の部屋じゃ……」

「あぁ、そうだそうだ」

 やっぱり、用件があるのはシルクさんだけじゃなくて……


「レックス氏も呼んでたのを忘れてたわ」


 レックスさんまで僕に用件が?

 何か悪いことをしたか? 僕が? そうか、夜更かしの件? いやでも、それだったら3人いっぺんに呼ばれるはずだし……

「いつ頃行けば良いのですか?」

「すぐ」

「え?」

 急用だというのか?

「わ、わかりました、すぐ向かいます。エクセル、ワイヤー、ラメル、またね」

「おぉ~」

「すぐ戻ってこいよ」

「ス、スタンくん……」

「またあおうなー、スタン~」


 僕は見当もつかぬまま、独り隊長室に向かって走った。

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