第九話
やっとだよ……。
あ、誤字報告ありがとうございます!初めて見ました。あぁなってるんですね。
放課後になると同時に俺は素早く教室を飛び出し闘技場に向かった。
闘技場とは学園の決闘システムに必須の場所でお互いに勝敗を決めるかつ怪我の無いようにと政府がかなり全力を注いで作った代物のようで闘技場内で負ったダメージは痛みは無く、また傷として現れることはなく代わりに精神力を削るという仕組みになっている。
精神力を削るというのは疲労なんかでだるくなる感覚に近く精神力が空になると眠るように気絶してしまう。そのように片方が倒れると決闘が終わり勝敗が決まる。
ちなみに武器も支給性でどんな相手でも対応できるようにかなり膨大な種類のものが各学園に保存されている。
「おっと着いたか」
かなりの大きさの闘技場を前に思わず見上げてしまう。なんやかんやここに来るのも一か月ぶりくらいだろうか、一年が終わるころには挑んでくる奴もほぼいなかったしな。
「今回俺は……こっちか」
選手専用入り口には左右で別れるようになっていて実際に決闘が始まるときには対極から入場し向き合うようになっている。
自分の名前が書かれた道を進むと控え室と事前に依頼しておいた武器が置いてある。俺が今まで使ってきたのは刀、今回も例にもれずそれを選択した。
『立川一星、西宮咲姫。ただいまより決闘を開始します入場をお願いします』
しばらく素振りやらをして待機していると放送でそんな声がかかった。これが合図でお互いの準備が整ったという合図だ。素振りしていた刀を腰に差し入場口に向かう。
薄暗い日の光と共に見えた景色は見慣れたもので円形の決闘用の場所とそれをぐるっと囲むように設計された観客席。今日はそれほど人数はいないがやはりそれでもちらほらと座っている女子が見える。
「せんぱい今日はよろしくお願いしますね~」
周りを見渡しているといつの間にか入場していた西宮さんがそう話しかけてきた。
「ああ別に、あのゲームで敗北してもただ決闘するだけでいいなら勝つだけでいいから別にいいぞ」
「その余裕がいつまで続きますかね~」
それだけ言うと彼女は構えを取ったためそれに合わせて俺も刀を構えた。
リアルの彼女はゲームのにしみゃさんとほとんど一緒で違う点といえば髪が長いことだろうか?今はポニーテールだが教室に来た時には結んでおらず腰ほどまであったはずだ。
実際俺も性別と髪が短いってこと以外は違う点は無いし似た者同士何だろうか。
『両者準備はいいですね?……それではレディ……ファイッ!!』
それと同時に俺たちは得物を向けながら相手に向かい走り始めた。
「んんっ……ここは……?」
目を開くと俺を包み込む柔らかい感触と目の前に見えるのは真っ白な壁。
「あっ!やっと起きましたねせんぱい」
横から聞こえた声に顔を向けるとさっきまで戦っていたはずの西宮さんが椅子に座っていた。
「俺は負けたのか……?」
「そうですよ~ゲームでの戦績と合わせると私の401勝ですね~」
「……」
「これで私のお願い聞いてもらいますね~」
そう言って一呼吸おいて。
「せんぱい!私と付き合ってください!」
戦闘描写嫌いすぎんか俺ww