第七話
なんか日刊恋愛ランキング乗ってました~。
みんな~ありがとね~(アイドルムーヴ)
あっ、主人公視点に戻りますね。
「見つけましたよ【ひとほし】さん♪」
笑顔でそう言われると俺は固まってしまった。
「あれ?違います?でも間違いならこんなわけのわからないことを言う女を見たら驚愕よりも困惑の表情を浮かべますよねぇ?ひとほしさん!」
ニヤニヤという言葉が似合いそうな笑顔でこちらを見てくる彼女……いや、にしみゃさんか。これは……俺の負けなんだろうな、くそっ罠に嵌めたと思って油断したか……。
「で、結局どうなんです?ひとほしさん?」
そういう彼女の顔はどこか確信に満ち溢れていて、どこか認めるのは癪だが誤魔化すのは禁止といわれている。さすがにここは無理だろう。
「……あぁそうだよにしみゃさん」
溜息を吐きながら仕方なしに俺は負けを認める。
「にへへぇ私の勝ちですね」
「……そうだな」
「まさかゲーム初めて一日で負けるとは思ってなかったんですか?油断大敵ですよ~」
油断していたわけじゃない、何なら俺も今日見つけてやろうって気でいたわけだし。ただ単純に俺よりあいつの方が頭がよかっただけだ。
「じゃあひとほしさん……いえ先輩は負けたんですから私のお願いを聞いてもらいましょう!」
「いいだろう……ただ無理のない範囲でだぞ」
負けを受け入れた瞬間から覚悟していたことだ。潔く罰ゲームを受けようじゃないか。
「う~ん……それは――――」
それは……?
「ゲーム内で言いますね!それじゃっ先輩方私たちはこれでっ!いくよ桃華さん!」
「ま、まって……ていうか咲姫ちゃんそんなキャラだっけ!?」
「あっ!ちゃんとログインしてくださいね~」
にしみゃさんは若干空気になっていたにしみゃさん(影武者)の手を引っ張ると去り際に一言いい残し去って行ってしまった。
「……ゲーセン行くか?」
「おう……」
結局この後俺は二人と一緒にゲーセンへ向かい悔しさをぶつけるようにひたすら遊びまわった。大体のゲームで俺が二人をボコボコにしてしまったため小言を言われたがエアホッケーやらプリクラやらでイチャイチャを目の前で見せつけられたんだからいいだろ別に。
「それじゃまた学校でな」
「じゃあね一星。まあ勝負に負けちゃったことは仕方ないけどあんまり気にしない方がいいよ」
「ありがとよ。それじゃあな」
ある程度まで一緒に来るとまだ少し遊んでいくという二人と別れて自室へ向かう。若干この後のことを考えると憂鬱だ、いつも通りゲームをやりたいがログインをすると確実ににしみゃさんに煽られる……。
「まっそんなこと気にしても仕方ないか」
結局悔しいことは悔しいが別にこれからに支障があるわけでもあるまいし。さっさとログインして素材でも集めるか。
「あっ遅いですよひとほしさん~」
「遊んでたんだ、仕方ないだろ」
ログインするとすぐににしみゃさんに話しかけられた。もしかしてずっと広場に待機してたのか?
「まあそれはいいです友達は大事ですから。でもゲームの約束は忘れてないですよねぇ?」
「……忘れてないっての」
さすがにそこまで認めなかったら俺が恥ずかしいだけだしな。ルール違反だし。
「それで?結局俺に何を要求したいんだ?無理がある奴は拒否るからな」
「わかってますよ内容ですよね、むふふふふそれはですね~……」
ニヤニヤしやがって……何が狙いなんだこの人は。
「それじゃひとほしさん!いえ先輩!私と付き合ってください!」
ここまでがあらすじ