第四話
ようやくゲームや
「私とゲームをしましょう!」
……ゲーム?
「VRMMOに飽きたのか?じゃあFPSでもやる?」
「それも魅力的ですが……違います!」
うーんゲームと言われても複数人でできて【にしみゃ】さんとやったとなるとこの二つの種類意外にないんだけど……新しいゲームか?
「私が言ってるのはリアルでゲームをしようってことです!」
「……オフ会ってこと?」
オフでボードゲームでもやりたいんだろうか?
「違いますぅ!そんなのではなく……そうです!先にリアルで見つけた方が勝ちゲームです!」
「ん?どういうことだ」
「ひとほしさんも私も東京都立学園に入学していますよね?」
「そうだな」
「ですので!ルールは簡単。私はひとほしさんをひとほしさんは私を、リアルで先に見つけた方が勝ち。さらに勝者は敗者に無理の無い範囲でお願いができるっていうのはどうです?あっ、見つけられたら素直に認めてくださいね、誤魔化すのはルール違反です」
頬を膨らませたにしみゃさんの説明である程度理解したが本当に名前の通りのルールで数少ないヒントのなかリアルで探せと……俺の持ってる情報なんて一年生でおそらく女子ってことくらいだぞ。
まぁでも別におかしな所はないか、せいぜいなんでこんなことをしようと思ったかの動機くらい。
「……」
「あれれ?黙っちゃって、もしかして負けて何か要求されるのが怖いんですか~?」
「……いや、そういうわけじゃ」
実際にしみゃさんが買った場合どんなことを要求してくるのか気になるが結局勝てば問題ないしそもそもあんまり無理なことだったら断ればいいだけだしな。
「じゃあいいですよね!」
「いいだろう、でも私もやるからには本気でやらせてもらうぞ」
「いいですよ、私負けるつもりなんてさらさらありませんし。今のうちに私のお願いを聞く用意をしといてくださいねっ♪」
そんな挑発を受けた後は自然と解散になった。明日からの勝負のために作戦を考え俺は眠りについた。
翌日、俺はにしみゃさんと始めたゲームの作戦を昨日寝る前に考えたのでそれを実行するために俺は数少ない友人に話しかけに向かった。
「おい翔」
「んあ?どうした一星何か用か?」
「あぁ、ちょっとしたお願いがな」
そのまま聞く姿勢を取っている翔に俺は事前に考えていた作戦をすべて伝えた。
「ええー俺それよりも香織と一緒にいたいんだけど」
「頼むって、飯おごってやるから」
「ん~……まぁそれなら」
「よしじゃあ次の休み時間から頼んだ」
「あいよ」
その後は香織にも同じ作戦を説明、実行してもらい無事に作戦を実行した翔と香織と放課後に合流した。
「お疲れ翔」
「ありがとよ翔」
「全くだ。この後飯おごれよ」
「わかってる」
「あっ私にもお願いね」
「わかってるって」
結局三人でファミレスに入って食事をとることになった。
「それで?何であんなこと頼んできたんだ?」
「そうだよ私にも教えて」
注文をし終えたところで二人が俺にそんなことを聞いてきた。
「お前ら俺がゲームをよくやってるのは知ってるだろ?そのフレンドと同じ学校っていうのが分かったから先に見つけた方が勝ちってゲームをやってんだよ」
「あー、だから俺に一年の所にいさせたのか?でも俺特に怪しそうなやつとか確認してないぞ?」
「私も」
「いいんだよ、お前らがそこにいることが重要なんだからな」
俺が翔と香織に伝えた作戦は簡単で休み時間になるたびに一年のいるフロアの別々の場所に行って適当にスマホをいじりながら時々周りのことを意識するようにふるまってもらっただけだ。これを場所を少し変えながらやってもらった。
俺はにしみゃさんなら向こうから俺に声かけてくると思っている。あからさまに怪しい動きを二人にさせれば翔か香織のことを【ひとほし】と勘違いして話しかけてくる。そこを逆に俺が見つける、完璧な作戦だな、もしかしたら今日釣れるかもしれないと思ったが。
「ふ~ん、まぁ俺たちはそういうゲームとかよくやんないからわからんがとにかくその人と勝負してるってことなんだな」
「まぁそれでいいわ」
「よくわからないけど勝つように頑張ってね」
「おう」
注文した料理を食べ終えると俺たちはファミレスを後にした。
「この後どうすっか……ゲーセンでもよるか?」
「うーん……帰ってゲームしたい気もするんだよな」
「いいじゃん偶には一星も私たちと遊ぼうよ」
「……それもそうだな」
香織に説得されるようにしてゲームセンターに向かおうとしたところにそれは起きた。
「すいません……」
「ん、何だ?」
翔に女生徒が話しかけてきたのだ。制服を見るに内と同じようだが一年か?
「あの……あなたがひとほしさんですか?」
「……何の話だ?」
「えっ……」
翔はその言葉に何のことかわからないようで首をかしげている。だが俺は勝った!と思った、ひとほしという名前をリアルで聞く人間なんてにしみゃさんしかいないだろう。これは早速俺の罠にかかったということか。
「なあちょっといいか?」
「はい?」
「君がにしみゃさんか?」
俺は確信をもって彼女に近づきそう質問した。帰ってくる言葉はもう予想できていたが本人から聞くのを待った。
「え?違いますよ」
「なっ……!?」
事前にルールで発見されたときに誤魔化すのを禁止している。にしみゃさんは多分そういうことは守る人だと思う……多分。となると目の前にいるのは本当ににしみゃさんじゃないということに……ならどうしてひとほしって名前を知ってるんだ……?。
「ん?」
目の前にいる彼女を放置して思考を働かせているとポンと後ろから肩を叩かれ振り返った。そこにいたのは初めて見る少女で。
「見つけましたよ【ひとほし】さん♪」
笑顔でそう言われ俺は思わず固まってしまった。
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
↑なにも言うことが思い浮かばなかった人の図