幕間【Tips:登場人物紹介_3】
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【ヴェルゲロープ・トライベン・フォン・エデルファイト】
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◇浮遊島[エデルファイト子爵領]を治める領域統治者。
ヘレノアールの実父であり、メガリスの義父となった。
◇また、ヘレノアールの他に三人の子がおり、以下に記す。
長兄 [ アヴニール・ヴァイスレイン・エデルファイト ]
次兄 [ フェンベルトス・リラ・エデルファイト ]
三兄 [ ガルトノート・ミッドヴィーン・エデルファイト ]
◇重々しく威厳のある口調を用いる。
普段は温厚な性質の人間だが、敵対者への激憤は凄まじいという。
◇為政者でありながら、自ら戦いに赴くことを好む戦士である。
力強く鋭き戦斧の業前と、優れた練術式を用いて戦う。
そして、常に勝ち、負けることはなかったとさえ言われるようになったという。
◇現在は病床の身。
【知性ある魔物】との交戦時に受けた呪い――
と、思しき[非魔力的敵対現象]により、
彼の肉体は現在、完全に停止している。
◇完全凍結状態であろうとも、彼は行動を行う術を身に付けている。
自身の内包世界の一部――この場合は"思考そのもの"を魔力と同時に放出し、
その思考を包むように蠢く魔力の渦は、やがて"本来の体"に近い形を作り出す。
雲のように不確かに揺らめき千切れ揺蕩うことから、その状態を[雲身]と呼ぶ。
以て顕れるのが体外離脱にも似た奇妙な練術式。
即ち、【雲身転翔】なのだ。
◇練術、練術式――正式名称【練の術法】
魔力自体を体外放出し、放出された魔力そのものを媒介として用いる魔法術式の一つ。
媒介が肉体の生成物であるため、素手無手徒手空拳時にも魔法対応を行えるのが大きな利点。
放出された魔力は四散しやすいため、長距離での魔法行使は困難というのが一般的。
◇かつての【大地】を砕いたという奇妙な物品【識たる"楔"】を蒐集している。
これらは浮遊島同士をつなぎ合わせる力があるとされている。
◇彼の目的は【大破砕】によって砕け去った【大地】の復活。
彼は[【識たる"楔"】による浮遊島同士の結合]に、その可能性を見出した。
これを彼らは【世界再編】の計画だと定義づけている。
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【知性ある魔物】
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◇ヴェルゲロープと交戦し、敗北死した[来訪者]あるいは[転生者]。
今際の際に呪いを放ち、彼の肉体を石化し凍結した。
◇女神の悪意により、おそらく何らかの[神格]として
創造されていると思われるが、既に命を落としており、詳細は不明。
◇「シャハズマルズ」交戦中に叫んでいた言葉。
おそらく名前ではないかと推察されているが、それが彼の名前なのか、他の誰かの名前なのか。
もはや知るものは、どこにもいない。
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【セクターナ・ヒーベア】
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◇虚空を彷徨い、揺蕩っていた液体状の知性体。
時として浮遊島に流れ着いたこともある。
◇別世界の記憶を持つ[転生者]である。
彼女をここに連れてきた存在は、現在【虚空の女神】と仮称されている。
◇前世での死後に出会った女神の問いに、
彼女は「死にたくない」と答えた。
そのため女神の善意によって、
"生命を産み落とす、母なる大海"なる存在へと作り変えられてしまった。
◇彼女は海であり水であるため、[器]へと収めることができる。
器となりうるものは多岐にわたるが、やはりヒトの形に近いものが望ましいらしい。
おそらく、前世ではヒト型の生命体だったのだろう。
◇石柱都市で使用していた器は、別の浮遊島で入手したもの。
体を収めた時点で、既に"こわれかけ"だったという。
彼女はどちらかといえば、ものを大事にする方だ、とのこと。
◇アシュターン水底遺跡での戦いによって、メガリスに屈し、[転生者]が自分だけでないことを知る。
一つ【目的】を共有し、一先ず彼女に同行することにした。
◇現在の器は、メガリスによって作成された彼女の分身体。
その為、因縁深い女神と全く同じ顔をしていることになる。
◇ただし細部に細かい違いは在るようで、例えば頭髪部位は群青色。
すこしウェーブがかかっていて、長さは肩に届く程度。
泣きぼくろのような点があり、八重歯のような歯列の乱れが見られる。
また、背丈はメガリスよりやや小柄のようだ。
◇やや乱暴な口調で話す。
一人称はアタシもしくはあたし。二人称はアンタやテメエなど。
ただし興奮している時は、テンションの乱高下が激しく、口調が乱れやすい。
◇長ったらしい名前を略して[セタ]と呼ばせることを好む。
比較的シンプルなもののほうが好ましいようだ。
◇よくわからない話題には積極的に口を挟むことはない。
彼女にとって大事なのは、自分が関係しているかどうかということだ。
◇【虚空の海】【母なる大海】としての能力を用いることができる。
・影生物の召喚と使役。
本体の液状部分を露出させるか、近しい距離に何らかの液体があれば発動可能。
様々な形状を持つ影生物を射出する。それらはただ物理的干渉力のみを持つ。
・影生物の変異。
射出された影生物に何らかの特性を与える。
彼女自身が好むものは[追尾][爆発][穿孔]など。
◇荒々しくも繊細で、執念深く義理堅い。
そしておそらく寂しがりやだ。
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