表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/314

85話【なにかをのこし、つたえるもの】

『――【大地(・・)】に於ける【海原(・・)

 そう推測可能な(かんがえられる)光景(もの)を――見ました。』


「!!」

「ええっ!」

「……?」


驚きの表情を見せるヘルとフルカ。

セタはよく分かっていないようだ――と言うより、(それ)について何も教えていなかったか。

あとで会話(はなし)をすることにしよう――


「待て、メガリス……。

 それは――本当か?」


肯定(はい)、あくまで推測に過ぎませんが。

 ――あれは、少なくとも――【海】と呼べるものでした。』


己自身(ボク)の知る()とは、必ずしも同じものではないが――

それでも、あれは【海】だ。巨湖(・・)水没地帯(・・・・)の可能性もあるが。


「――いや、そこじゃない。

 {【楔】に触れて、本当に何かが見えた(・・・・・・)のか?}という意味だ」


『……? 肯定(はい)

 確かにその【()】から、[情報流入なにかがながれこんでくる]のを感じました。

 幻視映像(これ)は{【楔】(そこ)から得られたもの}と考えるのが妥当です』


ヘルは少し俯きながら、少しばかり沈思黙考する。


……あまり見たことのない表情だ。

一種の{興奮}に近い感情と、入り混じった{不明(よくわからないなにか)}が見て取れる。


「――そうか。結論から言おう。

 {今までの事例(ファル)で、類似する現象(にたようなこと)発生して(おきて)いない}

 それは、云うならば――"発見"だ。そういうことになる」


『つまり、(これ)は、[情報記(なにかをのこし)録媒体(、つたえるもの)]でもあると?』


そして、それが――当機(ボク)であれば、読み取れると?


「――おそらく、そうなのだろう。

 ならば、私達はより多くのことを知る事ができる。

 それは――【世界再編(・・・・)】への、大きな一歩だ。

 [元の形が判る(・・・・・・)]ということは、[元通りにする事(・・・・・・・)が出来る(・・・・)]という事なのだから」


それは――そうだ。

浮遊島と化し四散した【大地】を[完全原型復旧(もとどおり)]にするならば、[原型情報(もとのかたち)]を知る必要がある。


――だが、ならば何故?


大地(それ)】を打ち壊した【(もの)】に、【大地の形(そんなもの)】が[記録]されているのか?


――(それ)が、兵器(ぶき)であるのなら。

[最上効率破壊(うまくこわす)]為に[強所/弱所(こわれやすさ)]を記した[全体造形(かたち)]を[事前情報登録(おしえておく)]――それで話は通る。


――兵器(そう)で無いのなら――


例えば。


――工具(どうぐ)であったとしたら。


大地(それ)】を[分解(バラバラに)]し、【大地の形(せっけいず)】を[記録]した。


――【再構築する(またつくりなおす)】為に――!



「――メガリス? どうした」


『……応答(いえ)、なんでもありません。

 ところで――』


――保留だ。

現時点での情報では、これ以上は妄執(・・)となるだろう。


()を、取り直せ。

()ず、確認すべきことがある――


(これ)は、どのように保管(・・)するものなのですか?』


「……うん?

 (これ)を、どう仕舞っておくかということか?」


肯定(はい)、先程の(もの)()――らしきものから取り出すのを見ましたが。

 その箱はまだ[残容量十分(あいている)]のでしょうか』


「――ああ、これのことか」


ヘルは背中に手をやり、件の箱を引き出す。

[視覚反応無し(みえざる)](それ)粉末(こな)がかけられると、隠されていた細長い小箱が姿を表した。


「これは――まあ、ただの容器(いれもの)だ。

 多少頑丈で、幾らか魔法除けが為されているだけのな」


『別のものでも、代用は効くと?』


「そうだ。

 大体は現地調達で済ましていたが――ここには何もないな」


『では、何か造りましょう。

 [形状確認(これくらい)][設計代用(ならば)]――』


「いや――待て、メガリス。

 その前に、やって欲しいことがある」


造兵廠(アーマリー)の起動を妨げ、ヘルが言う。


箱の中身の(この)楔にも、触れてみてくれないか?

 ――あるいは、何か分かることがあるかもしれない」


ヘルはそう言い、箱の蓋に手をかける。


――願ってもない(・・・・・・)

今は、一つでも情報がほしいところだ。


了承(わかりました)、ヘル。

 ――楔を』


「ああ――」


ヘルは箱を開け、中の楔を取り出す――


「――なっ!?」

『!?』


――否! 取り出される必要さえなく、(それ)は独りでに起き上がる(・・・・・)

楔はゆらりと宙に舞い、ゆっくりと飛翔する――此方へ向かって(・・・・・・・)


ヘルの反応から察するに、これは[想定外の事態]!

どう対応(・・)する? どう動く(・・)べきか?


止めるのは容易い、この程度の速度(・・・・・・・)なら。容易に()むことができるだろう。


だが何故? 楔は、ボクへ向かおうとする?



――否。知っている。分かっている。

それは既に、[既知の情報(みちではない)]――


ボクは、左手の[石蠍の【()】]を突き出し。


[他の楔(それ)]と一つになろうと(・・・・・・・)している(・・・・)、[飛翔する【()】]に向かい――



――双つの【楔】を、触れ合わせた――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ