288話【光輝する迎撃】
『――【虚空封印櫃】!!』
「ちょっっ!!? 何するのさ■――」
■〓■■を、封印櫃に捕らえ――封じる。
――さて、どう動くか――
『――[当人物の対処]は後です、まずは――』
[> あ、敵ですね敵! イル頑張りますよー!! <]
「油断するな、イル。
あれはおそらく王だが――おそらく、王だけではない」
水晶盤通信先の赤龍が動く――
ヘルも即座に応じ、状況を確認する。
「……そうだな、メガリス。
まずは――[王たる黄金髑髏]を倒すことだ」
「硬骨鬼って魔物に似てますけど――
見た目以外、ぜんっぜん違いますよねえ」
フルカが【魔物】についての知識を話す。
――ただの群れた骸骨であった方がどれほど楽か。
「ならば名付ける。
奈落硬骨鬼! 奴を撃破する!」
『――命令承認!』
名付けられた魔物に向かい――ボクは機体を急がせる。
化身は未だオーチヌスを輝かせるのに必要だ――この機体で、勝って見せる!
当機は艦の射出装置から出撃し――
――眼前に迫る黄金髑髏を狙い定めて射撃する!
『[射出式・三連装杭撃砲] 【蒼天・改】!!』
奈落の重圧をものともせず飛翔し――直撃する三本の蒼天!
深く深く抉りこみ、髑髏は大きく罅割れる!
――悪くない強度だが――
『――もう一発!』
総じて倍量となった貫通する六蒼天!
――耐えられるものか! 砕かれた頭蓋の中には――やはり、【王】!
ならば――
『[鉄血溶解]――[再構成]!
名付けて...【特大閃光弾】――!!』
杭撃砲すべてを溶解し創造した特大の閃光弾!
重々しく炸裂し、馬鹿げた光量を軽々しく撒き散らす――!
『――なッ!?』
――効いていない!?
【王】は未だ健在! その昏く揺らめく黄光に一切の減衰無し!
光量不足か!? 耐性獲得か!? 防御行動か!?
もう一発くれてやるか? 退避するか? 別の攻撃手段を探すか!?
――拙いな、このままでは――
[> メガリスちゃん!
――離れてっ!! <]
『イル!?』
[> イルの出番なのです!
――早く! <]
『――!
ええ!』
[イルの行動]を察し、飛翔!
[赤龍→髑髏間直線]から大きく離れ、巻き込まれないようにする。
「――やれ、相棒!」
[> やってやるのです!!! <]
赤龍の顎から放たれる――烈しく赫く極大熱線の一閃!
超極大熱量に耐えうる存在が在るものか!
黄金髑髏の残骸は薙ぐように焼き払われ――遂には完全な消滅へと至る!
最大限出力を絞って撃ったのだろう、そう遠い位置になかった艦への損害は最小限。自己修復で間に合う程度だ。
[髑髏が現れた螺旋]は――どうやら、閉じてしまったようだ。
どちらにせよ、今はこの層に足止めという形になる――
――ならば、やることは決まっているだろう?
『……[命令完遂]。
艦に――帰投します』
――ああ、全く。
奴め、一体なにをしでかしたことやら――
艦へ向かって飛翔する、僅かな時間。
■〓■■への{感傷}を、少しばかり弄んだ――




