幕間【Tips:登場人物紹介_9】
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【航海長ないしは案内人】
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◇大地の女神の内包世界で出会った正体不明の有翼小機人。
当初は{内包世界特有の存在である}と思われていたが、
何らかの手段で[大地の内包世界]に[介入/侵入]していた
別個の[意思ある存在]であった。
◇ひらがな混じりの恭しい口調で話す。
性格面については特筆すべき点などそう多くはないが、
情報の公開、共有行為に関しては積極的。
◇ある種の生存欲求が希薄で、命じてしまえば死さえ躊躇わないだろう。
[管理権限保有者]たるメガリスの命令であれば何でも聞こうとするが、
他の者とは積極的な交流を望んでいないようだ。
◇メガリスのことは[管理権限保有者]と呼ぶ他、
根源、付与属性、区画など、
メガリスにとって耳慣れた電算機に関する表現を好んでいる。
これが彼女特有の言語なのか、あるいは空の女神に仕込まれた結果なのか。
未だに謎多き存在であると言わざるをえない。
◇ふよふよと浮いており、時折くるくると回ってみたり、
ゆらゆらと倒れ込んだりと、些か不安定な出力を感じさせる行動を取る。
なんらかの瑕疵を負っているのか、
単にもともとこういう存在なのか。
おそらく、聞けば教えてくれる程度のことなのだろう。
◇砂嵐めいたノイズで周囲を包み、瞬く間に他の空間への移動を行う、一種の空間転移能力を持つ。
類似するヘルの散術式【境界渡り】と比較して、
同時に移動できる人数が多く、
準備にかかる時間が短く、
媒介となる物質が不要である等、
あからさまに有用な点が多く、
これが一点特化による機能的な問題なのか、
あるいは何らかのリスク・ペナルティを有しているのか、
魔法ではない別の技術体系によるものなのか、
詳しいことは何一つ聞き出せてはいないのだ。
◇現時点では、メガリスの認識として{眷属神ではない}とされている。
虚空の女神による【願い】の【問い】の言葉に対して、何の反応も見られなかったことがその理由。
もちろんそれだけで断言に足る情報ではないし、実際の彼女の境遇についてはいずれ[空の女神]から明かされることとなるだろう。
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【大地の女神】
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◇【何れ望まれ盍る疎ましき母】
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◇神格として固有の名称は、嘗ては存在していたが、
信仰の過程で失伝し、旧世界当時では単に【大地の女神】とだけ呼ばれている。
◇かつての世界を滅ぼした【楔】そのものと化した、旧世界における大神格。
浮遊島と共に空に上り、その意識は【楔】の中に残されるままとなっていた。
◇彼女自身の認識として、現在の状況は「死路の中途」である。
大地が砕かれたことにより、自身を構成する【大地】という存在が失われ、彼女はそのまま[神としての死を迎える]はずだった。
だが、彼女が自ら同化し、大地へと打ち込んだ【楔】こそが、彼女を死から救った。
大地を砕いた【楔】は同時に、空間に浮遊島を繋ぎ止める【楔】となり、その中に大地という存在も残されることとなったのだ。
◇だが、それも長く、永久に続くことは決して無い。
かつての大地であった彼女ならいざ知らず、今の彼女は体外世界に触れる事さえ出来ぬ[思念体]に過ぎない。
完全に力を失い、奈落へと沈む浮遊島たち。それはいずれ、遠くないうちに訪れる光景。
全ての浮遊島が沈む終末、それさえも必ず訪れる決定事項であった。
――楔を受け継ぐ者が現れるまでは。
◇砕け散り割れ果てた小さな骸に見合う、とても小柄な、子供のような体躯をしている。
濃い緑色の髪を団子状に纏め、身体に合ったサイズの白い長衣を着込んでいる。
◇やや古臭く、威厳に満ちた口調で話す。
ある種の傲慢さに満ちているが、それは本来の感情を隠す鎧にすぎない。
本質的に彼女は大地の神――地母神に相応しい情に満ちた性格である。
優しく、他の悲しみを我が物とし、愛し、慈しみ、恵みを与える。
そんな女神であった彼女が[鋼鉄の意思の鎧]を纏ったのは、被造物達が【原初女神の神骸】に手を出した時。
愛する被造物達を誅する為、初めの憤怒は地を薙いで。
女神は深く悲しみに暮れた。
されど被造物達は、二度三度手を伸ばした。
悲嘆に暮れる女神は、ひとつめの鎧を纏う。
そうでなければ、自ら誅することさえ出来なくなってしまうから。
幾度もそれを繰り返し、被造物達が【原初女神の神骸】を手にした頃。
女神の鋼鉄の意思は、最後の審判を告げた。
◇供物としては犠牲を伴う贄は好まず、舞いや歌などの芸事や、模擬決闘などの奉納を好んでいた。
また、根の付いた花は彼女のシンボルとして扱われており、かつての彼女の神殿には花を植える花壇が設置されることが常であったという。
◇能力と呼べるものはおおよそ化身の展開といったところ。
自らが司るもの全てを、望むがままに顕現させることができる。
劇中では巨大な花弁獣を展開し、メガリスの奉納試合の相手をさせた。




