表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

221/314

214話【アルカイック】


『【赤熱剣ヒートブレード】!』――


  ――『▼ 【炸裂装甲盾(リアクティブアーマー)】! 』



斬撃(・・)弾かれる音(・・・・)炸裂音(・・・)金属(てつ)が軋む音――

――[交戦下における諸雑音(せんじょうおんがく)]が、流れる。


嗚呼、[現在地点(ここ)]は最上階(さいしょの)――[灯火部屋(あかりなきばしょ)]。

空戦鏡(ドローン)を回収しつつ加速機構(ブースター)に変え、高速飛翔で(かのうなかぎりはやく)たどり着いた部屋(ばしょ)


交戦(たたかい)は――()だ、始まったばかり、だ。

初撃にて片腕(・・)こそ切り落としたものの、どうにも攻めきれない(・・・・・・)


――本体(こちら)戦闘情報(データ)を、十分に活用(・・・・・)しているな――


嗚呼、全くもって忌まわしくも当機(ボク)の記録を瑕疵(きず)一つなく活用し!

歴戦の戦士(てだれ)(さなが)らの近接格闘戦(インファイト)を演じているではないか!


嗚呼……腹立(はらだ)たしく(のろ)わしく()まわしい!

機体(ソレ)は――


――ボク(・・)身体(モノ)だッ!!!


『 [高速鉄血展開(クイックリリース)!] 』


『▼ ――ッ!? 』


高速で射出した圧縮済み(コンプレッサ)鉄血(ラーヴァ)を全身に(まと)い、復讐者(ボク)装甲外殻(よろい)を創り出す!


『 ――【造神・復讐鬼アーキテクチャ・メガイラ】ッ!!! 』


大量増設された噴進(バーニア)に任せた大加速(・・・)で――捻れ歪んだ(・・・・・)禍々しき(・・・・)黒槍(やり)を叩きつける。


『▼ な――ッ!? 』


簒奪者(ヤツ)は、驚き顔(ボクならみせないかお)を晒し、{まさか}と{驚愕}している。


――どうやら、理解している(・・・・・・)らしい。


然り(そう)、これこそ接触物(ふれたもの)を[破壊の連鎖]で消滅させる(こくうにかえす)ボクの兵装(ぶき)


[暫定名称(ネームド)]【楔式黒色戦騎槍(スクリプトブリンガー)】――



『▼ ッ!!

   [噴進・最大速(フルバーニア)]――ッ!!』



――そう見せかけただけ(・・・・・・・・・)の、鉄塊(にせもの)だ。


体勢を崩すことさえ(いと)わない必死にして決死の大回避を決め、鉄塊(それ)(むな)しく(くう)を切る。


――当然だ。

直撃(・・)すれば消滅(・・)する。

そんな兵器(ぶき)を――相手の機体(からだ)(ひとじち)にした状態で、使われるとは考えないだろう(ゆめにもおもうまい)


本体(ボク)兵装(ぶき)を知っていれば、尚更なおさらのことだ。


そして、回避した(・・・・)ということは――


――[機体が破壊された場合]→[簒奪者本人(・・・・・)への損耗(ダメージ)が生じる]、か。


或いは――[機体そのもの(・・・・・・)]に[何らかの価値(・・)]を有している――と、いった所だろうか。


――どちらにせよ(・・・・・・)


隙だらけ(・・・・)、ですよ』


『▼ ッッ!! 』


鉄塊(まがいもの)を振るい構え、狙い澄まして跳躍する。

当然、簒奪者(あいて)は再度の回避行動(・・・・)(こころ)みる――


「――〓_〓_〓_〓(うちつらぬき)-〓_〓_〓(はじけとべ)ッ!!!」


――そこを、セタの影生物(ドカン!)だ。


『▼ ぐ……ッ!? 』


――全く、わざわざ{一対一で戦っている心(ボクのクセ)算}まで模倣(トレース)することもないだろうに。

まあいい、これで――


『――獲った(・・・)ッ!!』


背後からの奇襲に狼狽(うろたえ)えている隙を突き、片腕(もうかたほうのて)を捻じり切る!


『[鉄血接続(コネクション)]!』


奪い取った片腕に当機(こちらがわ)の鉄血を流し込み、[権限剥奪:分離/再接(ロック)続/遠隔操作(する)]


――これで、両腕(・・)ッ!


原則として、鉄血(ラーヴァメタル)の貯蔵は造兵廠(アーマリー)が担っている。

――然り。もはや簒奪者(ヤツ)は、外部出力された(そとにある)鉄血(ラーヴァメタル)だけで戦う他はない。


『――ここまで(・・・・)、です』


『▼ ……! 』


先程の炸裂装甲盾(リアクティブアーマー)は既に制圧(ロック)済みだ。他に何か仕込まれている様子もない。

腕部の義手化(さいせい)望むべくもない(できない)、新たに兵装(ぶき)を創ることも出来ない。

噴進(バーニア)と脚部のみを頼みに格闘戦(・・・)を挑むとしても、遅れをとる理由は一つもない(・・・・・)


――勝った(・・・)これだけ(・・・・)ならば。


だが、確かめねばならない。


協力者の有無(・・・・・・)行動の動機(・・・・・)背後関係(・・・・)女神の関与(・・・・・)、単純に何者か(・・・)眷属神か否か(・・・・・・)――おおよそ知りうる限りの全て(・・・・・・・・・)を。


――そして。


ヘルの居場所(・・・・・・)を。


……それが。

何よりも、重要(・・)だ。



『――答えろ(・・・)、お前は――』


『▼ ……。 』


簒奪者(それ)は、不敵に睨み返す。


そして。


あまつさえ、当機(ボク)の顔で。


女神(アイツ)のように、微笑んでみせた――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ