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わがまま王女の騎士道物語  作者: もっこす
騎士になりたい王女
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プロローグ

 青空が澄みわたり、小鳥が元気に羽を広げて空を飛ぶ。


輝く太陽が世界を照らし、世にも珍しいドラゴンが空を駆ける。


一陣の風が吹き、草木が嬉しそうに揺れる。


緑の草原が広がり、ユニコーンが疾風の如く走る。



争いなどない、穏やかで平和な世界。




――しかし、こことは違う、遠くの国では戦火の色が広がっていた。




悪意に満ちた赤い炎が国を包む。


黒い空に黒い煙が蔓延し、翼のついた魔物が空を飛ぶ。


灼熱の炎が町を染め、ゴブリンが乗っているワイバーンが空を駆ける。


灰を乗せた一陣の風が吹き、逃げ惑う人々に降りかかる。


瓦礫の山が広がり、黒い鎧を付けた醜い豚のような魔物の兵士が町を闊歩する。



あたりからは悲鳴が聞こえ、これから訪れる国の崩壊を示していた。


魔物たちは町だけでなく、国の王が住む城にまで魔の手を伸ばす。


屈強な肉体をもった魔物の前では、ただの兵士ではとても太刀打ちが出来ない。

勇敢な城の兵士が醜い兵士たちによって次々となぎ倒された。



魔物の兵士が扉を壊しながら城の一室に入る。


そこには綺麗なドレスを着た金髪の少女と、みすぼらしい服を着た茶髪の少女がいた。

少女たちはお互いに体を寄せ合い、震えている。


醜い魔物の兵士が一歩ずつ近づく。

2人のか弱い少女はただ恐怖に震えることしかできない。


醜い兵士がまた一歩近づく。

2人の少女の目から涙が流れ、あまりの恐怖に叫び声をあげることが出来ない。



そして醜い兵士が歪な形の剣をゆっくり上げ――





――糸が切れた人形の様に、その場に倒れた。





少女たちは突然の事に驚き、戸惑いの目でさっきまで醜い兵士が立っていた場所を見つめた。




そこには白い鎧を身に纏った騎士が立っていた。




銀色の短髪を輝かせながら、騎士は翡翠の瞳で少女達を見つめる。



「ご安心ください。私があなたを、そしてこの国を守って見せます。」



力強い騎士の声が絶望に染まっていた少女の心に響く。



「騎士とは全てを守る盾! 醜き魔物になど負けはしない!」



騎士はそう叫びながら身を翻し、部屋から飛び出た。



ドレスを着た金髪の少女がゆっくり立ち上がり、フラフラと扉に向かって歩く。

そして恐る恐る部屋から顔を出し、廊下の様子を眺めた。



そこには片手剣を振りかざし、醜い魔物の群れをなぎ倒す騎士の姿があった。



「素敵・・・」



綺麗な青い瞳で少女は騎士を見つめ、呟いた。


白い刀身を輝かせながら戦う騎士の姿がまるで一枚の絵画のように見え、少女の目と心に刻みついて離れなかった。




そして戦いは、魔物の軍隊が撤退する形で終結した。







――時が流れ、戦いの痕を残さない城の庭で、綺麗なドレスを着た少女が立っていた。



少しウェーブのかかった金色の髪を輝かせ

綺麗な白いドレスを身にまとい


少女はその身にそぐわない、剣を掲げていた。




「私! 絶対騎士になるわ!」





騎士になりたい王女「アルベティーナ」の冒険が今始まる――




一日一話更新を目指して頑張ります。

遅筆なので少しだけ書き溜めあります。


誤字、脱字、変な表現等がございましたらどうぞご指摘してくださいまし(´ω`)

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