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5,ブリッジ泥を知る



 ジュリィとサキュバスの肉弾戦は所狭しと場所を頻繁に変えながら行われた。

 緑と紫の肉と肉がぶつかり合い、激しく揺れる質量爆弾が彼の目を楽しませる。

 どうやら彼女達の実力は白昼しているようで、一進一退の激しい攻防の中でも有効打はなかなか決まることはない。


 戦闘が長引くにつれ玉の様な汗が迸り、ただの丸出しだったサキュバスの肌をまるで美しい装飾のように彩っていく。

 激しい動きにあわせて飛び散る汗と汗。



「うむ」



 汗により彩られた艶かしい2つの肢体が激しく打ち合う様はただのキャットファイトを超えた興奮を彼に与えているようだ。


 満足げに頷く彼は仁王ブリッジのままだ。

 だが反転した瞳はまるで全てを射抜くかのように鋭い。


 彼の瞳はこの先起こるであろう出来事を捉えている。

 これぞ108の技の1つ「ちょっとさきがみえ~る」である。


 彼の視界に映った出来事が現実とリンクする。

 緑と紫の肉弾戦だった戦いは1色に塗りつぶされ、だがそれでも激しさをましていく。

 そう……ジュリィとサキュバスの戦いの舞台は泥の中に移ったのだ。


 足場の最悪な泥の中で素早い動きが制限され、結果として組み合うことになる2人。

 しっかりと力を入れるために両者とも身につけている少ない布に手が行くのは当然のことだ。


 結果としてたわわに実った果実が溢れ、それすらも1色に塗りつぶされていく。



 まさにこれこそが、泥レス。

 キャットファイトと2分する究極の戦いがここに開催されたのだ。


 緑でありながらその先端は見事なまでの桃色だったが今は泥による染色で全てが同一。

 それはまさに危険な映像領域をぎりぎりで踏み越えていない、まさに倫理とエロスの狭間の世界。

 1歩踏み越えてしまえば年齢の制限が出てきてしまうそれはまさに紙一重。



「うむ。素晴らしい」



 激しくぶつかりあい続ける泥まみれの2人を視界に収め、目を細めてその紙一重の光景を眺める彼は今まさに菩薩の表情である。


 賢者を超えた菩薩の表情の彼には3度までなら全てを許せるほどの寛容さが見て取れる。

 故に髪を掴みティーカウをかまし始めたジュリィの行動も問題ない。

 膝を顔面に何度も叩きつけられてすでに意識が飛びそうになってしまっているサキュバスはもはや戦意喪失寸前だ。



「オラオラオラッ。まだまだこんなもんじゃないよ! オラァッ!」



 嗜虐的な笑みと共に高らかに声を上げるジュリィによる跳ね上がるような飛び膝蹴りが決まり、サキュバスから泥ではない色のしぶきが激しく上がり吹き飛んでいく。



「どんなもんだい!」



 高らかに上げた腕を90度に曲げ力瘤を景気良く叩き、勝ち名乗りを上げるジュリィの笑顔は眩しいほどに輝いているが泥だらけだ。

 だがそんなことは気にしない彼女は勝利を彼に捧げるべく振り返る。



「うむ。見事だった」


「そんなまっすぐに褒められると濡れちゃうじゃないか! 抱いて!」



 彼の言葉にもじもじしはじめたジュリィだったがすぐさまハートを乱舞させつつ彼の元に突進してくる。

 当然そう反応するとちょっとさきがみえ~るで見ていた彼は108の技の1つ「きれいきれい」を使い泥だらけのジュリィを綺麗にしてから抱きつかせている。



「……く、くっそー。覚えてろよー! 魔王さまに言いつけてやるぅー!」



 ジュリィの手が彼の下半身に伸びようとしたところで伸びていたサキュバスが意識を取り戻し、捨て台詞を残して号泣しながら逃げていった。



「うむ。魔王?」


「魔王さま……?」



 仁王ブリッジをしている彼は器用に小首を傾げ下半身をまさぐっているジュリィをついでに振り落とす。

 振り落とされたジュリィもそのことは咎めず、サキュバスの残した捨て台詞にきょとんとして呟いている。



「うむ。追うか」


「あいよ!」



 彼の言葉に瞬時に思考を切り替えたジュリィが追随し、号泣しながら全力疾走して逃げていったサキュバスの残した盛大な泥の跡を追跡し始めるのだった。




キャットファイトと泥レスは欠かせないと思います。


チョコや泥で塗られた乳首はセーフです。



次回

魔王降臨。

やっぱり脱輪。

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