亜人娘はこの町の闇に垣間見る?
宿屋に戻ったボルテアとナナリは今夜の襲撃と黒鉄の一閃、ヴェルズとの因縁をまとめる為に思考する。…が、ボルテアは床に寝転び食堂で出会った獣人…フォックステイルの少女の手触りを思い返してニタニタ笑っていた。
「ボッテきもい…。」
「あたい、モフモフしてるの大好きでよ。村に住んでた羊人のおばさんに会う度抱きしついてたぜ。」
「…そか。」
多分、ボルテアはモフモフな獣から獣人…或いは魔物までこよなく愛する性癖があるのかも知れないと思い、ナナリはそれ以上は考えずに思考を今回の件に戻す。
「黒鉄の内部崩壊は一先ず置いて、問題は彼奴が間接的でもわたし達を攻撃して来た事。
多分、彼奴は“千牙”と何かしら繋がりがあるかも知れない。」
「ヌシュドを狙った奴等が千牙ってやつか?
彼奴殺し屋四人雇うとか羽振り良いよな。」
大きい身体で床を転がりながらボルテアが言った。
「先ずこの町に千牙の殺し屋がいる事実を考えると…もしかしたら町長のバンファルも千牙と繋がってる可能性が出て来る。」
「あんだって!?」
ボルテアが驚いて飛び起き、ナナリは話を続ける。
「ヴァルじいが言ってた。殺し屋なんかが蠢く町はどんな形であれその町の権力者とその組織に繋がりがあるって。この町の権力者と見るならバンファルの可能性もある。…てか権力者、バンファルしか知らない。」
それを聞いてボルテアは胡座をかいてゴロンと転がった。
「何だよ、んじゃバンファル関係ないかもじゃん。」
「んや、バンファルは躯牙討伐は千牙に先を越されたと言ってた。
もしかしたら千牙が躯牙を皆殺しにする事を事前に知ってたかも。
或いはバンファルが千牙に依頼したか…。」
「ヴェルズと千牙はどー繋がってんだよ。」
そう質問されたナナリは少し顔をしかめる。
「ちょっとは自分でも考えろ。」
「えっ?やだよ。」
途端、ナナリ何処から出したか鉄の尖矢を握りボルテアに振り上げ、彼女はその巨体で素早く部屋の隅に逃げた。
「だから矢であたい刺すの止めて!」
「ボッテ、その事も含めて一度バンファルに話を聞きに行こうと思う。」
ナナリが矢を引っ込めそう告げる。
「一人で大丈夫か?」
「大丈夫。ボッテは冒険者ギルド行ってアリリンの様子見てきて。」
「ヴェルズがいたら?」
「スルー、無視を決め込んで。」
「了ぉ解。」
ナナリは黒マフラーと黒マントを身に着ける。
「ボッテ、何かあっても一人では動かないで。…多分近い内にヴェルズは動く。その時はまたわたし達はが標的、ヌシュドみたいに周りも巻き込む。」
「分かった、わたい一人ではおっぱじめねえよ。」
その言葉を聞いてナナリは部屋を出、ボルテアもダミルのこん棒、革鎧を装備して冒険者ギルドへ向かった。




