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真夜中の襲撃者。

 同刻、ヌシュドとアリンも謎の悪漢に取り囲まれていた。数は四人、皆黒尽くめでフードを被り、マスクを鼻まで伸ばしており、暗がりがまた彼等な顔を分かりづらくしていた。四人は狭い路地裏袋小路を前もって想定しており皆短剣を装備構えていた。

 ヌシュドはアリンを背に置き、愛用の短剣を抜いて右手に握った。


「…シュド。」


 アリンは目の前の危機に震え、彼を愛称で呼ぶ。


「心配すんな、これでも中級冒険者。四人程度の暴漢なら負けねえよ。」

(…とはいえ、此奴等只のチンピラじゃねぇ。闇討ちを心得てやがる、それに…多分標的は“俺”だな!)


 ヌシュドの読み通りなのか、悪漢達は皆ヌシュドを見ており、アリンには目もくれない。しかしヌシュドがアリンを連れて逃げるには多勢に無勢、直ぐに捕まってしまう。アリンだけ逃がそうとしても彼女を捕まえて人質にされる可能性もある。

 大声を出すのも手か…。


「大声を出せば後ろの女を先に殺す。」


 ヌシュドの思考を予測したのか悪漢の一人が脅迫した。否、脅迫ではない。確実にそうするだろう。ヌシュドは一人ではアリンを守り切れないと判断、悪漢四人とた戦うしかないと覚悟を決めると突然悪漢の一人が突進する。

 ヌシュドは彼が突き出す短剣を払おうとすると構えるが、後ろの悪漢ご投げた投げナイフが眼前に迫った。投げナイフを右手の短剣で弾き、敵の短剣をすんでで躱し、カウンターで溝うちに前蹴りを突き入れた。

 蹲った悪漢を飛び越えて短剣を振り下ろす悪漢をヌシュドは短剣で悪漢の刃を反らして左の肘でもう一度カウンター。二人目を鎮める。残りは二人となるが一人がいつの間にか消えておりヌシュドは焦り、嫌な予感と同時に後ろのアリンに目を向けた。


「シュド…っ。」


 アリンは悪漢に羽交い締めにされて喉元に短剣をあてられていた。ヌシュドは「クソッ!」と毒吐く。彼が()した悪漢二人はアリンを人質にする為の布石だったのである。最初からコレが狙いだったのだ。


「お前等、アリンも殺す気か!」


 悪漢達は答えず、やられた二人も何かを飲んで小瓶を投げ捨てて立ち上がった。


(“ドリポ“かよ。)


 ヌシュドは地面に転がった小瓶を憎らしげに睨んだ。


「一つ聞いていいか、此れはヴェルズからの依頼か?」


 いきなり核心を突く台詞だが悪漢達は全く動じずに口を閉ざしたままである。


(随分と徹底してる。これがヴェルズの仕業なら彼奴まさか…!?)


そして三人がヌシュドに踊りかかり、アリンの顔に絶望が刻まれようとした時…。


「アリリン動かないで。」


 聞き知った少女の声が上から聴こえ、そして突如彼女を虜にしていた悪漢の脳天に鉄の尖矢が突き刺さった。矢先は顎下へ突き出、悪漢は眼球をぐるりと回して倒れるがそれより先に黒い影がアリンの前に素早く降り立った。

 金髪のショートボブに緑色の肌、長く尖った耳をした黒マフラーと黒マントをなびかせながら駆けつけたナナリは即座にボウガンを一発二発と素早い装填で撃ち出した。

 ヌシュドに飛びかかった両端の二人の眉間と喉元を撃ち抜き、それに狼狽えた最後の一人は隙を見逃さなかったヌシュドの後ろ回し蹴りをまたもカウンターで受けてふっ飛ばされた。

 ヌシュドは三人はナナリが殺したので生きている悪漢に膝を押し付けて乗っかり喉元に短剣を押し付けた。


「お前等素人じゃないな。答えろ、誰に依頼された?…ヴェルズか?」


 悪漢は答えない代わりにニヤついてヌシュドの顔に唾を吐きつけた。すると悪漢の顔をヌッと出た無表情なナナリの頭が覆い、突然声を押し殺した悲鳴を上げた。悪漢の頭横には切り落とされた右耳があり、彼女の右手には愛用の短剣…コンバットナイフが握られていた。


「言わないなら言うまでちょこちょこ切り傷刻むだけ。」


 ナナリは無表情で悪漢に告げて悪漢の左耳の付け根にナイフを滑らせた。

 

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