表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/32

ボルテアは変態かも知れない?

 宿屋地区の中級宿屋に部屋を借りる黒鉄の一閃(アイアンフラッシュ)のメンバー…ヴェルズは自分の部屋で同じ黒鉄の一閃メンバーで恋人のミチャとしっぽり楽しんでいた。


「ヌシュドったらあんな言い方、わたしだってアルドなら問題ないと判断したからヴェルズを優先したのに…」

「あの程度の掠り傷に俺が耐えられないと…ミチャは判断したって事かよ?」


 棘の含む言い回しにミチャは恋人を怒らせたと感じ「違うわ!」と否定するがヴェルズの目は冷たくミチャを見下ろしていた。


「ごめんなさい…。」

「別にいいぜ、ミチャも俺を思ってくれた結果だからな。」

「うん…。」


 そんな会話をして二人はまた抱き合い、彼女が足腰立たなくなるまでヴェルズは攻め続けた。

 疲れた彼女を寝かしつけ、窓側に置いた椅子に座り煙草を一本に火を付けた。


「ヌシュドの奴、パーティで一番好オヤジのクセに威張りやがって。パーティでは新参者なのによ。」

(わざわざミチャに手は出すなとアルドを言いくるめさせてまで醜鬼(オーク)女と小鬼(ゴブ)女だけでゴブリンの群れにぶつけたんだがな。

まさかあの二匹・・だけで群を潰すとかバケモンだろ。) 


 開いた窓に煙を逃がし、また煙草の煙を口に含む。


(やっぱ割られた顎の礼はしねえと気が済まねえぜ!)


 ヴェルズは苦虫を噛んだ様に顔を歪め、咥えたばかりの煙草を握り潰した。


 ○


 夕刻、ボルテアとナナリは夕飯の為、町の大衆食堂へと足を運んだ。

店内は町民や冒険者等と客層は様々で人間のみならず獣人や闇人(ダークエルフ)などの亜人種を見て取れた。


「冒険者ギルドじゃあ亜人はあんま見ねえが大衆食堂ここはかなりいるな。」


 ボルテアが感心しながら周りを右左と見渡す。


「この町には亜人…特に獣人が多い。…でも冒険者となると獣人亜人冒険者は少ない。

多分、町民はともかく冒険者の中は差別が横行してるかも。」

「あたいも初日はふざけた歓迎受けたしな。」


 ボルテアは初めて冒険者ギルドを訪れた時の乱闘騒ぎを思い出す。ナナリへの如何わしい嫌味はナナリも静かながら未だ腹に据えている様で次また絡まれたら死人が出るかも知れない。


「ギルマスも謝罪はしたがイマイチ信用が置けねえんだよな。」

「多分ギルマスは亜人差別主義ではないにしても悪い意味で人間寄り。だから借金もボルテアには多めに請求して来た。

人間には良い顔していざ亜人獣人には不快不利益をもたらす。…対面ばかり気にする小者。」


 そこに唐突に「ごめんなさい。」とか細い女性の声が傍らで聴こえた。

 ボルテアはビクリと振り向き、ナナリは特に驚かずに挨拶をする。


「アリリンこんばんにゃ。」

「こんばんにゃ、ナナリさん。」


 ナナリのおどけた挨拶にアリリンことアリンは無理矢理笑顔になり彼女のノリに乗っかって返した。


「随分深刻そうな話題だな、俺も仲間に入れてくれよ。」


 アリンの傍には何と“黒鉄の一閃(アイアンフラッシュ)”のメンバー、ヌシュドがいた。


「黒鉄の狩人じゃねえか。アリン、お前黒鉄とつるんでたんだな。」


 ボルテアに警戒されてアリンは悲しそうな顔をしてしまい下を向くが、そこでヌシュドが彼女を庇った。


「待ってくれ。俺とアリンは…まあ…付き合っちゃあいるが黒鉄の一閃とは冒険者と受付嬢以外の関わりはない。彼女の名誉の為に誓う。」


 ヌシュドの言葉にボルテアは眉間を寄せるがナナリがヌシュドを信じたのか、ボルテアの頭を矢を装填していないボウガンで叩いた。


「って。」

「ボッテ、アリリンは味方寄りの中立。ちゃんとギルド受付嬢として真ん中に立って接してくれてる。

味方寄りなのは今の冒険者ギルドが人間冒険者の方が贔屓されてる事実を憂いてるから。」


 ナナリの言葉にアリンは少し照れた様な顔ではにかんだ。


「相席いいか?お前達と少し話がしたいんだ。」

「ボッテ、良い?」

「構わねえよ、あたいも黒鉄の内情とか教えてくれそうだしな。」

「いいぜ、教えられる範囲で教えてやる。あの馬鹿ヴェルズの事もな。」


 ヌシュドは先ずアリンを二人の席に座らせ、自分も彼女の隣に座った。

 そこでボルテアが獣人少女の給仕を見つける。


「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりですか?」


 給仕の獣人…フォックステイルの少女が尻尾をフリフリしながらボルテアの横に並ぶ。


「やべえ、モフりてえ…。」


 何やらボルテアがニヤけながら手をワキワキしだした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ