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亜人娘二人は今後の方針を決めた。

「バンファルさんからは聞いてるがまけるつもりはない。

ウチは滞在一週間まで、そして前払い。二人部屋なら一週間7フラン50ライト。一人部屋なら一週間6フラン30ライト。一日の宿泊は1フランだ。」


 カウンターを挟んででっぷり肥えた宿屋の店主が簡潔に説明した。一週間は銀貨六枚に銅貨三十枚、1日なら銀貨一枚である。


「…?コレって安いの?高いの?」


 ?が三つ頭に浮かんだナナリがボルテアを見上げて首を傾げる。彼女も顎を掌で撫でながら少し考える。


「確かダミルじゃ月一で1グランだけどよ、村には宿屋一つしかねえから相場が分かんねえ。

なあオッサン、因みに此処より安い宿屋ってあんの?」

「あるぜ、値段は大体30〜50ライトくらい安いが、飯は出ない。ウチは夕飯は出ねえが朝食は出る。

パンと目玉焼き一つだ。」

「…他にはよ?」


 そうボルテアに聞かれたでっぷり店主はニヤリと笑う。


「目玉焼きに“ソイソース”をかけられる。」


 それを聞いた瞬間、ボルテア、ナナリの鼓膜に木霊し、電撃がほとばしった。ソイソース…遠く東の島国より伝来した魔法の調味薬。卵に良し肉に良し野菜に良しと何にでも合う万能味薬である。


「“アレ”が此処で食えるのか!?」

「おぉ食えるよ。」


 勝ち誇った様に店主は答えた。


「この町でソイソースが手に入る!?」

「あぁ手に入るな。」


 店主が悪い顔で答えた。


「おお〜!」


 ナナリの声が両拳を握って嬉しさを表し、ボルテアは銀貨銅貨をカウンターに掌と共に強く叩きつけた。


「良し、一人部屋泊まるぞ親父!」

「…後3フラン20ライト足らんよ。」


 …と、目を細めて睨み合う二人を余所にナナリは財布から銀貨三枚と銅貨二十枚をカウンターに並べた。


 ○


 そんな感じで二人は一人部屋を一週間借りる事にし、ナナリが黒マフラー黒マントを衣紋掛けにかけてベッドに座り、ボルテアも脱いだボロマントと皮鎧をかけて床に胡座をかく。

 ボルテアはナナリのボディスーツの様な上下ピッタリとした黒い長シャツ黒タイツより浮き出たボディと脚のラインに見惚れ、ナナリは2枚の白布を結んだだけの下着でも隠せない我儘乳房を冷めた目で睨む。

 お互い変な空気を醸し出しながら二人は今後について話を始めた。


「先ずは明日冒険者ギルドに行って冒険者登録だ。その後は町長の盗賊討伐隊への参加、討伐と…。やる事としてはここまでは決まりだな。」


 そこでナナリは手を軽く上げる。


「わたしから提案、盗賊が何人いるか分からないけど盗賊を殺した数でも捕らえた数でもいいから競ってボッテが勝ったらコンビを組む。」

「…面白そうじゃん、あたいに勝負を挑むって事だね。分かりやすくていいじゃねえか!」


 ナナリは頷く。ボルテアは不敵に笑い、左掌を右拳で打ちバシンッと良い音が立つ。


「手は抜かない。勝ちに行く!」


 二人が互いに睨みを利かせて見つめ合う。


「あのよ〜、何であたいとのコンビ即決してくんねーのよ?」

「面白そうだから…と…、その胸にあるまあるい2つの脂肪肉が気に入らないから。」


 ナナリが右人指をビッと伸ばしてボルテアを指差し、彼女は呆れた顔をしてナナリを見た。


「お前、めんどくせー奴だな。」

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