枠物語
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
嘘ですよ。
というの言葉を聞いた途端、顔面に拳をめり込ませたくなりますよ。被害が飛び火する( '-' )
そう考えると、キャラデザから、性格まで細かく作り上げられているなぁと思います。
あ、ドラマCDの話です。
夜中九時、昔ながらの振り子時計が鳴り響く時間に、男は一冊の本を読み終えた。幻想怪奇、複雑難解と呼ばれる一冊を、たった今読み終えた。その物語の粗筋をただの一言で表すには非常に難しい。何せ登場人物の全てが狂人、それ故に真偽さえ不明。筋が通っている様に見えて、二転三転と目まぐるしく変わる展開。故に飽きが来る事はなかった。
ただ一言何かを話せと言われるならば『気が触れる』という言葉は、あながち間違えでは無いと言うことであろうか。
男は本棚の真上に飾られている入れ子人形を一揃い両手に抱え込むと、畳の真上に敷いてある敷布団の上にぶちまけた。ころり、ころりと転がる大きさ違いの人形達を、その白魚の指で一つ一つ仕舞い込んで行く。そうしていると、本日中読み上げた本の内容を露骨には示している様だった。
題名としている小説が、小説の中にも登場する入れ子構造。鏡合わせの如く、冒頭文が末尾に繋がる円環式。果たしてその物語の真実は何処にあるのか。そもそも真実が本当に存在するかさえ分からない。何せ登場人物全員が狂人、その上、何頁にも渡って話してきた解説が『真っ赤な嘘』と解説者の手で否定される。知人の女人が真っ赤な天狗顔で罵倒しているのが容易に想像出来る。
「んっ……ふふふ」
果たしてどれだけの人間が、まっさらな気持ちで正常だと言えるだろうか? 気が触れていることに気が付かず、我が物顔で現を謳歌しているであろうか? それこそ、この物語の登場人物達と同じ様に。そう考えると、余りにも滑稽で、愚かしさを感じざるを得なかった。
男は本棚に数多く並んだ同じタイトルの文庫本に、さらりと目を向ける。また新しく買い叩いてしまったが後悔はない。
男は幾重にも重なって、一つの人形になった入れ子人形を、読み終えた小説と共に枕元にそっと置いて、ごろりと横になる。そうして目を覆う前髪を掻き上げて、にやりと薄笑いを浮かべた。この繰り返される長い人生は、この小説と対して変わらないと言うように。
「どうだいお嬢さん。次回作の導入としては良いと思うんだ」
「先生、誤字が」
「君、校生も請け負っているのかい?」
タイトルは私の中の連想ゲーム。
ドグラ・マグラ という本の中に ドグラ・マグラ という小説が登場する入れ子構造。そこからの別名 枠物語 です。
そしてこれは、ドグラ・マグラ 読了記念です。
イカは少しネタバレ入ってるので、未読の方はご注意を。
とりあえず夢Q先生が、
論文とお経に詳しい二刀流のやべぇ方だと言う事。
何処を見ても細工に溢れているという事。
最後が最初に繋がる円環構造。
ドグラ・マグラ という作品の中に ドグラ・マグラ という本が登場する入れ子構造。
主人公でなくとも逃げられない。
帯には同じ文章が、表紙は同じイラストが、鏡合わせのように延々と続く理由が、此処で分かりました。
二週目からが面白いんです。
序盤からちゃんと終盤に掛けて繋がる伏線がある。
ちゃんと円として繋がってる。
そりゃそんなん書いたら気が触れるよ。作者が。
脳の血管切れちゃうよ!! 作者の。
読み終わった後に思ったのが、一体どれだけの方が
『自分は真っ当である』
と胸張って言えるのか。という疑問。
小説の中だと客観出来ますが、主観だと難しい。
自分の世界を出ることが出来ないので。
気が触れる というのも納得のいく、ややこしさでした。
粗筋の説明は無理です。
真偽さえ狂人が話してるので、なにが真かも分からない。
またこれに因んだ小説を一筆上げたくなります。
以下は他のキャラに飛び火する話です。
関係ないのですけど、夢Qが元となってるキャラがいるんですよ。多分? 多分!! よく見てるなーと。
ドグラ・マグラ って、彼処まで丁寧に説明した後に『真っ赤な嘘なんだよ』とか言うんですよ。
これを三回、四回繰り返されると、真顔で頬っぺた抓りたくなります。
何が本当か分からない。