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第56話 探し物

 それからの王都は大変だった。

 王とマックスが相次いで死んでしまったため、急遽ソニカが王をやることになり、周りの人々を巻き込んで大忙しだったからだ。


 僕もソニカの仕事を手伝わされそうになったが、なるべく逃げていた。

 そんな中、どうにか技術者を捕まえて、車のイメージを伝えたら、やる気になってくれた。

 完成にはまだしばらくかかりそうだけど、試作品を作って僕に見せてくれた。


 当の試作車は、僕の目の前で壁に激突して粉々になってしまったけど……それでも短期間でここまでやるとは。

 魔法技術、すげー。


 そんなことをやって喜んでいたら、僕はルナに引っ張っていかれ、書類仕事をどっさり押し付けられる羽目になった。なぜだ……


 そんなこんなで1ヶ月が経った。


 こんなことをしている場合だろうか……とそろそろ僕が思い始めた段階で、コルニスが僕の前に姿を見せた。


「あ、こないだは役に立たなかったコルニスだ。どうしたの?」

「……私はちゃんと役に立っていた。マックス派を抑えてたのは私」

「ごめん。それよりどんな用事?」


 コルニスは少しムッとしていたが、すぐに用件を切り出してきた。


「故郷に戻りたい」

「故郷? 何かあるの?」

 確かコルニスって、家族を殺されたんじゃ……


「故郷で確かめておきたいことがある。駄目?」

「駄目じゃないと思うけど、他の人にも了解を取らないと……」


 そう言って僕はルナたちにも確認を取る。

 軽々しく了解していい件だとは思わなかったからだ。

 まあ、大丈夫だったのだが。


 そんなわけで僕、みーむ、ルナ、ティア、まーく、アクア、マリン、アリア、キャンバスはコルニスとともに彼女の故郷に行くことになった。

 ひょっとしたらそこに、神の所在についての手掛かりがあるかもしれないし。


 ただ、出発する前にいろいろ準備する必要があったので、しばらくは王都に残ることになった。


 数日後、だいたいの準備が整い、最後の買い出しのために僕は街を歩いていた。

「ええと、武器も新調した方がいいのかな?」

 そんなことを呟きながら歩いていた時だった。


 どん!!!


「きゃ!」

「うわ!」


 僕は慌てた様子の少女とぶつかった。


「あ、ごめんなさい!」

「こちらこそごめん!」


 少女の歳はルナと同じくらいだろうか?

 綺麗な金色の髪をしているが、素朴な雰囲気がある不思議な少女だった。


 少女は僕に謝るとどこかへ走り去ろうとするが、すぐに転んでしまった。


「だ、大丈夫!?」

「へ、平気! 大丈夫!」


 ……全然大丈夫じゃない。慌てまくっていて、落ち着きがなくなっている。


 僕は見ていられなかったので、その少女を手伝うことにした。


「何か探しているの?」


 僕がそう問いかけると、少女は驚いた顔をした。


「な、なんでわかったの?」

「いや、なんかキョロキョロしていたからそうかなと思ってさ……」


 あれは明らかに何かを探している動きだった。


「まあ、人に知られたくない物だったらいいけど……」

「お願いします! 父の形見なんです! 捜してください!」

 僕のセリフにかぶせるようにして少女が懇願してきた。


「わ、わかった。ええと、何を探せばいいの?」

「あ、あれは玉虫色に光る石で、父が肌身離さず持っていろって……」


 ……そんなものをなくすなよ、という突っ込みはしないでおいた。


「と、とにかく光っているので見ればわかると思います」

「そうか、探してみる」

 これ以上の説明は彼女には難しそうなので、追及するのはやめて協力することにする。


「よろしくお願いします」

 少女は頭を下げて、どこかへ走り去ろうとするので、僕はとっさに声をかけた。


「あ、待った! 見つかった時はどうすればいいの?」


「え? あ……どうしよう?」

 ……考えていなかったらしい。


「とりあえずこれを渡すから、何かあったら連絡して。もし見つかったらこっちから連絡するから」

 そう言って僕は少女に通信板を少女に渡す。使い方も教えた。


「わかった! ありがとう! ……あ、そういえば私の名前言ってなかったね。私の名前はシルフィ。ええと、よろしく!」

「僕は三好彩人。よろしく」


 そう言って僕と少女改めシルフィは別々の方向へ探しに行った。


「それで、どう探すの?」

 急に、近くにいたみーむが問いかけてきた。ていうかいたのか。


「炎の力と光の力を使う」

 僕は炎の力を応用すると温度調節ができるためそれをセンサー代わりにし、怪しいとおもったところで光の力を使って目で確認して調べると説明した。


「……応用力がすごい」

 みーむは感心してくれたようだ。


 僕は早速力を使って探してみる。


 ――――


「見つけたよ」


 数分後、僕はシルフィに通信板を使って連絡していた。


「え? もう見つけたの? あ、場所教えてくれたらそっちに行くよ」

 その後、僕とシルフィは街の中心にある広場で落ち合った。


「ありがとう!!! なんてお礼すればいいか……」

 シルフィは感激のあまり言葉に詰まってしまった。


 僕がどう返答したものかと考えていると、

「あの、お礼したいんだけど、今の私にはお礼できるものがなくて……」

「いいよ。なんとなく気になって手伝っただけだし」

 だから気にするな、と伝えたのだが、


「それじゃ私の気がすまないんだ! 数日待っててくれればお礼できるはずなんだけど……」

 う〜ん、でも明日には王都を出る予定なんだよね……


 そう伝えると、

「じゃあさ、これ持ってていい?」

 通信板を持ってていいかと聞いてくる。


 どうかなと思ったが、ルナに確認するといいと言ってくれたので、シルフィにそう伝えた。


「ありがとう! それじゃあまた連絡するからね! ばいばい!」

「……ば、ばいばい?」


 そう言って僕はシルフィと別れた。

 それにしてもばいばいって……純粋なのかな?


 翌日、僕がそんなことを考えていると、

「ほら、彩人、行くよ!」

 ルナが催促してくる。


「……いい加減、出発する」

「ほら、コルニスがいらいらしてるよ! 彩人の準備ができてるならもう行くよ!」

「……はい。ごめんなさい」


 本当は車ができるまで待ちたかったのだが、そんなにすぐにできるわけないか……


 こうして僕たちは、王都を離れてコルニスの故郷に向かうのだった。


 まさかそこでまた一波乱あるとは思わなかった……こともないな。思ってたな。でもできれば何もなければいいと思いながら出発した。

 何も起こらないはずないんだけどね……


みーむ「えー、これにて第二部は閉幕となり、次回からは第三部となります。お楽しみにー」

彩人「……なんかなげやりじゃない?」

みーむ「いやー、途中からどうしたらいいのかわからなくなっちゃってねー。困っちゃったんだよー」

彩人「何かが乗り移ってるぞ!? しっかりしろ!」


彩人「そういえばしばらく休載するの?」

みーむ「そうそう、なんか最近執筆が進まなくてストックが切れつつあって、とりあえず来週からしばらく休載することにしたんだよねー」

彩人「そうそうって……大丈夫か!」

みーむ「とりあえず書いてはいるらしいから、公開までしばらく待ってくれると嬉しいです」

彩人「ここまで読んでくださってありがとうございます。第三部もよろしくお願いします」

みーむ「お願いします!」


お読みいただきありがとうございます。

来週からしばらく休載します。

楽しみにしてくださった方、申し訳ありません。

みーむの言う通り、第三部は現在執筆中で、準備が整い次第、公開する予定です。

第三部もお読みくださると嬉しいです。


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