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第52話 好きの意味

 クリオの奮闘により、ルーテシアは元に戻ることができた。のだが……


「ずっと、一緒だよね?」

「うん、ずっと一緒だよ」


 何やら甘い雰囲気を出していて、口から砂糖を吐き出しそうだ……


 ……? でも、何か違和感を覚えるのだけど、気のせいか?


「私は、あなたのことが、好き……」

「うん、僕も好きだよ」


 ……好きの種類が違うような気がするのは気のせいか? likeとloveの違いみたいな……


「ねえみーむ、もしかしてこれ、何も解決していないんじゃない?」

「奇遇だな。ボクもそう思うよ」


 僕とみーむがそんなことを話していた頃、ルナは黒づくめや、アクア、マリンに事情を聞きながら、考え込んでいる様子だった。


「……これは……一体どういうことなの……?」

 ルナは何やら唸っている。


「どうしたの? 何かわかったの?」

 僕はルナに尋ねてみた。


「え? ああ、彩人か。ええとあのね、さっきルーテシアを襲っていたのは、大昔この世界を支配していた者の魂みたいなんだよ。それが“魔王”だった」

「そうらしいね」

 確か黒づくめがそんなことを言っていたはずだ。


「それなんだけど、さっき調べたらルーテシアには魔王の半分の力しか残っていないことがわかったんだ。弱っているとはいえ辻褄が合わない。ルーテシアからは瘴気が取り除かれているから僕たちを襲う心配はなくなっているけど、残り半分の力がどこに行ったのかが問題なんだ。彩人くんはどこに行ったかわかる?」


 ……僕の中ですね。


 って言っていいのだろうか? 言うことで何か不都合なことが起きないだろうか?


 そんなことを考えてためらっていると、突然みーむが合体を解いて、


「それはあやとの中だよ!」


 と、言い放った。


 ……っておい! 大丈夫か!?


「……まあ、そんなことだろうと思ったけど、彩人は大丈夫なの?」

「大丈夫だよ。何かあってもボクたちをどうにかできる力はないし!」


 ルナの問いに自信満々に答えるみーむ。


 と、ここで、

「なんだと! その気になればお前たちなど一瞬で消し炭にできるのだぞ! 今消さないのは我の慈悲あってのものだ、それを忘れたか! いい加減にしないと後悔するぞ!」


 そう言って謎の存在が僕との合体を解いて飛び出してきた。

 ……子犬の姿で。


「あ、起きたんだ、わーわん」

 と、みーむが適当なことを言う。


「誰がわーわんだ! 我の名前は……」


 謎の存在はわーわんということになった。

 たった今、みーむが名付けたせいで。


「おい、今我の名乗りを遮っただろ! もう一度よく聞け! 我の名は……」


 わーわんがそう言ったところで。


「あれ? みんな何やってるの?」

 アリアがやってきた。


「アリアは今まで何やってたんだよ。こっちは今まで大変だったんだぞ」

「自分で吹っ飛ばしておいてよく言うよ。私だって今までぼうっとしてたわけじゃないんだからね。私は……ってあれ? この可愛い子犬は誰!? ……どうしてこんなにぷるぷる震えてるの?」


 そう、わーわんはアリアを見ると、顔色を失くしてぷるぷる震えていた。


「お、おいどうしたんだ?」

「こ……こわい……」


 わーわんはそれっきりしゃべらなくなってしまった。

 震えながら僕の後ろに隠れている。

 そんなに怖いならまた合体してもいいのに……


「まるで私がいじめたみたいになってるんだけど……」

 アリアが珍しく困惑した表情を見せている。


 僕はアリアに事情を話した。具体的にはわーわんの正体を。


 すると、

「あー、昔私がボロボロにしちゃったあの子かー」

 アリアはそんなことを言った。


「え?」

 まさか、アリアが魔王を倒した張本人だったとは……


 自業自得とはいえ、しょんぼりと落ち込むアリアが珍しく、可哀想になってきた。


「ちょっと待って! 話し合って穏便に解決したんじゃないの!?」


 どういうわけか、ここでルナが声をあげる。


「いや、確かに話し合いはしたよ? 穏便にね? だから、魔王も受け入れてくれたんだよ、ね?」

 どうせ、拳で語り合ったとか、そんな話だろ……


「ただ、気合い入れて準備したのにこんなものか、と思ったけどね」

「いや、あれは貴様が圧倒的な力で捩じ伏せただけ……」

「なにか言った?」

「すみませんでした!」


 アリアに黙らされる元魔王のわーわん。


「それでわーわんはアリアに頭があがらないのか」

『だから、わーわんって言うなって言ってるだろ!』


 僕のセリフに対してわおわんが何か言ったような気がするけど、聞こえないなー。


『負け犬の遠吠えみたいに聞こえ……』


「あ! 地上で動きがあったみたいだよ!」

 わーわんが何か言おうとしたところで、ルナが報告してきた。


「マックスが逃げただって?」

「ああ、やはりマックスのやり方に疑問を持つ人は多かったみたいで、マックスを包囲したんだ」


 そうなのか。

「あ、でもそうすると別に僕たちがソニカを助けなくても良かったとか?」

 僕がそう言うと、


「いや、それでもあの状況だとソニカを守りきれなかっただろうから、感謝するって、王宮の人が言ってたみたいだよ」

「そうか」


 どうやら王宮に潜入したコルニスたちは作戦に成功し、マックスを追い出すことができたようだ。コンテがそう報告してたらしい。


「それで応援が欲しいみたいなんだけど」

「……厄介なことになっていると?」


 どうやら、マックスがこもっている場所が厄介らしかった。


 マックスのもとには巨大な爆弾と大量の人質がいて、自分を攻撃すると大量の犠牲が出ると脅しているらしい。


 だいぶマックスは劣勢になっているが、このまま長期戦になる可能性もあり……向こうの態勢が整わないうちに叩いておく必要があり……


 まあ、そんなわけで僕たちは、マックスが籠っているという場所に向かうことになった。


みーむ「そういえばいつの間にか年越してたよね! えー、これから面白くなるかどうかわからないけど、今年もよろしく!」

彩人「いまさら!? てかその挨拶はなに!?」


お読みいただきありがとうございます。

次も、火曜日に更新する予定です。


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