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第48話 テンプレ、からのカオス

 こうして、ティアとクリオのいる、敵の拠点の一つへと戻ってきた僕、みーむ、ルナ、アリア、みみは、クリオやティアから簡単に事情を聞いた後、ルーテシアがいるという場所に向かうことになった。


 ここの拠点の守りはどうする? とクリオに聞いたところ、ティアがすでに解放隊の人を呼んでいて、もうすぐ来るからここは彼らに任せて大丈夫らしい。


「そうか。ところで、君たちはどうするの?」

 僕は、ティアの隣にいたアクアとマリンの姉妹に問いかけた。

「わたし、行きたいです。力になりたい」

「私は役に立ちます! 是非連れてってください!」

 力強く言われたが、一体どうしたらいいのだろう? 危険にさらすことになるが……


 僕がルナに聞いたところ、

「……確かに迷うところだけど、ここは連れていった方がいいんじゃないかな? ルーテシアを助けるのに役立ちそうだし……」

 と、同意に傾いている。


 確かにそうなのだが……

 僕が迷っていると、

「アクアとマリンは私が守るから! 是非連れてってください!」

 と、ティアが力強く言った。


 ……まあ、そんなわけで。

 ルーテシアのいる場所には、僕、みーむ、ルナ、アリア、みみ、ティア、まーく、クリオ、アクア、マリンの総勢十名で行くことになった。


 ……


 それで、その場所だが。


 暗い洞窟の中に潜っていくと、地下へと続く階段があり、どんどん下へ下っていく。


 入り口をアリアが強引にこじ開けようとしてみんなに止められたり(結局ルナが罠を解除した)、焦れたアリアが地面に穴をあけてショートカットしようとして危うく止められたり(何が起こるかわからないだろ!)などといろいろあったが、どうにか目当ての部屋の前にたどり着いた。


 ……てか、厄介だったのが敵からの攻撃じゃなく、味方が足を引っ張っている時点で終わってるような気がするのだが……


 あ、もちろん罠はあったし、敵にも襲われたのはあっさり撃退しました。


 で、なんか部屋の前に扉があったので、ルナが耳を近づけて中の様子をうかがっていた。


『……準備はいいか』

『ああ、いつでもできる』

『今日、我々の悲願が達成される』

『それにしても長かった……』

『ああ、そうだな。~~、~~、~~。お前たちの犠牲は忘れない』

『ああ。これは悲しいことじゃない。彼らは新しい世界の礎になったのだ』

『行こう、新しい世界へ』

『すばらしき世界へ!』


 ……僕も聴力を上げて扉の向こうの会話を聞いていたが、なんというか、ひどいものだった。テンプレすぎる。これから失敗するやつの会話だろ、これは……


 あとは……

「なんだよ、~~とか~~って、さっき捕らえた時、お前たちに文句を言ってたぞ! 滑稽だなあ!」


 ……僕と同じく会話を聞いていたアリアが、そう言って笑っていた。

 向こうに聞こえるから、あんまり声を出さないで欲しいんだけど……


 ティアやクリオ、アクア、マリンは必死に息を殺しているし、ルナは集中して聞き耳をたてているのに、アリアは笑い声をあげている。

 僕はアリアに向けて人差し指を口にあてるジェスチャーをしたが、アリアはどんどんヒートアップする。


「いやあ、滑稽だなあ! どう頑張っても目的を達成できないのに!」


 ……おそらく、アクアが施されそうになった儀式のことを言っているのだろう。それはわかっているのだけど、一体何がおかしいのだろうか……


「(しー! 声がでかい!)」

 僕がそう小声で注意するのだが、アリアは止まらない。


「どうせ成功しないし、次の瞬間地獄を見るのに! あーだっせ! はーーーはっはっはっはっはっはっは!!」


「うるさい!! 聞こえるだろ!!!」


 僕は思わず大声で叫んでしまい、


「「「お前の方がうるさいわ!!!!」」」


 と、ルナとクリオとみーむに突っ込まれた。


 場に一瞬静寂が訪れる。


 しばらくして、

『おい! 誰かいるぞ!!』

『誰だ、ミスった奴は! とにかく捕らえろ!!』

 ……という、扉の向こうの声が……


「どうするんだよ! ばれちゃったじゃないか! お前が叫んだせいだぞ!」

「いや、クリオも叫んでたじゃん! 元はと言えばアリアが笑ってたせいだし!」

「もーそんなまどろっこしいことやめればと思ってたんだよねー。行くよー! そーれ! みんな吹き飛んでしまえ!」


 味方が阿鼻叫喚の嵐となる。僕とクリオとアリアがそんなことを叫んだ。

 ていうか……


「うわ! アリアやめろ! 全部なくなっちゃう!」

「やめてください! ルーテシアが!!」

 僕とクリオが、アリアの足をつかんで止めていた。


「大丈夫だよ! 加減はするから!」

 アリアはそんなことを言うが、


「それは大丈夫じゃないやつだよね! てか、ルーテシアを助けに来たのに全部吹き飛ばしたら意味ないだろ!」

 僕がそう言って止めようとする。


 すると、

「今の言葉には感謝する。でも勘違いするな、俺はお前のことを認めたわけじゃないからな! あと、ルーテシアは渡さん!」

 という、クリオの言葉が……


 ツンデレか! お前からそんな言葉聞きたくねえんだよ!


 いや、娘を嫁に出すときのお父さんか! 勘違いしてるのはお前だよ! なに言ってんだ!


 と、内輪もめの真っ最中に、敵がこちらにやってきた。

「神聖な儀式を邪魔したのはお前たちか!」

「許さん! 永劫の罰を与えてやる!」

 例の黒づくめだった。なんでわざわざ揃いも揃ってそんな目立つ格好をしているのだろうか?


 ……てかこの状況はやばいじゃん! しまった! 何をやってたんだ!


 僕が後悔しつつ打開策を探っていると、


 ズパアアアアアアアアアン!


 突然、こちらにやってきた黒づくめが吹き飛んだ。

 そして、


 ドカアアアアアアアアン!


 うわあああああああああああ!

 きゃあああああああああああ!


 吹き飛んだ黒づくめはなにやら儀式をやっているらしい祭壇らしきものに突っ込んでいき、そこにあった装置を壊していた。

 そしてその先は阿鼻叫喚の嵐である。……この言葉、今回二回目だ……


 状況は一気にカオスになった。


 まるで都市の地下の、エネルギー発生装置の時の騒動の再現だ。


 こんな状況を作り出したのは誰だ、そう思って僕は下手人の方を向いた。


 まあ、アリア以外に考えられないわけだが。


 というか、アリアは何回やらかしてくれるんだ!

 いい加減にしてくれ!!


みーむ「あー、酷い目にあった。まさか本当に消すなんて」

彩人「前回の後書きのこと? 消えてないじゃないか」

みーむ「あれ? ほんとだ。なんで? やっぱりめんどくさくなったのかな?」

彩人「さあ……」

(いや、あれは冗談だったんだけど……)

彩人「今何か聞こえなかった?」

みーむ「聞こえた。いや、誰か知らないけど冗談の意味わかってる?」

彩人「そうだよね。笑えない冗談は冗談じゃないね」

(ご、ごめんなさい……)

みーむ「ごめんで済むかああああああ! お詫びにボクを優遇しろ! 大金持ちになって、みんなボクの言うことを聞いて……」

彩人「いや、それはやめようよ!」

みーむ「なんでだよ!」

彩人「僕もみーむの言うことを聞かなきゃいけないの!?」

みーむ「当たり前じゃん」

彩人「何言ってんの!? 無理に決まってるじゃん!」

みーむ「なんだと! やんのかゴルアア!?」

彩人「喧嘩なら買うぞ!」


ボコスコボカスカ!


お読みいただきありがとうございます。

次も、火曜日に更新する予定です。


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