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第47話 秘密の魔法

「ちょっと! 私のこと忘れてない?」

 僕たちが、あの巨大な装置があった場所から脱出しようとしたところで、アリアが呼び止めてきた。


「え? アリアいたの?」

「次言ったらぶっ飛ばすよ?」

 どうやらアリアはルナにぶっ飛ばされた後、どうにかここに戻ってきたらしい。


「てかなんで彩人たちがここに入れたのか忘れてない? 私がここをぶち抜いたおかげでしょ?」

 そう言ってアリアは天井の穴を指差す。


「あのさ……そのせいでこんなめちゃくちゃな状況になったんだけど、わかってる?」

「わかってるわかってる、悪かったよ」

 ルナの問いに、アリアは軽い調子で答える。


「いや、だからさ……」

 ルナが殺気を放ってるから、もうちょっと配慮してほしいんだけど……


 僕がそう言おうとしたところで、ルナが殺気をさらに強めてくるのを感じた。


「……」

 ほら、ルナが怖い顔でこっちを睨んでるよ! 早くなんとかしないと!


「アリア、ほら、早くルナに謝って! 早く! まずいことになるよ!」

「えー、なんでー?」

「な、なんでって……とにかく早く!」

 アリアとそんなやりとりをしていたが、手遅れだった。そもそもこんなやりとりをしていたのがまずかったか。


「………………とりあえず、みーーーんな、吹き飛べええええええ!!!!!」


 どかあああああああああんん!!!!!


 遂にキレたルナが、あたり一帯を吹き飛ばしてしまう。

 僕もそれに巻き込まれて、吹き飛ばされた。


 理不尽!!!


「それで、アリアたちはどうやってここまで来たの?」

 少し落ち着いたところでルナがアリアに尋ねていた。


「いや、ルナから連絡があって、超高速で駆けつけようとしたんだけど、時間が足りなさそうだったからさ、……瞬間移動でちょちょいとね」

 最後の方は小声になった。


「……え? アリアって、瞬間移動が使えるの!?」

 ルナがそれに物凄く反応した。

 アリアの肩をつかんでゆすぶっている。


「ちょ、落ち着いて! それにあんまり大きな声で言わないで! 下手にそのことを人に知られたらこき使われて大変な目に遭うんだ! だから隠しているんだよ!」

 ちょっとアリア! 声がでかい!

 いや、僕のことじゃないからいいんだけどさ、大丈夫なの?


 僕とみーむはわけもわからないままアリアに連れていかれたんだけど、その時に、

「もしこのことを漏らしたら……どうなるかわかってるだろうな!」

 と凄まれ、

「「絶対に言いません!」」

 と言わされたんだけど……


「え? 瞬間移動だって?」

「うそ……あの失われた魔法が……」

 ほら、早速噂になってるじゃん!


「あ、やべ……」

 アリアは汗をかいて硬直している。

 ほら、早く誤魔化さないと! 僕たちが何のために脅されたのかわからないじゃん!


「ワタシ、瞬間移動ナンテ、ソンナ大シタ魔法ハ、使エナイヨー。ホントダヨー。ミンナ、信ジテー」


 なぜカタコト。

 絶対ばれたな。


「え? 今の反応は、まじ?」

「うそ? 変なこと言ってるなーと思ったけどまさか?」

「まじか! ちょうどいい! これを運ぶのを手伝ってくれ!」


 ……アリアは誤魔化すの下手過ぎるだろ!

 どうすんの!? このままだと僕にまで大変な目に遭いそうなんだけど!


 どうにかして逃げる方法はないかと考えていたら、僕はルナに肩をガシっとつかまれた。


「……ドウシタンデスカ?」

「……なぜカタコトなのか知らないけど、手伝ってもらうよ!」

「なにを?」

「この騒ぎを鎮めるのを!」


 ルナはそう言うと、辺り一帯に魔法障壁を張った上で、さっき使ったのと同じ精神を安定させる魔法を使い始めた。

 僕はなぜかルナの手が離すことができず、そこから魔力を持っていかれる感覚がした。

 ルナはいつの間に人から魔力を吸い上げる力を手に入れたんだ?


 僕だけ吸われるのはなんだか悔しいので、逃げようとするみーむの手をつかんで、魔力を吸い上げた。


 ……


 で、視界にいた人たちは一旦全員倒れた後、ルナによって全員強制的に再起動させられ、何事もなかったかのように動き始めた。


「……はあ、どうにかなって良かったよ」

「……」


 ルナがやり切ったという顔で呟く一方、僕はあきれていた。


 前回シリアスなシーンで使った魔法を、すぐにこんなしょうもないことで使う羽目になるとは……


 騒ぎが落ち着いたところで、僕はふと気になってアリアに尋ねる。

「……そういえば、さっき装置を止めたけど、それによる混乱は特にないように見えるけど……どういうこと?」

「そうだよ! 私はルナにぶっ飛ばされた後、いろいろ頑張ったんだからね! まちの魔力が足りるようにどうにか頑張ったんだよ! 感謝してよね!」


 ……まあ確かに、すごいけど。一体どういうことなんだ? ていうか、感謝してよね、って……


「いや、まああれがなくてもエネルギーは足りるっちゃ足りるから、よそからエネルギーをかき集めてなんとかしてる感じ?」


 なるほど、別になくてもなんとかなる感じね。


「……ただ、これは一時凌ぎだから、いずれ足りなくなるけど」

 アリアはそう、付け加えた。


「そうなのか。それじゃあ、どうすればいいんだ? 他のエネルギー源を探すか、足りなくてもどうにかできるようにするか……」

 僕はアリアに尋ねた。


「どっちもやっていく必要があるね。ただ、どうやるかという問題があるけど……」


 アリアが考え込んでいた。ルナも考え込んでいる。


 ……あれ? そういえば何か忘れているような気がするような……


 と、思っていたら、僕のケータイカード(ほんとに紙切れ)がブーブー鳴った。


「……はい」

『……ちっ……あ、やっと出た! 大変なんだ! ルーテシアの居場所がわかったんだけど、今すぐ応援が欲しいんだ! どうにかできない!?』

 クリオだった。口調が変わってるような気がするが……


 てか、今舌打ちしただろ! どういう意味だ!


 ……って今は追及している場合じゃないので、とりあえず話を続ける。


「どういうこと?」

『さっき敵の拠点を落として、そこで敵を捕えたけど、事情を聞いたら、ルーテシアの居場所が判明したんだ! そこがとんでもない場所で……』


 ……聞いてみたら、確かにとんでもない場所だった。すぐに行かないと……


 それにしても、陽動だった方が先に情報をつかんだのは、一体どういうことなのだろう? 本命は何をしているんだ?


 いや、考えている時間はない。とにかく行かないと!

 あ、でも……


「エネルギーのことなら大丈夫だよ。もうしばらくは持つはずだし。それよりも今はこの件を片付ける方が先だ」

 アリアは僕の言いたいことを察したのか、そんなことを言った。


 ……アリアは意外と頭は回るし、周りへの配慮もできるんだよな。普段はそれをしようとしないだけで……


「それで、誰が行くの?」

「全員でいいんじゃないかな? 本命部隊に応援が必要になることはないだろうし」

「そうだね。もし必要になったとしも、こっちがパパっと解決すれば問題ないし!」

 僕の問いにルナがそう答え、アリアも同意する。


 てか、アリアは楽観的過ぎるだろ……まあ、自信があるということなのかもしれないけどさ……


「みーむは?」

「まあ、ルナたちの言う通りだろうね。とにかく行こう!」

 みーむもルナたちと同意見のようだった。


 そういうことなら僕が反対する理由もないので、結局今ここにいる僕、みーむ、ルナ、アリア、それにアリアの精霊であるみみは、ティアとクリオのいる、敵の拠点へと向かうのだった。アリアの瞬間移動を使って。


みーむ「結局今回の話何!? 必要だった!?」

彩人「え、ええと、どうだろう……」

みーむ「あれだろ、どうせ展開に行き詰って、でもとりあえず書いてみたら迷走したとか、そんなところだろ!」

彩人「しーーー! 消されるよ!」

みーむ「神が怖くて生きていけるか!」

彩人「ちょ、ちょっと……」


(異物を発見。過去にさかのぼって存在を削除し、記憶まで消去します。つまり無かったことにします)


彩人「え、何? 今頭に響いてきた声は?」

みーむ「え? 何言ってるの? ボクにはなんにも――」


しゅん!


彩人「……あれ? みーむ!? 消えた! みーむはどこ……あれ? みーむって誰……何だっけ? 僕は何を言っているんだ?」

ルナ「おーい、彩人くん! 手伝って欲しいんだけど!」

彩人「はーい、今行くー!」


(こうしてみーむの存在はこの作品から人知れず抹消され……てません。次回以降も登場します)


お読みいただきありがとうございます。

次も、火曜日に更新する予定です。


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