表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

妖怪シリーズ

私の町の天狗様

作者: 名録史郎

 むかしむかしある山に、

 一匹の天狗が住み着きました。


 天狗は神すら殺し、

 人を攫うといわれる怖い妖怪です。


 天狗は気まぐれに雷を鳴らし、

 嵐を呼びます。


 山の傍の村の人々は恐れおののきました。


『山には絶対行ってはならない』


 村人達は掟にそう記しました。


 天狗が住み着いてから数年。


 ある日、旅人が村を訪れました。


 その旅人は、山の麓で死体で発見されました。


 近くで遊んでいた子供達は、みな


「天狗が旅人を殺した」


 といいます。


 それからというもの、村の周りでは、頻繁に死体が発見されるようになりました。


 村人達は、恐怖しました。


 それから、天狗は頻繁に山から下りてくるようになりました。


 特に子供たちの傍に現れます。


「村を捨て出て行こう」


 村人達は、村を捨てることにしました。


 そして、村人達は知ることになりました。


 世間は大飢饉に襲われていて、

 盗み、人攫いが横行していることに。


 村人達はようやく理解しました。


 天狗の起こす嵐は農作物を育てるため。


 殺された旅人は、実は盗人でした。


 なにより天狗は子供たちを見守っていてくれたのです。


 そうして村人達は天狗の優しさに気づき、村に戻ってきました。


 それからというもの、村人達は天狗を『天狗様』と呼び。


 今では、心優しき妖怪達と一緒に暮らしているといわれています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ