96.イベント準備 前半
ドライゲンの都へと早々に到着した。
イベントの開始まであと六日もあるが、事前に情報を集めておきたい。
新たなイベキャラが登場する可能性もある。
今回のイベントの概略は続報の手紙で確認した。
要約すればこうだ。
カスィミウ神都にヅラウィ曲芸団がやってきた。
団員の魅力的な芸に人々は熱狂し、連日の興行も満員御礼である。
興行は最終日を迎えた。曲芸団に対する拍手は惜しみなく鳴らされ、逆に別れは惜しまれた。
ヅラウィ曲芸団が去った日の翌日、彼らがいた場所に一台のカツラが残されていた。
神都のがめつい商人がこう言った。
「そのカツラは風もふきゃしねぇのに、ひとりでに動いて消えたんだ。まるで曲芸のようだったぜ」と。
また香水臭い夫人はこうも語った。
「私は覚えているわ。ヅラウィ曲芸団の団長があのカツラと同じ髪型でした。あのカツラは団長のものに違いありません」と。
そして、前歯が抜け落ちた老人はもごもごと聞き取りづい声を出す。
「まだ彼らの芸は終わっていない。団長のカツラがこの都にある限りなぁ」と。
神都の異変に満ちた14日間が始まる。
正直、木村が思っていた話とは大きく違った。
薄毛で頭を隠している人のカツラがどこかへ飛び去り、消えたカツラを必死こいて探す話だと思っていた。
題名はともかく、中身はイベストらしさがあり木村はがっかりである。
なによりカツラの数え方が台というのが一番驚いた。枚とか個じゃないのか。
カスィミウ神都なるまったく知らない地に代わり、ドライゲンの都が舞台となりカツラがどうにかなるらしい。
そのドライゲンの都には入れることは入れたが、雰囲気があまり良くない。
ここ半年で内乱が続いたようでそれが尾を引いているようだ。
いつもの場合だと、都の偉い人にイベントのことを話に行くのだが今回は迷っている。
話したところで理解してもらえるのだろうか。前回もごたごたがあった。
それにイベントのタイトルと内容がいまいち緊張感に欠ける。
現状のドライゲンとイベントがかみ合わない。
イベントキャラが帝国兵に捕まっているなら、きっとそこから話が漏れるだろう。
話が漏れれば街の兵士の様子も変わってくるはずである。
話は変化があってからで良いと判断している。
そのため今回は潜伏して活動することにした。
そして、可能な限りイベント前に問題の因子を見つけて排除しようと考えている。
木村としても、帝国の都を二つも地図から消したくないという思いがあった。
偉い人に知らせないということは堂々と都の中を歩き回ることができず、こそこそ見て回ることになる。
変装して見て回ることも考えたが、おっさんと木村、それにフルゴウルは変装してもすぐばれる。
ウィルの魔法で姿と音といった諸々を消して散歩する。
あちらこちらに兵士が立っており、都民もどこか緊張感が見られる。
木村でも雰囲気の悪さがわかる。
「良くないね」
「殺伐としていますね」
ウィルも木村の言葉の前に「雰囲気が」と付くのを察した。
現在はウィルとフルゴウル、それにシエイという魔力センサー組を連れて徘徊中だ。
「私はこの雰囲気が嫌いじゃないよ」
フルゴウルはにこやかである。
どうしてこの場面でにこやかなのかは木村としても疑問だが、わざわざ尋ねるほどのことでもない。
王都の時も彼女は上層部が混乱していた状況を利用していたので、安寧の中にいるよりも混沌の中の方が落ち着く性分なのだろう。
シエイは何も言わない。
事実だけを端的に述べるのは木村も嫌いではない。
ただ、もうちょっと日常的な会話に参加して欲しいという思いもある。
「うわぁ、すごい。いっぱい飛んでるよぉ。いやぁ、飛龍を見たのはアルフェン以来だねぇ」
ケルピィは平常運転だった。
人間だった頃の彼にとっては敵国であり、思うところもありそうだが今は観光気分が勝っているように見られる。
「帝都でも飛龍部隊がありましたけど、こっちはもっと飛んでいますね」
飛龍の都と呼ばれるだけあり、兵士が普通に飛龍に乗って飛んでいる。
飛んでいるだけでなく、街並みを巡回する兵士も犬か馬かの感覚で飛龍を連れて回っている光景も見られた。
木村も異世界に来たばかりの頃に、帝国の飛龍部隊に職務質問を受けた。
あのときはまともな戦力が薬中のアコニトだけであり、木村もこの世界に慣れておらず緊張した記憶がある。
不思議なもので、飛龍も今は大きめの蜥蜴にしか見えない。
竜をはじめとして、より大きく異様な魔物を見てきたため、飛龍に対する恐怖は木村にはもうなかった。
「移動がすごい便利になりそう。何頭か持って帰れないかな」
戦力ではなく、むしろ移動手段として飛龍を見ている。
空を自由に飛べるキャラはいない。ウィルも浮かぶことはできるが飛ぶことはできない。
モルモーが変身すれば飛べると言っていたが、すごく疲れるので絶体絶命の時以外はやりたくないと話していた。
もしも飛龍を操れるキャラがいれば戦術が広がる。
採集の時も空から様子を見てもらえるので、効率が大きく上がると木村は考えている。
「飛龍ですか……。難しいと思いますよ。聞いた話では乗り手と飛龍はセットで、小さい頃から一緒に生活させられるようですから」
「魔法とかで従わせてるんじゃないんだ」
「神聖術では難しいでしょうね。その手の神聖術は専門外ですが、飛龍は間違いなく人よりも従属させづらいでしょう。神聖術で縛ると飛龍の判断力が落ちて動きが鈍るとも考えられます」
魔法で飛龍を縛らない方が戦力になるようだ。
戦闘も近接戦闘ではなく、上空から魔法を一方的に撃つことがメインになる。
飛龍操作に魔法のリソースをかけない方が有利に働くと言われ、木村もそうかもしれないと理解できた。
「自分は臭いが好きではありません」
珍しくシエイが意見を述べた。
「独特だよね。土臭いというか、生臭さもあるし」
木村もシエイの意見はわかる。帝国兵士に同行したときに臭いが気になっていた。餌も生肉なのでなおさらだ。
なお、シエイの言う臭いとは、飛龍の死骸から発せられるもののことである。
彼女がかつて王国兵士として帝国の飛龍部隊と戦った際に、雷の魔法で空飛ぶ飛龍を落とした経験から来るものだが、木村はそこまで理解していない。
話は逸れるがカクレガでも異臭騒動はそこそこある。
多種族がいるため仕方ない部分もあるのだが、やはり人外種族になるほど独特な臭いがあることは事実だ。
そこに鼻の効く半人半獣の種族が合わさり、臭いがどうのこうのと議題に何度か上るわけだ。
できるだけシャワーを浴び、ペイラーフ謹製の香水を使ったりしましょうで終わっている。
異臭騒動の最多原因はもちろんアコニトである。
本人が、汚くてもさほど気にしない人種だ。ゴミ捨て場で生活していたときは今よりもさらにひどかった。
それに加えて常用しているクスリも問題がある。クスリの臭いだけでなく、クスリを使った後の体臭があまりにもひどい。
汗腺が開くのか、汗自体に変な成分が混ざるのかははっきりしないが、鰹節か粘土かといった臭いで徘徊する。
臭いがひどすぎるからという理由でおっさんに殺されることも少なくない。
デスリセッ○ュなどと木村は冗談めかして言っている。
今のところ兵士に気づかれている様子はない。
人間よりも視覚や魔力感知が優れている飛龍にも気づかれていない。
姿をくらます魔法の効力はすごいが欠点もある。
探索効率が極めて悪い。
個別に魔法をかけるのではなく、木村たちを覆うようにかけている。
どうしても集団で移動する必要性が出てきて、都を探索するスピードが落ちる。
隠蔽力を高めるため効率を落としているが、どこまで隠蔽力を落としても良いか試す必要がありそうだ。
明日からはモルモーに頼んでウィル変身してもらい、二手に分かれることも考えるべきだろう。
なおシエイはこれ系の魔法は使えないらしい。
基本的に異世界の人が使える魔法は人によって傾向があるようだ。
シエイは攻撃系や移動系は得意としているが、その他の魔法はほとんど使えないと話していた。
カゲルギ=テイルズのキャラも同様だ。ゲームの仕様に大きく縛られている。
この件で言えば、得意魔法以外でも普通に使っているウィルの方が例外である。
魔法を専門とする国の最優秀教授の下で、こき使われるエリートはやはり別格であった。
特殊すぎる魔法は使えないようだが、道理を理解さえすれば使えない魔法なんてほぼないと話していたのも木村は聞いている。
「戦力としては二人でも問題ないのかな?」
木村は明日から探索を二手にする旨を伝えた。
フルゴウルやウィルも同じことを考えていたようで了承される。
木村の懸念は二手に分けることで、イベントキャラと遭遇し戦闘になる場合だ。
当然として二手に分かれれば戦力は落ちる。
「問題とは、戦力が不足するという意味かな? この世界の住民相手なら私一人でも過剰だよ。ただ、イベントの敵に対してはわからないね。前回のような相手が出てくればどうしようもない。ウィルくんは現状で感じるところはあるかな?」
「異常な神気は感じませんね。二手に分かれたときの対応という問題でしたら、合図を出して集合か撤退かを決めておけばいいと思います」
すんなりと話が決まっていく。
その後も探索が続いた。
けっきょく一日目の探索では何も見つけることはできなかった。
二日目に入り、二手に分かれての探索である。
木村、おっさん、モルモー、シエイが一チーム。
ウィル、フルゴウルの二人がもう一つのチームと分かれている。
サポートのメッセが間に入り、二チームの報告や連絡を取りまとめていた。
『隊長は私をブリッジに置いて観光ですか。良いご身分ですね』
「そんなぁ。これも仕事だよぉ。なにかお土産を買って帰るからさ」
『お土産よりも仕事をしっかりしてください』
久々にケルピィとメッセの掛け合いを聞いた。
こちらにはシエイもいるのだが、会話に混ざってこないので空気状態である。
モルモーもウィルに化けてはいるが、探索は真面目にやる気がないようで、街で珍しいもの見つけて観光ムードだ。
「異常を発見しました」
シエイが端的に報告してきた。
ウィルに化けたモルモーの顔にも緊張が見える。
「前方、斜め右にこちらを見つめる男性がいます」
木村とモルモーもそちらを見る。
中肉中背のやや特徴の薄い中年男性が木村たちを見ていた。
木村は、その男性がこちらの方角を見ているだけで、木村たちには気づいていないと思った。
「手を振っています。神術の行使は見られません。周囲に帝国兵が潜伏している気配もありません」
「完全に気づいていますね。敵意は見られませんが、どうしますか?」
木村も悩む。
敵意があれば戦闘でもいいのだが、その様子は見られない。
件の男は知り合いを見つけたといった様子で、にこやかに手を振って合図してくる。
あまりにも外見が普通の一般帝国市民といった風体なので判断に迷う。
「手だけ振り返しておくんだぞ」
無言だったおっさんが口を挟んできた。
おっさんが手を振り、木村たちも倣って手を振った。
中年男性は満足したようで、木村たちから視線を逸らし、立ち去っていく。
「いったい何だったの?」
「知り合いだぞ」
おっさんの知り合いで、しかもこの都には扉がある。
黒竜は本来この地域の竜ではないという雰囲気の話があった。
木村はすぐに答えが出せた。
「え……、さっきの男の人って竜なの?」
木村も自明な答えにやや驚きがある。
竜は人の姿を取ることもあるが、先ほどのような普通の男性は初めてだ。
「自分では神力の異常を感知できませんでした」
「私も人にしか見えなかったですね」
おっさんは無言を貫いていたが、根負けした様子で口をわずかに開いた。
さほど語りたくないという気配が顔と全身の筋肉から伝わってくる。
「創ることが得意な奴なんだぞ」
木村たちはその返答を吟味し、モルモーだけが真意にたどり着いた。
「人を、創っているんですか? その中に意識を移していると?」
今度こそおっさんは無言を貫いた。
モルモーが男の消えた先を気持ち悪そうな顔で見ている。
シエイは表情を変えていない。
木村も人を創ることがどれだけ異常なのかわからず反応ができない。
「あまり関わりたくない存在ですね」
「それが良いだろうな」
二日目の目立ったイベントもこれくらいなものだ。
それとシエイが見た目によらず、甘いものが好きだとわかったことくらいである。
竜の他に異常は見つからなかった。
ウィル達も特にこれといったものを見つけられず、そのまま終了とした。
三日目も見て回ったがイベントらしき異常はない。
もしかして今回のイベントは当日まで何も現れないんじゃないか、と木村だけでなく他の仲間も思ったほどである。
変化は四日目でようやく現れた。
しかし、これはイベントによるものではない。
「姿を隠す諸君らは何者か?」
木村たちが街を歩いていると帝国の兵士に気づかれた。
シエイが事前に指摘してくれていたので、すでに人通りの少ない場所に兵士を誘導することに成功している。
「一人?」
「そのようですね。周囲に兵士の気配はありません」
腕に自信があるのか兵士は仲間を呼んではいない様子だ。
誘いに乗って、堂々と一人で路地裏までホイホイと付いてきてくれた。
おっさんほどではないが体格は良い。
かなりガッシリしている。腰に下げている剣が小さく見える。
見た目は若そうだが年齢はわからない。三十はまだいってないんじゃないかと木村は判断するが、もしかしたら過ぎているかもしれない。
外国の人は年齢がわかりづらいが、異世界の人はもっとわかりづらい。
人ならまだしも獣人になるとさっぱりである。
「どうやって気づいたんだろう?」
「謎ですね。魔法は発動しています。構成に不備はないので、私でも気づくのは難しいのですが」
木村たちの声は兵士に届いていない。
だが、どうやってか木村たちに気づいている。ここまで追ってきたなら確定だ。
ケルピィがこちらに来ていれば、姿が見えずとも推測する方法はあると教えてくれるだろうが彼はウィル達と一緒だ。
木村の特殊能力者感知も発動していないので、どうしようもない類いの力ではないと推測はできる。
「強い?」
「いえ、まったく。見たところでは、ただの人間ですね。だからこそ不思議なんです」
「体をよく鍛えているな」
モルモーは弱いと言い、おっさんは強いとは言わない。
すなわち、倒せる相手であることは間違いない。
しかし、武力行使も躊躇われる。
「話してみようか?」
「話す目的は?」
モルモーが即座に問い返す。
木村は特に考えていない。話せばどうにかなるんじゃないかと思っただけだ。
「……なんだろう?」
「話すなら一人で話してください。可能であれば感知手段を聞いてください。私が駄目と判断したら、彼の記憶を弄って消えてもらいます」
最初からそれで良かった、と言い出せない雰囲気になってしまったことを木村は後悔している。
今さらになって何を話せば良いのかわからなくなりつつあった。
「それでは、どうぞ心ゆくまで」
「がんばるんだぞ」
モルモーが木村の背中を押した。
軽く押されたはずだが、さすが人外というべきか足が止まるまでに軽く数メートルはかかった。
すでに木村の目の前には兵士がいて、臨戦態勢に入っていた。
「……あ、どうも」
木村は兵士に軽く会釈をする。
兵士は目を見開き、明らかに驚いた様子だった。
木村の後ろにいるであろうモルモー達を兵士は目で追って、また木村に視線を戻す。
「君は?」
「木村です。キィムラァと呼ばれてます。あなたは?」
「小官はグランド。後ろの方々は君の仲間でしょうか。いったいこのドライゲンにどのような御用向きでありましょう?」
「近々、この都で大きな問題が起きるのでその調査です。帝都ほどではないでしょうが、取り返しの付かない事態になる可能性はあります。事前に解決できないかと思い、問題を探しています」
グランドの表情に変化があった。
警戒心を急激に引き上げたようである。
「……小官の手には余るようですな。上官に伝え、指示を仰ぎます」
「待ってください。そのパターンは過去にありました。だいたい失敗します。言っちゃ悪いですが、あなた方ではどうしようもありません。逆に、刺激するとかえって悪化することもあります」
木村はこう言うが、伝えることで解決することも当然ある。
けっきょくのところ、伝えても伝えなくても起こることは起きる。
伝えてから問題が起きれば「伝えなければ良かった」と悔やみ、伝えないまま問題が起きれば「伝えておけば……」と悔やむ。
どうせ悔やむならやりたいようにやる。今回は伝えず隠密で行動すると決めた。
それも今まさに崩れ去ろうとしているのだが……。
「ところで、グランドさんはどうやって僕たちに気づいたんです? 三日ほど街を歩いていましけど、誰にも気づかれなかったですよ。『明日は城に入ってみようか』って話してたくらいですし」
木村は一番気になっていることを尋ねた。
モルモーも気になっていたようで、尋ねてみろと言っていた。
ウィルの魔法が看破されたことは驚くべきことである。
城に調査へ入る前に種を明かしてもらいたい。この姿くらましの欠点を知っておくべきだ。
「小官はキィムラァ殿に気づいておりません。今も何と話しているのかわからない心境であります。後ろの三名だけが感じ取れている状態です。お三方はかなりお強いご様子。街中で暴れられては被害が甚大と予想されたため、こちらまで誘われてやってきた次第であります」
木村も後ろを見た。
魔法はきちんとかかっているようで、薄暗い路地しか見えない。
グランドは後ろに三人いると気づいている。しかも彼らが強いことも把握している様子だ。
自信家というわけでなく、被害を抑えるため誘いに乗ったとグランドは言う。木村は少しこの兵士に好感を抱いた。
肝心な部分は好感を持てるかどうかではない。
ウィルの魔法が破られた原因である。彼はこう言った。
「気配を、感じ取れる?」
「小官は気配に敏感なのです。ただ……、キィムラァ殿からは気配を感じません」
木村にも話の筋が読めた。
過去にも幾度か似たような事例を聞いている。
魔力がないだの、未来が見えないだの、運命がないだのと同じ系列だ。
この系列に新たに気配が追加された。
「気配から強さもわかるんですね」
「ここまで大きな気配では隠しようもありますまい。二人は人間ではないでありましょう」
概ね正解だった。
おっさんを人とみるかどうかだが、人を超えた強者であることは間違いない。
木村は気配というのが何かわからない。
カクレガにいる時、なんとなくアコニトが来るな、とわかるときがあるのだがそれと同じだろうか。
たぶん違うなと彼は自らの考えを否定する。
「ひとまず諸君らには……小官、と――」
グランドの動きが止まった。
立った状態でどこか虚ろになっている。
「意識を止めました。記憶も薄れさせます」
モルモーの姿が木村からも見えるようになった。
彼女はグランドの頭に指を当てて、すぐに木村たちへと戻ってくる。
「離れましょう。彼は例外です。気にする必要はありません」
すぐにその場を離れる。
距離を取った後、メッセ経由でウィル達と情報を共有する。
彼の服を見た限り上の立場の者ではない。
警備場所は大きく変わらないはずと判断し、今後はこのエリアに入らないようにした。
四日目もやはりイベントの予兆は見つからない。
イベント開催まで残り二日である。
五日目は城やその周辺の警備が厳しい場所の探索に入ることに決めて四日目を終えた。




