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チュートリアルおじさんと異世界巡り  作者: 雪夜小路
Ⅵ章.レベル51~60
87/138

87.イベント「ワイルドハントで連れてって」5

ブラウザ、OSによって一部の文字が適切に表示されないかもしれません。


 ワイルドハントはここ二日ほど順調に進んでいる。


 初日に被害を出した以後は、邪魔が入っていない。

 いっそつまらないと言い切ってしまっても良いくらいの状況である。


 ラベクから東に向かい、国境沿いから大回りに都市や人里近くを巡っていく。

 夜に撮影会があってからヘルンが外で、実際に行進の様子を撮りたいようだがバイクが壊れて動かず断念しかけていた。


「CP-T3はどうだ?」


 そこに助け船を出したのがおっさんである。

 木村はなぜCP-T3の名前が出てくるのか、関係性を考えたがうまく結びつかない。

 CP-T3は製造室に陣取った謎の戦車もどきである。性能が悪く、再起動を何度もする過去の遺物だ。


「CP-T3と言いますと、製造室に置かれていたものですか?」

「置いたのではなく、本人が自らあそこへ移動したんだぞ」


 木村はその点も不思議であった。

 入口よりも明らかにCP-T3の方が大きい。

 どうやって製造室の中に入ったのかがわからない。

 だいたい召喚したときも自室ではなく、廊下に現れていたはずだ。


「CP-T3は強化すると変形が解放されて、乗ることが可能になるんだぞ」

「えっ! そうなの!」


 なぜそんな重要情報を今まで言わなかったのか。

 召喚者専用アイテムの説明よりもそっちを説明して欲しかった。

 けっきょく召喚者専用アイテムは地獄の座布団を数枚だけ作っただけである。


 さっそく製造室に移動する。

 強化しようとも思わなかったが、強化画面を見ると確かにあった。


“形態変化解放”


 よくよく性能を見ると戦闘キャラですらない。

 重量、速さ、加速度、総排気量、燃費、乗車定員、駆動方式、自動車税額……とステータスが完全に乗り物仕様だ。


「……自動車税額?」


 そんなステータスいるか?

 車のレースゲームはやったことがないが、こんなステータスがあるものなのかと木村は首を捻る。

 だいたい項目が多すぎる。燃料タンク容量、エンジン形式からサスペンション、タイヤまで項目にあるのはどういうことなのか。

 キャラのステータス項目は十もないのに、乗り物に関しては異常に多い。

 ぱっと見、二十はあるように思える。


 なんでブレーキにも種類があるのか。

 ドラム式とディスク式に分けられても素人にはさっぱりだ。

 無駄に細かいところまで力を入れるよりも、もっと直すべきところがあるだろう。


 よくわからないままに木村はスキルテーブルという名の改造進行表に資材を投資していく。

 いろいろと形態変化ができるようになり、バイクや一般自動車、スポーツカー、トラックと多くの種類が解放された。

 最終形態は転生トラックの可能性も捨てきれない。


 どうしてCP-T3がここにいるのかがようやくわかった。

 形態変化した後の、細かい調整を製造室でするためだろう。おすすめ設定があるのでそちらに変更する。


 形態はバイクではなく一般自動車にした。

 最低でも自分、おっさん、ヘルン(撮影担当)、運転担当の四人が乗る必要がある。


 形態変化は外でもできるようなので、バイクに変化し、CP-T3に製造室から出てもらう。

 やはりどうやって最初にここに入ったのかが疑問だ。

 おそらくこの謎は解決されない。


 ひとまず訓練室で運転を試すことにする。

 怪しい物体を訓練室に持ち込んだので、当然として注目を浴びた。


「よし。キィムラァ、さっそく運転をしてみるんだぞ」


 おっさんが運転席のドアを開けて座るように示した。


「え? いやいや、免許持ってないから。運転とかマ○カーくらいしかしたことない」

「免許がなくても動くぞ。大丈夫だ。最初はみんな素人だからな」


 さあ、乗るんだと背中を押され木村は運転席に座る。

 まさか異世界で車の運転をするとは思ってもみなかった。


 木村が運転席に乗り込み、おっさんが扉を閉めてくれる。

 おっさんは車の前をスタスタと歩き、反対側に移動し、助手席に乗り込んだ。


「CP-T3ウンテンモードヘヨウコソ。セツメイヲカイシシマスカ?」

「要らないぞ」


 カタコトの音声をおっさんが軽く拒否した。

 チュートリアルは譲らない姿勢だ。


「えっと、まずは何からすればいいの? エンジンをかける?」

「慌てるな。まずは席とルームミラーの調整からだ。席に深く腰掛けて、足下にあるペダルを踏んでみるんだぞ」


 木村は座席に深く腰掛ける。

 その後、彼が足下を見ると、ペダルが二つあった。


「二つあるけど、どっち?」

「両方だ。右がアクセルで、左がブレーキだ。まずは右のアクセルに足を置いてみるんだ」


 木村が右足をアクセルにおく。


「思いっきり踏み込んでみろ」


 言われたとおりに踏み込む。

 エンジンがかかっていないので、グニュッと柔らかめのグミを踏んだ感覚を彼は感じた。


「その状態で膝に余裕があるくらいがちょうど良いぞ。――おっ、良さそうだな。ブレーキも踏んでみるんだ。――待つんだ。ブレーキも右足で踏むんだぞ。左足は左にあるフットレストで固定だ」


 右と左にペダルがあったので、アクセルは右足、ブレーキは左足で踏むと木村は思っていたがどうやら違ったようである。

 ブレーキはアクセルよりも軽い、ただ、踏み込むほど重くなる印象だ。


「よし。シートスライドはちょうどいいな。今度はハンドルに腕を伸ばしてみるんだぞ」

「わかった」


 久々にまともなチュートリアルを受けている気分だった。

 教習所がこんな感じなのかと木村は思った。


 ハンドルは思ったよりも硬い。

 力を入れてみたが右にも左にも回すことができない。


「ロックされているから動かないぞ。ハンドルの上部に手を置くんだ。――少し近すぎるな。肘が曲がりすぎているぞ。リクライニングを倒してみるんだぞ。座席の右側についているからな。弄ってみるんだ」


 リクライニングの調整は木村でもわかった。

 座席を少し倒してみる。やや傾けすぎたかと思ったところでおっさんから停止の声がかかった。


「次はルームミラーだな」


 おっさんが、木村から見て左上にあったミラーを示す。


「後方の窓の中心がミラーの真ん中に来るように調整するんだ」


 ルームミラーの調整が終わり、サイドミラーも確認する。

 そして、ようやく起動に移行した。


「まずはエンジンだ。ハンドルの右側に付いている丸いボタンを押すんだぞ。念のため、エンジンの起動時はブレーキを踏んでおこなうようにするんだぞ」


 木村が見ると、丸いハンドルの奥に丸いボタンがある。

 左のブレーキを踏みつつ、恐る恐る彼はエンジンのボタンを押した。


 ボタンに緑のランプが点灯し、ハンドル、窓、天井と色とりどりの光が伝わっていく。

 もしかして外も光っているのだろうか。それならまるでゲーミング車両だな、と場違いな感想を木村は抱いた。


「よし、起動したな。この車種はサイドブレーキが左の手元にあるな。スイッチを押して下におろすんだ」


 木村はレバーをしたに降ろした。

 車が軽く揺れたように感じる。少し怖く感じた。


「まずはアクセルを軽く踏んでみるんだ」

「大丈夫? ドーンって突っ込まない?」

「大丈夫だ。ぶつけてもエアバッグが作動するからな」

「そういう意味じゃない」

「ギアは“停止”だから動かないぞ」


 おっさんがサイドブレーキの前方にあったレバーを示す。

 レバーの位置は“停止”にあった。下には“前進”、“後進”、“全自動”と表示がある。

 全自動じゃダメなのかと木村は真面目に考えた。


「……あの全自動は?」

「邪道だ。キィムラァ、自らの手と足、それに頭で動かさないとダメだぞ」

「あ、はい」


 木村はアクセルを踏む。

 踏み込んでみるが何の反応もない。


「エネルギーザンリョウゼロ。ホキュウシテカラソウサヲサイカイシテクダサイ」


 どうやらエネルギーがないらしい。

 ガソリンがない世界だ。この車は何をエネルギーにして動くのだろうか。


「ちょっと待つんだぞ」


 おっさんが助手席から出て行った。

 どうやらエネルギー源を取りに行くつもりらしい。

 おっさんが出て行くと、訓練室にいたキャラ達が車に近寄ってくる。

 興味深そうな様子でこれで何をするのか尋ねてきた。


「待たせたな。燃料を持ってきたぞ」


 おっさんが戻ってきた。

 見覚えのある薄紫色の髪を掴んで引きずっている。

 アコニトである。尻尾は危機を察したのかすでに彼女の尻にいない。

 彼女も意識を失っているのかピクリとも動かない。


 おっさんが慣れた手つきでボンネットを開け、アコニトをぞんざいに投げ入れた。

 ボンネットを閉めて、何事もなかったかのように助手席に座る。


「エネルギーは充填されているな」

「……うん」


 前方のパネルのゲージがどんどん上がってきている。

 やっていることは赤竜を激怒させた泡列車とほぼ同じだが、大丈夫なのだろうか。


「よし。アクセルを軽く踏んでみるんだぞ」


 木村はアクセルを踏む。

 ガソリン車ほど派手な音がしない。シャーという高い音が響いた。


「踏み込みすぎだな。もっと軽くでいいぞ。触れるくらいを意識するんだ」


 言われたとおり、体重を少しだけ乗せるくらいに力を入れた。

 先ほどよりも回転音が小さくなる。


「いいぞ。その状態を維持してみるんだ」


 その後もチュートリアルがおこなわれ、ついに動かすことになった。


「ブレーキを踏んだ状態で、ミッションを“停止”から“前進”に変更するんだ」


 木村はレバーを“前進”に切り替えた。

 ブレーキにやや力が加わったのがわかった。


「ブレーキから足を離してみろ」


 指示通り足をブレーキから離すと、車は移動を始める。

 ゆっくりだが前方に進み出した。周囲のキャラもどよめいている。


「アクセル踏んでないのに動くんだけど」

「そんなものだぞ。ハンドルを少しだけ左右に動かしてみろ」


 速度はゆっくりなのだが、動き始めると怖い。

 誰かに乗せてもらっていたときには、感じなかった恐怖が木村を襲う。


 ハンドルを傾けると移動方向が変わった。

 こちらもアクセルと同じだ。思ったよりも移動方向の変化が大きい。

 少しだけ動かせ、と言われた意味が体でわかってきた。

 ハンドルの動きを小さくするとおっさんも頷く。


 アクセルを踏む練習と止まる練習も続け、さっそく現地で走らせることになった。

 おっさんとヘルンは確定として、もう一人誰か人身御供が欲しい。


「あと一人誰か乗せるとしたら誰がいいかな」

「定員は四人だから無理だぞ」

「えっ……、あ、そうか」


 エネルギーのアコニトもカウントされているらしい。

 そうなるとこれが限界というわけだ。



 外でさっそく運転してみる。


 最初はスピードを出すのが怖かったが、慣れてくるとけっこう楽しい。

 ワイルドハントの行進に近づき、ヘルンが窓から身を乗り出してシャッターを切っている。


 クソリスだが、仕事に関しては全力である。

 カメラ目線を送ってくるワルキューレに「自然体で!」と叫んでいた。


「揺れがひどすぎますよ! もっとうまく運転できませんか!」


 ヘルンが叫んでいるが、木村としてはそんなことを叫ばれても困る。

 今日、初めてハンドルを握ったばかりだ。しかも道は舗装もされていない。岩がむき出しになっているところすらある。

 ひっくり返ってないだけありがたいと思って欲しい。


「後で車種を変更するんだぞ。タイヤにサス、フレームの剛性も弄った方が良いだろうな」


 横からそんなことを言われても、木村としては右から左だ。

 前を見て運転するのが精一杯である。


 よそ見運転が如何に危険かよくわかった。

 目を離したら一瞬で事故になってしまいそうだ。


「――む。キィムラァ。アクセルから足を離すんだ」

「はい」


 木村は素直に返事をしてアクセルから足を離した。

 その後で「ブレーキを踏むんだ」という声に従って、ブレーキを踏んでスピードを緩める。


「どうしたの?」

「燃料が目を覚ましたようだ」


 止まると声が聞こえてくる。

 くぐもった声だ。


「なんだぁ、ここはどこだぁ? 暗いぞぉ、どうなっとる?」


 ボンネットを叩く音が響いてくる。

 おっさんが助手席から降りてボンネットを開いた。

 景色をボンネットが遮って様子がわからない。


「まぶっ、なんだぁ中年。また、おぐっ――」


 鈍い音がして、静かになった。

 ボンネットがまた閉められて、おっさんが静かに助手席に座る。


「……え? あの? 燃料ってどういうことです? どうして人の声が?」


 ヘルンが今さらになって慌てている。

 ルームミラーで見る限り、木村とおっさんを交互に見ているがどちらも返答しない。


「ちょうどいいな。休憩も兼ねてカクレガに戻るぞ。車種の変更もするんだ」

「そうだね」


 木村はギアを“前進”に入れて、地面から開いたカクレガの入口にむかう。


「ねえ! 答えてください! どうしてエンジンルームに人が入ってるんです!」


 燃料だから、という言葉をぐっと木村は飲み込んだ。

 喋ると舌を噛みそうだし、カクレガの入口にぶつけないよう注意して運転をしなければならない。


 ぶつけることもなく、無事に車はカクレガに入った。



 木村は製造室で休憩をしている。


 おっさんがCP-T3を弄っていた。

 揺れの少ない良いやつに改良しようとしている。

 木村はよくわからないので、材料を預けて具体的な改造内容はおっさんに任せた。

 パソコン類の操作は基本おじいちゃん並なのに、こういうマニアックな改造はできるらしい。


「どうだ?」

「……ああ、うん、良いと思う。なんか大きくなった?」


 おっさんがCP-T3の新たな形を見せたのでとりあえず返事をする。

 木村としては一般車両が、戦地でも走るような車体に換わったことしかわからない。

 ジー○というのだったかな、と考えているが、道路で走っているのよりも車体が大きい気がする。

 クロスカントリー車らしく、タイヤも車高も高くなっている。


「運転は難しい?」

「そのあたりは弄っていないぞ。余計な機能も落としてあるからな。むしろ運転しやすくなっているはずだぞ」


 木村としてはありがたい話だ。



 休憩も終えて、さっそく現地で動かす。

 運転を終えた後は力が抜けたが、意外と楽しかったと感じる。


「おぉ、動くぞぉ!」

「すごいねぇ」


 おっさんの指示で、起動手順を確認しつつ再出発だ。

 ヘルンが異常に怖がっていたのと、木村もやや不憫に思えたのでアコニトを助手席に乗せた。

 木村としてはおっさんが隣にいて欲しかったのだが、彼が後ろにアコニトを置く危険性を嫌がった。

 後ろにいればいつでも首が絞められるからだろうと木村は判断する。

 ついでにケルピィもいる。


「おもしろいぞぉ。もっとスピードを上げんかぁ。飛ぶんだぁ!」

「大丈夫、これ。倒れない?」


 アコニトは楽しそうである。ケルピィはやや怖がっている。

 ルームミラーからちらりと見えるおっさんの腕がすでに上がっていて怖い。

 彼からは「もしも助手席で何かあっても平常通り運転しろ」と言われているが、初心者に要求することじゃない。

 とりあえず禁煙を絶対遵守するようにアコニトに伝えた。

 守らないと飛ぶのは彼女の意識になる。


「すごいですねぇ! 本気で持って帰りたいです!」


 ヘルンもご満悦だ。

 彼女はサンルーフから体を乗り出してカメラで撮影している。

 どうやら揺れ防止とサンルーフでの撮影用椅子をオプションで付けたようで“カゲルギ=テイルズ”でもないような豪華仕様だ。

 さらにおっさんが撮影の補助をしているので彼女は撮影を楽しんでいる。

 ときどき彼女から要求があり、車体の位置を変更する。


 先ほどの一般車両と比べればハンドルやアクセルの感覚が違うが、揺れは確かに減ったと感じる。

 車によってここまで変わるのかと木村も感動を覚えた。


「風が心地よいぞぉ。景色も良いなぁ」


 景色はさほど変化ないのだが、窓から入ってくる風は確かに心地が良い。

 おっさんがヘルンに付いているので、代わりにアコニトがときどき話しかけている。

 木村も安定性が増したことで安心感が増し、運転にもやや慣れて来たので、彼女の声に返答していた。


「もじゃもじゃ頭から聞いたぞぉ。坊やはあの色黒小娘と言い争いをしたようだなぁ」

「……言い争いってほどじゃないよ。ただ、ちょっとイライラしてたから」

「どうして苛ついておったぁ?」

「どうしてって……」


 いろいろ重なったためだろう。

 そこのクズリスの蛮行もあったのが大きい。


「儂もあのおぼこに会ったが、おもしろい娘だったぞぉ」

「えっ、カクレガであったの?」

「おぉ。夜にな。腹が減って外に出たんだろぉ。一緒に食堂で飯を食ったぞぉ」


 にわかには信じられない話だ。

 尻尾が家出中ならワンチャンあるだろうが、問題が一つ残る。


「カクレガなら、耳は隠してないよね」

「当然だぁ。なぜ隠す? 儂の自慢の耳だぞぉ。あのおぼこ、叫んでおったわぁ。『騙したな! この悪魔! 殺してやる!』となぁ。必死な姿がどうにも健気でなぁ。世間話が盛り上がったんだぁ」


 嘘だ。

 世間話で済むわけがない。

 おそらくロゥもその場にいただろう。

 彼の心労は計り知れない。木村ならすぐさまおっさんを呼ぶ。


「坊やはあの小娘が嫌いだろぉ。あやつの母も嫌っていたように見えたなぁ」

「まあ、そうだね……」


 当たりである。

 母子ともに木村はあの家系が好きになれない。


「それはな、同族嫌悪だぁ」

「同族嫌悪?」


 木村が考えていない語句が出てきた。

 アコニトを見るが、彼女は楽しそうに前方を見ており木村を見ていない。

 木村もすぐに前方へ視線を戻す。


「あの小娘は、坊やとよく似ておったぞ」

「……は? え、どこが?」


 その言葉にはさすがに疑問を呈さずにはいられない。

 まったく違うはずだ。ロゥと木村ならまだしも、カリーフと木村が似ているというのは聞き捨てならない。


「迷い続けているところだなぁ。自らに与えられた力。正しい道はどれか。自らの無力さ。そして、召喚した者との関係性。どれもそっくりではないかぁ? ん~?」


 徐々に顔を近づけているのか、声が耳元でしてくる。

 ずいぶんと楽しそうだ。


「おい、女狐。キィムラァの運転の邪魔をするなら、座席を前に移すぞ」


 おっさんがアコニトを窘める。

 エンジンルームを前の席と言って良いかの議論はおくが、木村としては言葉をかけてくれて助かった。

 視野が急激に狭くなったことを自覚していたところだ。


「似てるかなぁ?」


 アコニトは笑っている。似てないと木村は思う。

 木村は確かに自分に与えられた力が何かを考えることが多々ある。

 なぜこの異世界に来ることになったのかは、異世界で過ごすようになってテーマから外れたことはない。

 一方で、あのカリーフが、彼女自身に力があることを疑問にすることはあるのだろうか。

 他の項目についても同様だ。けっきょく彼女の気持ちがわからない。


「うーん。カリーフがどう思っているかわからないから、似ているのかどうかがわからないね」

「そのとおりだぁ。一度、膝を突き合わせて話をしてみろぉ。坊やは間違いなくあの小娘と相性が良いぞぉ」


 アコニトは上機嫌である。

 要するに話してみろと言いたかっただけではないか。


「ただ、家名をやたら強調するところは儂も好かんなぁ」

「そうなの?」


 カリーフの家名はエニアだっただろうか。

 日本人転生者は清水だったので名字が違うな、と今さら思った。

 現地人に清水さんが婿入りしたということなのか。それなら下の名前で知られていてもよさそうだ。


「でも、そうなると自分も一緒か。木村は名字だし」

「は?」


 アコニトがすごい真剣な疑問の声をあげた。

 彼女特有のけだるさを感じない鋭い声だ。珍しいので木村が隣をチラリとのぞき見ると彼女は首を九十度に折り曲げて木村を見つめていた。

 木村は彼女の顔と眼が怖くなり、無理矢理首を前方に戻す。


「おい坊や。キィムラァはうぬの名ではないんか? あ?」


 なんでキレ気味なのかわからない。

 こんなときだけ神らしく恐怖を示すのはやめて欲しい。


「木村は名字……家名だよ。下の名前は別にある――というか自分の国だと全員がそれぞれ下の名前を持ってたよ」

「贅沢だぁ」


 いや、贅沢言われても、というのが正直な木村の思いだ。そんなものだからとしか言いようがない。

 たしかにゲームのキャラで名字と名前を持つキャラはあまりいない気がした。

 覚えづらくなるというのがもっともな理由だろう。


「で?」

「……で?」

「名はなんだ?」

「言わないとダメ?」


 疑問の応酬である。

 木村としてはあまり名前を言いたくない。

 親の趣味が多分に含まれており、名乗るたびに名前負けを感じる。


「早く言えぇ。儂が儂であるうちになぁ」


 いったい何になるのか興味が湧いた。

 それよりもアコニトは後ろを気にした方が良いと思われる。

 すでにおっさんが臨戦態勢に入っていた。もしもアコニトが何かをすれば、あるいはしなくても殺されるのは彼女だろう。


 仕方ないか。

 木村は観念した。

 隣で殺し合いになって車が横転するよりマシだ。

 たかが名前でそんなことになれば、それこそ笑い話にもならない。


「木村――義生(よしき)だよ」


 両親がYosh○kiの大ファンだった。

 両親だけでなく、両親の祖父母も大ファンであり満場一致だという。

 いちおう「義を忘れることなく、生を謳歌して欲しい(元の名前となった人のように)」という願いが込められているようだが、理由付けは毎回微妙に変わるのであてにならない。


「……なんだぁ? 名を出すのを渋る割には蔑称も淫語もないぞぉ。良い名ではないかぁ、あれかぁ? 遠回しの自慢かぁ? んー?」


 怒っているような気がしてちらりと左を見るが、耳はピコピコと動いているので機嫌が悪いわけではなさそうだ。


「ヨォシキィかぁ」


 なにか違う。食材宅配サービスの会社名に近くなっている。

 正しておこうと思ったところで邪魔が入った。


「あ、あ、あーー! スクープが、キターーーー! 左側に移動して! はやくはやく!」


 ヘルンが騒ぎ立てた。

 足でおっさんを蹴っているが、おっさんはうまく足を捌いている。

 木村がちらりと左を見れば、ワイルドハントの左側前方に不穏な影が見えた。


「魔物?」

「おかしいねぇ。僕ですらアレに挑んだらダメだってわかるのに」


 かなり大型の魔物が数体いる。

 大きさだけならワルキューレ軍団にもひけを取らない。

 数では魔物側の圧倒的不利だろう。


「強いの?」

「大きさは強さでもあるぞ」


 おっさんのこの言い方は強くないときだ。

 弱いとは直接的に言わない。変な言い回しで煙に巻く。


「はやく! 左!」

「キィムラァ。スピードを落として、行進の後ろに回るんだ。前をいくんじゃないぞ」

「了解」


 言われたとおりスピードを落とす。

 ワイルドハントの行進の後ろにつき、その後で左に寄っていく。


 ワイルドハントの向きも魔物の方へと変わった。

 その後は先日と同じだ。ワルキューレが叫ぶだけで魔物は跡形もなくなってしまう。


 止まることもなく、そのままワイルドハントの行進は続いた。


「何だったんだろう?」

「わからんかぁ? 操られておったぞぉ」

「そうなの?」

「儂も似たようなことをするからなぁ」

「人形のようでしたね。魂というか熱が感じられませんでした」


 木村はよくわからない。

 残りの三人、ヘルンですら様子がおかしいとわかっている様子だ。


「あの魔物。前に似たようなのを見たことがあるんだよねぇ」


 ケルピィが一つの可能性を挙げた。


「どこで見られたんですか?」

「アルフェン平原。会戦に乱入してきた魔物とどことなく雰囲気が似てた。あのときは逃げるので精一杯だったからはっきりとは言えないけどね」


 それはつまり……どういうことなんだ? 

 木村は考えてみるのだが運転中は意識がまとまらない。


 持ち帰って考えてみることにした。



 写真も撮り終え、カクレガに戻る。


 ブリッジで地図を見ながら、ケルピィに言われたことを考える。

 考えてはいるが時間制限があった。モルモーやロゥ、それにカリーフを呼び出していた。


 彼女たちが来れば何らかの話が始まる。

 アルフェン会戦で現れた魔物と、似たような雰囲気の魔物がこのパルーデ教国でも確認された。


 さらにアコニト曰く魔物は操られているという。

 アルフェン会戦の魔物は誰かにおびき寄せられたという話だったはずだ。


 ようやく木村にもわかった。

 やはりパルーデ教国には魔物を操ることができる存在がいる。


 読みは正解だった。


 カリーフは人型に化けたモルモーを魔物と気づかず、話の入りは穏やかな調子だ。


「カリーフさんの姉、もしくは彼女の被召喚者なんですがねぇ。ひょっとして魔物を操れませんか?」

「……そんなわけないでしょう。馬鹿なことを言わないでください」


 ケルピィが単刀直入に尋ねた。

 カリーフは否定した。


 しかし、どう考えても嘘だとわかる。

 すごい動揺してる。カリーフは目を逸らして髪をくるくるといじり始めた。


「操れ■ようだぜ。おいらも前に会っ∠けど、なんか人っ@くないんだよな」

「あなたは黙っていなさい」

「人っぽくないって言うと?」


 カリーフは黙らせようとするが、ロゥは黙らない。

 正直に話してくれるようなので助かる。ただし、彼も全てを知っているわけではなさそうだ。


「な∈だろうなぁ。ダン≒ョンの人型¶ス? 姿は人ゞけど、何か違*って∬じる。∑礼だけどモル○ーさんと雰囲±が似⊆たかなぁ」

「本当に失礼です。彼女は人間でしょう。何を言っているのですか」


 彼女“は”ともう答えを言ってしまったようなものだ。

 しかも、気づいていない様子である。ロゥは彼女の失言に気づいたが黙っていた。


「いえいえ。私は気にしていませんからお気になさらず」


 モルモーが綺麗な顔でロゥの発言を許した。

 ロゥの発言に信憑性が増した。彼はモルモーの違和感に気づいている。

 きっと、その被召喚者は人じゃない。


「仮に、万が一ですよ。その被召喚者が人じゃなかったとして、問題になりますか?」

「いいえ。ワイルドハントは魔物も狩りますが、道から逸れて大人しくしているのならわざわざ狩りません」

「たとえば、その魔物が別の魔物をけしかけてきたとしたら?」

「道から逸れているなら何もしないでしょうね。特にワルキューレも走っているだけでは暇でしょうから、むしろ力を振るえて感謝するくらいでしょう」

「蛮族が!」

「まったくです」


 カリーフが叫んだ。

 これにはモルモーも深く賛同の意を示す。

 基本的に戦闘民族なので戦わないと死んじゃう病らしい。


「ただ、ワイルドハントの目的に該当すれば話は別です。――私の眼を見て」


 モルモーが席を立ち、カリーフの前に移動する。

 その後、腰を落として視線を合わせた。


「あなたの姉と彼女の呼び出しの応じ主は、戦争や病気を広げるようなことをしましたか? 闘争を引き起こしましたか?」

「し、していません。私は知りません」

「……そうですか。不躾な質問でした。お許しください」


 カリーフは「わかれば良いのです」と席を立った。

 モルモーが彼女の心を読んだ。読心術は彼女の得意技だ。


 カリーフとロゥが部屋から出て行き、ロゥだけが戻ってきた。

 木村とロゥがモルモーを見る。


「戦争を仕掛けたかどうかについて、彼女は何も知りませんでした。しかし、彼女の姉と応じ主が魔物を操る力を持っているのは間違いないようです。力を忌避されて、辺境に飛ばされているようですね。はっきり言いましょう。もしもケルピィやメッセの言われた事案を、彼女たちがやったなら――間違いなく狩りの対象になります。そして、それらは隠し通せません」


 遠回しの死刑宣告だった。


「ど★にかして止√られないもんかな?」


 モルモーは首を横に振った。

 ロゥも「そっか」と肩を落として、ブリッジを出て行った。


 木村は地図を見る。

 彼女がいるであろう地点はまだマップに現れていない。


 それも数日の話だろう。



 二日後に問題の都市、カラーブについた。


 西に大きく移動し、ハムポチョムキキ平野やデモナス地域にも近い。

 もしも魔物を捕らえるなら絶好の場所とも言える。


 あるいはそれを狙ってこの都市に移されたとも考えられる。

 カリーフは知らないようだが、母のサナが知らないわけがない。

 将来への布石とも考えられる。そうなると――。

 木村はここで考えることをやめた。

 暗い考えしか出てこない。



 カラーブの防衛戦力は少ない。

 都市の真ん前だけに戦力を置き、周囲には展開していない。


 ここだけ見れば良いことだ。

 ワイルドハントの行進が、ここ数日の例に従い都市を逸れるなら被害はゼロである。

 きちんと身の程をわきまえ、覆らない戦力差を承知している。


「止まりましたね。休憩です」


 ワイルドハントの行進は、たびたび休憩する。

 木村は時間を計っている。だいたい二時間に一度十分ほど小休憩を取る。


 今は休憩時刻から外れている。

 木村は外れている時の記録も残していた。

 時刻が外れているときは、多くの場合でその後に戦闘が起きている。


「行きましょう」


 木村たちは席を立った。

 今回はロゥも一緒に付いてくることになった。



 車でワイルドハントの近くまで移動する。

 近づいても文句は言われない。それどころか誰も気に留めない。


 実は昨夜、明日の行進に密着取材させて欲しいとヘルンが頼んでいた。

 こうなることを予期しての発言なので良いことではない。

 止められるわけでもなく止めようともしていない。


 彼女はただ近くで撮りたいだけだ。

 木村はどうなのかわからない。止められないとはわかっている。

 止めるのを諦めても良いものかを疑問に思う自分がいることを木村は自覚していた。


「すま#ぇ!」

「えっ?」


 ワイルドハントの老人の近くに来たところで、ロゥが車から飛び降りた。

 そうして老人のところまで走って行く。

 木村はその光景を唖然と見つめた。


 スクルドがロゥに気づき、道を遮ろうとしたが老人が声をかけてすぐに開けた。

 老人とロゥが向かい合った。


「サ¢ィフとその被∵喚者を殺仝のか?」

「いかにも、殺すことになる」


 老人は答えた。

 答えは短く簡潔だ。


「そい∞は覆らな♪ものか♀?」

「ならんな。そやつらの行いを儂は見た。そやつらを生かしておいては、数多の命が失われる」

「おい∧が! おいらが彼女⊆ちを説◎する! おいらの命≠ってくれ〃やるから! だか▽!」

「ならん。すでにそやつらの行いで35921名の命が失われた。家族を入れればさらに増える。生かしておくことは法に背く」

「そ♭は――」


 ロゥの言葉が詰まった。

 老人が囁く。


(テイワズ)


「此度のワイルドハントはᛏのルーンで誓われておる。ワイルドハントの厳正なる法と秩序に則る、とな」


 残念ながらロゥの直訴は退けられた。

 しかし、木村は彼の勇気を評価したい。

 それは老人も同じだったようである。


「だが――、偽りの心なく、真に咎人らの救済を願い、儂に談判したその行動には聞き入れるべき点はあろう。いかん?」

「彼に力を見ました」


 スクルドが一言だけ告げた。

 老人も頷く。そして、囁いた。


(ウルズ)


「お主にᚢの力を垣間見た。意志から形を創り出す力だ。儂らのᛏには及ばんが、儂の主張だけは今回だけ曲げるとしよう」


 老人が顔を上げた。

 そして、静かに告げる。


(ラグズ)


「此度の断罪は抵抗する一切を無視せよ。咎人の処理の一切はスクルドにおこなわせる。それでは貴公ら――行進を再開するぞ」


 老人が言い終わると同時に全員が立ち上がった。

 ロゥの横を神々が通り抜けていく。



 おっさんに頼み、ロゥを車に引き入れた。


 そして彼らの後を追う。


 今回の行進は粛々としている。

 ワルキューレ達の大合唱は聞こえない。

 無数の足音だけが、まっすぐ都市カラーブにむかう。


 防衛していた兵士達は狼狽し、あちこちに逃げ惑った。

 門を閉じようとするが、そこはワルキューレ自慢の力で門はあっさりこじ開けられた。


 車で彼らの後を追う。

 どうやら車も行進の一部とみられたのか攻撃されない。


 道に高低差がないのはありがたい。

 広い道を車に乗って、ひっそり彼らの後をつけた。



 一番奥の宮殿前で神達は止まった。


 広場と言うより修練場のようだが、神々全員が入るにはちと狭い。

 宮殿もどちらかと言えば要塞寄りだ。対魔物を想定しているようだが、対ワルキューレは想定していないと見える。


 要塞から人が二人やってきた。

 さらにその後ろから魔物が続いて出てくる。


 両手を挙げて、腕に白い布を巻いている。

 おそらく降伏の印と木村は判断した。正しい。


 二人は「どんな要求にも従うので命は助けて欲しい」と懇願した。


 その二人と魔物の前にスクルドが歩み出る。


(ナウシズ)


 囁きとともにスクルドが剣に手をかけた。

 サウィフとその隣の人物、さらに後ろの魔物、周囲で戸惑っていた人たちが淡い光を灯した。


「えっ、何これ?」


 よく見ればワルキューレや老人、さらにはおっさん、ロゥにも色とりどりの光がともっている。

 CP-T3やケルピィにすら光が灯る中、唯一、木村にだけ光は灯されていない。


(ペースロー)


 スクルドが剣を抜く。

 剣にはルーンと思われる文字が記されている。


 ちゃっかりヘルンが前に出て、カメラのシャッターを切り続ける。

 この場面で動けるのはある意味すごいと木村も感心した。

 本当に彼女のプロ意識には驚かされる。

 良くも悪くもだが。


 剣が抜かれると、各人から出ていた淡い光がそれぞれ上に伸びて行く。

 一本の線のように伸び、何度も枝分かれしていった。

 線が途中で止まる人やどこまでも伸びる人がいる。

 まるで上下逆さの樹形図だった。


「――スクルドが責務を果たす」


 短い台詞でただ一振り。

 木村にはただ空を剣で斬っただけに見えた。


 正面に立っていた二人が倒れた。

 周囲からもバタバタと倒れるような音が聞こえてくる。

 魔物も大きな音を立てて倒れた。その倒れた人たちを見て悲鳴を上げる声も聞こえた。


 倒れた二人から出ていた光の樹形図が根元から切られていた。

 倒れていない人はそのままだが、倒れた人間は全て、灯りが人から出た直後で裁断されている。


 まるで――そう、木村は思った。

 無数に伸びる彼らの未来を根元から断ち切ったようだ、と。


 スクルドが剣を鞘に納めると彼らはすぐさま立ち去った。

 ヘルンが彼らと倒れている人たちを撮影し、木村たちも彼らの後を追い、逃げるようにその場から離れた。




 木村はハンドルを握り、アクセルを無心に踏む。


 木村は何度もルームミラーを見た。

 ロゥの頭で隠れて、後ろがよく見えない。


 後ろから何かが車を追っている気がする。


 錯覚だとは思う。

 鏡にはやはり何も映らない。


 四人姉妹の二人が殺された。

 残りは二人。母も入れれば三人。


 悪い予感が頭を離れない。


 全員、死んでもかまわないと思っていた。

 今も思っている。


 それなのになぜだろう。

 どうにかして助けられないかという真逆の思いも湧いてくる。




 ワイルドハントは続く、まだ終わりは見えてこない。


おまけ

ルーンミッション達成状況(兼 筆者の備忘録)

16/24

(最終変更:9/22)


01.ᚠ フェイフー F

「ワルキューレ全員に刻まれる。彼女たち固有の力を引き出す」


02.ᚢ ウルズ U

「ロゥに垣間見られた。意志から形を創り出す力。それは犠牲を払ってでも形を守る願望でもある」


03.ᚦ スリサズ TH

「エイルの双刃刀に刻まれる。彼女は火と水の嵐をもたらした。洗濯は彼女の得意分野である」


04.ᚨ アンスズ A


05.ᚱ ライドー R

「ワルキューレ全員に刻まれる。強靱な乗り手と馬体を結合させる」


06.ᚲ ケイナズ K

「スコグルの武具に刻まれた。武器を創造し、烈火の如く攻めいるが彼女の武器レパートリーは少ない」


07.ᚷ ゲーボ G

「あなたはこのルーンの意味をいずれ知るときが来る」


08.ᚹ ウンジョー W


09.ᚺ ハガラズ H


10.ᛁ イーサ I


11.ᛃ ヤラ J

「ゴンドゥルの杖に刻まれる。農耕が得意な彼女だが、特に一番得意なのは収穫である」


12.ᚾ ナウシズ N

「運命の女神は顕現させる。世界の遍く物事に、“存在する力”を」


13.ᛇ エイワズ EI


14.ᛈ ペースロー P

「運命の女神の象徴。未来は、枝分かれを前にする潜在的な可能性の塊である。故に彼女は根元から切り取る」


15.ᛉ エルハズ Z

「全てのワルキューレに刻まれる。人と霊をつなぎ止める彼女たちのシンボルである」


16.ᛊ ソウィロー S

「グンの大盾に刻まれる。盾を持った彼女は他のワルキューレの支えでもある。相談があれば彼女まで」


17.ᛏ テイワズ T

「ワイルドハント全員に囁かれた。厳正なる法と秩序に則り、彼らは此度の行進をおこなう」


18.ᛒ ベルカノ B


19.ᛖ エワズ E


20.ᛗ マンナズ M

「オーディンは姿を変えるためにこのルーンを用いた。姿は変われどオーディンはオーディンである」


21.ᛚ ラグズ L

「ワイルドハント全員に囁かれた。彼らは悪しき魂を死の世界へ導く」


22.ᛜ イングワズ NG

「あなたは循環の内側にいる。理から外れた除け者である。外からの脅威も理が守ってくれるだろう」


23.ᛟ オシラ O


24.ᛞ ダガズ D

「ゲイルスコグルの槍に刻まれる。光と暗闇の狭間に彼女はいる。人に彼女の光は眩しすぎる」

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