114.イベント「私のカツラを知らないか?」16
木村たちは空からグランドを探す。
「お、あの人間はまだ生きてたね」
すぐに見つかった。
グランドはなんと五体の鶏を相手取っていた。
戦いにはなっていない。もしも戦闘になればグランドは瞬殺である。
最初に出現する十体の鶏は敵対しない人間を襲わない。
敵対判定は攻撃してくる相手であり、攻撃しようとした人間も含まれる。
その中で攻撃の優先順位は脅威度の高い順だ。
これを利用してグランドは鶏を攻撃する素振りをして、すぐに解除することで鶏を引きつけたまま移動をおこなっていた。
彼の手に持った創竜製の折れた剣が、鶏からの彼の脅威度を飛躍的に高めた。
しかし、剣を見て木村は疑問を抱く。
「あの伝説の剣は事象の巻き戻しの影響を受けないんですか?」
「そりゃ、伝説の切れ味を持たせてるからね。事象の巻き戻しくらいなら切り捨てるよ」
説明になっているようでなっていない。
木村はそんなヘンテコな説明があるのかと首を捻る。
もっと言えば、今の鶏は伝説の剣で斬れないらしいので事象の巻き戻しよりも厄介な存在ということである。
鶏が産み落とした卵から現れるモンスターは街を襲うとは伝えている。
災厄の卵を産む鶏を住宅エリアから引き離すことにグランドは成功した。倒すことはできないと言えどその活躍は大きい。
問題は引き離した鶏と卵の処理をどうするかである。
「さあ、くーちゃん。彼に氣の使い方を教えてあげてよ」
おっさんは無視。
グランドの行動を見ている。
木村は今さらながら彼の足跡に気づいた。
赤い足跡が地面に残っている。彼の歩く様子もどこかおかしい。
木村は空からグランドに声をかけた。
「グランドさん。大丈夫ですか?」
「自分は大丈夫であります。どうか他の魔物の処理を優先していただきたい」
グランドが木村に言葉を返した。
素人の木村から見てもグランドは大丈夫ではない。
服が破れ血が出ている。足も引きずっていた。元気なのは声だけだ。
その元気な声も痛みや恐怖を払うための強がりに聞こえてしまう有り様である。
間違いなく鶏から一撃は食らっている。
やっていることが綱渡りとは思っていたが、もう一撃食らえば間違いなく鶏化だ。
一撃を耐えたということが十分に驚異と言える。
「氣の使い手は頑丈だからね。僕も過去に検体にいろいろやったけど壊れなかったから」
さらっと非人道的な問題発言を創竜はこぼした。
そんなことをするから赤竜に消し飛ばされる寸前にされたのだ。
「引きつけは十分です。迎えを寄こしますからもう退いてください!」
「退いたら駄目だよ! 氣の使い方を見せてもらわないと!」
氣のチュートリアルどころではない。
グランドはすぐに回収するか、もういっそ鶏化させた方が良さそうな状態である。
「それはできません」
木村の提案は即座に拒否される。
グランドはケガを気にすることもなく、剣をあげたり下ろしたりで鶏のターゲットを取りつつ市街地から離れるように進む。
「どうしてですか?」
「自分はドライゲンの兵士であります。この身はドライゲンの市民に捧げているものであり、都の脅威に剣を向け、市民を盾で守ることこそが自分の役割。ここで退けば兵士の務めはかないません」
木村も映画やアニメでこういった台詞を聞いたが、直に聞くのは初めてだった。
過去に聞いた時は、冷笑的に「格好付けている」とか「はいはい、それっぽい台詞だね」と感じていたが今は感じ方が違う。
木村の感じ方の違いは彼自身が、異世界で負ったケガの痛みを知ったことや大切に思えるモノを得たこと、そしてそれを守りたかったが守れなかった無力さを感じたことによる。
グランドが彼の守りたいモノのために、己の責務を果たそうとしている気持ちは木村も理解はできる。
木村も同様に実行できるかはまた別の話だ。
「ミドリンがああいうの大好きだよね。責務とか役割とかさ。もしもここにいたらあの人間に加護をあげてたんじゃないかな」
「だろうな」
創竜が表情もなくグランドを見ている。
彼のしている行動が何と呼ばれるかは理解しているが、実行する気持ちはまったくわかっていない。
「それでくーちゃんとしては、あれはどうなの。コミュニティを大切にしているだかの判定は?」
おっさんは目を瞑り、鼻息を一つ噴き出した。
諦めているようにも見える。
「少し離れるぞ」
おっさんが声をかけて飛龍から飛び降りた。
飛龍を操っていた兵士は当然驚くが、木村も驚いている。
地上に何事もないかのように着地してさらに驚きが増してしまう。
もしもキャラが同じ事をしたら、高高度からの着地による防御無視ダメージで死ぬ。
「チュートリアルだ」
おっさんがグランドの背後に立った。
グランドの両肩におっさんが手をポンと手を乗せる。
「動くんじゃないぞ」
グランドが動きを止めた。
木村にはわかる。あれはグランドが自らの意志で止まったのではなく、おっさんが謎の力で動きを止めているだけだと。
あの謎の力こそが氣なのかと木村も理解が経験に追いついた。
「剣を捨てて力を抜け。目をゆっくり閉じるんだぞ」
グランドの手から伝説の折れた剣が落ちた。
地面にサクリと、抵抗もなく柄まで突き刺さったのを見て木村も切れ味がおかしすぎると改めて感じた。
グランドの手から剣が落ちて、鶏たちもグランドを脅威ゼロとみなしたのか思い思いの動きを始める。
「お前の大切なモノを思い浮かべるんだぞ。一つ一つ丁寧に細やかに描き出すんだ。彼らを守りたいという気持ちを持つんだ」
グランドの閉じられた目と口が引き締まった。
木村も彼がまさに今、彼の守ろうとしたものを想像したとわかった。
「守りたい気持ちは一方通行では駄目だ。お前が彼らを守ると同時に、お前もまた彼らの存在によって守られていることを自覚するんだぞ」
グランドが何かに気づいたというように目を開いた。
口もわずかに開いたままで、自らの両手をぼんやりと見ている。
木村も上から見ているが、グランドの変化よりも鶏の変化の方が明確だった。
それぞれがランダムな動きをしていたが、全頭がグランドへと体を向け、コケッコケッと首を前後に振りつつ動いていく。
「お前には力が宿っている。だが、わかるな。その力がお前だけの力ではないということを」
グランドの手がぼんやりと光っていた。
宝箱の結晶よりもなお朧気な光で、日射しにかき消されてほとんど見えないほどである。
「よし、いいぞ。撃ち放つんだぞ。その拳こそがお前たちの力だ」
近づいてきた鶏の群れにグランドが拳を突き出した。
一匹目の鶏はその拳が直に当たった。
木村はグランドの手か腕が折れると考えていた。
氣とやらも手がぼんやり光るくらいなので使い物にならないと判断してしまっていた。
結果は真逆である。
鶏の首にグランドの拳がめり込んでいる。
腕の長さが足りないため貫通には届かないが致命傷には間違いない。
グランドが腕を振るうと鶏から腕が抜かれ、次の鶏たちも機械的にグランドを襲っていく。
鶏に恐怖心がないのは間違いない。次から次へと鶏の体が拳でえぐり取られ、五体の鶏の屍ができあがってしまう。
まるで鶏の解体作業のようである。あまりにも一方的な結果だ。
「……強すぎない?」
木村も終わってからようやく声が出た。
危険がなくなったため飛龍も地上に降りて揺れがなくなっている。
彼なりに結果を吟味する。
力は力で間違いない。それも異常な力だ。
フルゴウルやウィルの使う魔法的な煌びやかさは欠片もない。
リコリスや黒竜の見せた息を呑むほどの戦闘技術もやはりグランドのモノにはなかった。
殴って抉ってなぎ倒す。技と呼ぶのもおこがましいほどの力業である。
おっさんがグランドに話しかけていた内容は少年漫画もかくやの語り口だった。
気持ちがどうのこうの、大切なモノがどうこう、守りたいモノを意識しろからの展開は不思議で優しい光――と思わせてからの青年誌かよと突っ込みたくなるほどのグロ抹殺である。
結果だけ見ればスーパーマンかと思うほどの力を発揮した。いちおうみんなの力が源泉でもありそうである。
まるで――、
「ヒーローだ」
力の振るわれる姿に目をつむればだが……。
市民を守るために、秘められた力を発揮する一般兵士。悪くない。
「うん。なるほどね」
創竜もうんうんと頷いている。
表情は晴れやかで満足そうである。全てを理解した顔であった。
「どういう力かわかったんですか?」
「うん。僕でも時間をかければ創れそうだね」
創竜も大概チートではないかと木村は思う。
何でもかんでも創ることができるなら、あらゆるものを創ってしまえば負けはなくなる。
「創りたいものリストからは消すことにしたよ」
「なぜです? 創らないんですか?」
「嗜好が違うんだよね。君は氣を使った彼を『ヒーロー』と称した。なるほど君の発言は僕もわからないことはないよ。一人がコミュニティを思い、自らもまたコミュニティの一部として力を引き出し闘う姿をそう呼ぶ君の気持ちはね。でもね。それは僕の思い描くヒーロー像じゃあないんだよねー」
創竜が違うんだよなと首を横に振った。
木村が尋ねることもなく、勝手にペラペラ独白を続ける。
木村としてはもう創竜の意見は興味がない。力の解説だけしてほしいところである。
「僕の思い描くヒーローってのはどこまでも孤独なんだ。圧倒的な力を得て、周囲からは孤立し、それにかまわず自らの信念に従って力を振るう。ヒーローって呼ばれるのはその力の矛先がたまたまコミュニティから見て敵だったという場合に限定されるね。一歩間違えればその力が自らに返ってきたことを怖れる人々、結果だけを見て讃える人々、そんな彼らを頭の隅にも留めず、ただただ己とその意志があり力を振るう。それが僕の思い描くヒーローだよ。みんなを思い思われることが前提にある力ってのはどうにも僕の趣味じゃないんだよね」
木村の返答は「はぁ、そうですか」とどうでもよさそうである。
実際にどうでも良い。「だから何なの?」という言葉はこういう時に発すると効果抜群なのだが決別は免れない。
肝心のグランドは頭がふらついていた。
鼻血がだばだばと、蓋の開いたトマトジュース並にこぼれている。
「えっ、大丈夫ですか?」
返答がない。
まったく大丈夫じゃなかった。
返事ができるうちは大丈夫ということを木村はようやく学習した。
グランドの目はどこか遠くを見ており焦点があってない。
おっさんがグランドの頭を軽く左右に回していたが、目も頭の動く方に移動していた。
木村は気づいていないがグランドに意識障害が見られた。意識が正常であれば眼球は頭が動いた方と反対側へ動く。人形の目とも呼ばれる現象だ。
「一度に引き出しすぎたな。絶対安静だぞ」
おっさんがそっとグランドを地面に横たわらせ、上半身だけを起こさせる。
またもやグランドの背後に回り、チュートリアルの最初のように彼の両肩に手を乗せた。
「喝っ!」
おっさん得意の大声を響かせた。
絶対安静とは何だったのかと木村はおっさんを見た。
声にあてられたのかグランドの意識が戻っている。回復手段すらも力業である。
意識は戻ったが、力が入らないようでそのまま寝かされた。
「おみごとでした」
木村が声をかけたがグランドは声が出せず口をかろうじて動かす。
聞き取れないし、唇を読み取ることもできないが、グランドの言わんとしていることを木村は理解できた気がした。
ちなみにこの勝手な理解は完全に間違っている。
木村は「後は任せた」と考えていたが、グランドが言おうとしたのは「まだやれる」が正解である。
「少し休んでいてください。後のことはお任せください」
グランドは手を動かそうとしたが動かせず、意識も遠くなり目を瞑った。
パーティーから一人が脱落した。
悪い報告というものは続けてくることが多い。今回もそうだ。
『伝令――「竜人がカラダン地区で鶏化しました。鶏を三体、卵を二つ撃破したようです。残りは鶏が二、卵が二です」』
もしも他のキャラであれば感情に揺さぶられただろうが、竜人だったため木村は情報を客観的に見ることができた。
竜人も仕事はしてくれたようである。残りの敵は片手で数えられる。
「鶏化した竜人は交代できるの?」
「できるぞ」
「アコニトは交代できる?」
「……まだ復活していないな」
「ああ、もう!」
木村の声に感情が出た。
あのアコニトは使いたい時に限って使えない。
どうでも良い時はすぐに復活するくせに、肝心な時は果てしなく遅い。
「残りの二体の鶏の位置は?」
『カラダン地区になります。竜人に引き寄せられたようです』
竜人が鶏に脅威として狙われたからだと木村も推測できた。
アコニトの復活はおそらくもう少しのはずである。
まとめて倒したい。離れられるとまずい。
「……鶏になった竜人とボローを交代で」
「良いのか?」
「うん」
「わかったぞ」
木村としても苦渋の決断である。
もしもボローが鶏化して、ゲームオーバーになったらずっと鶏のままもあり得る。
しかしながら、現状の控えメンバーであの鶏二体を相手取って、時間をそれなりに稼げる存在が他に思い浮かばない。
木村たちは飛龍に乗った。
今回の戦いの最後の地になるであろうカラダン地区に飛ぶ。
カラダン地区には鶏がいた。
大きいのが二匹と小さいのが十数匹歩いている。竜人と兵士たちの末路だ。
カクレガの入口が開き、ボローが姿を現す。
交代させようとしたところで問題が生じる。
地面を歩いている鶏のどれが竜人が鶏化したものかがわからない。
鶏化すると人の時の意志は消えるようで、本物の鶏のような挙動を見せる。
「おっ、あれだぞ」
おっさんがすたすた歩き、一匹を捕まえてカクレガに投げ入れた。
どうやってわかったのかが木村は気になった。これも氣というやつの力なのか。
尋ねたいがすぐに交代なのでまたの機会に聞くことにした。
「ボロー。いつも悪いけど鶏二体を引きつけて時間稼ぎをお願い」
ボローは小さく頷いた。
無言だが仕事はきっちりこなしてくれる。
思えばボローをイベント戦で出すのは久しぶりである。
最近はタンク無しで闘うことが多い。タンクが一瞬で溶ける相手が多すぎるのが悪い。
しかも出したとしても、今回のように勝ち目のないただの時間稼ぎ役だ。
「無理はしないでね」とは言えなかった。
この戦況で出すこと自体がすでに無理と呼べる。
ボローが近くにいた鶏を挑発する。
挑発耐性はまったく付いていないようで、鶏はあっさり挑発に乗りボローを追いかける。
ボローはもう一匹の鶏に走って行く。足が遅くすぐに鶏につつかれた。
防御スキルを使っており、派手に飛んだがダメージは少ない。
むしろつつかれることを目的としていた。つつかれて飛んだ先には二匹目の鶏がいる。走るよりも速く距離を詰めることができる。
二匹に挟まれたところでボローがまた挑発スキルを発動させた。
今度の挑発はもう一匹にもかかり、二匹がボローを左右から攻撃する。
ボローは攻撃手段がない。ひたすら攻撃に耐えるだけだ。ダメージを減らすように転がったり、わざとらしく飛んで時間を稼いでいる。
彼の一方的にやられる姿を見ていると木村は悔しくなる。
ここまであの鶏に攻撃されて耐える存在が他にいるだろうか。
ボローはその性能を誇るべきであるのに、地べたで攻撃をただ凌ぐのみだ。
「創竜さん。何か攻撃のできるアイテムか、時間の稼……え、何やってるんですか?」
木村が創竜にヘルプの声をかけようと彼を見れば、彼は地面で作業をしていた。
植木鉢のような器に、汚い袋から砂を移していた。
砂を入れ終わると鉢に蓋をする。
「これで、よしっと」
鉢の側面の下側に付いていた栓を抜いた。
抜いた穴からサラサラと砂が出てくる。
「できたできた」
何が起きたのか木村はわかった。
ボローのやられていた音が急に消えた。
それどころか鶏やボロー、周囲にいた小さな鶏が止まっている。
「時間を止めたんですか?」
「いいやー。時間を止めるのは僕には難しいって言ったでしょ。事象を止めてるだけ」
似たようなものである。
解説はそれで終わり、創竜はボローに歩いていく。
二匹の鶏に襲われ、地面を転がっていたボローを近くで興味深げに観察していた。
「どうしたんですか?」
木村も気になって創竜を追って声をかけた。
返事はない。創竜は角度を変えてボローを見ている。ときどき触ってもいた。
木村も学習しており、今は声をかけても無駄と判断し、距離を取って創竜の観察を観察していた。
SNSでたまに見る、撮影する人を撮影する人を思い出した。
当時は何が面白いのかわからなかった。やはり異世界に来ても何が面白いのかわからない。
「すごいよ! 驚いた!」
創竜が目の覚めたような顔で植木鉢のところに戻ってくる。
うんうんと頷いて、その後で首も捻る。
とにかく驚いているようだ。
「傑作中の傑作だね」
もちろんボローのことである。
思いがけない評価に、木村は自分のことのように嬉しくなった。
彼の防御力や心の在り方はカクレガの大半が口にせずとも評価しているが、外の存在に手放しで評価されたのは初めてだ。
「あの子すごいよ! 僕もあそこまでのは創れたことがない! 創った奴はぶっ飛んでる!」
べた褒めである。
ただ、最後の一言が木村の気にかかった。
防御力なら鶏の方が上なので、創竜の言う傑作とはボローの心の部分と木村は推察している。
「傑作というのはボローの心のことですよね。創った奴がぶっ飛んでいるというのは?」
「いいかい。そもそも論としてだよ。――まともな頭の構造をしてる奴は心を創ろうと思わないんだ。でもね、創られた頭の構造がいかれてると心は創れても、心はまともではありえない。生物が親の情報を子に引き継ぐように、創作も創り手の情報を作品に残すからね。あの子の心は僕の目から見てまともだった。まともすぎる。おかしいよね。あの子から創造主に遡ると創った人もまともってことになる。でも、見てればわかる。あの子はまともな心を創ろうとして創られた成功した創作だって。矛盾した存在だよ。創った奴は正常な狂人だ」
心を創ろうとしない人種が正常な心を創ったという矛盾。
またしても木村は聞かなきゃ良かったと後悔する。創竜の解説は木村の心を苛ませるばかりだ。
いったいどんな存在がボローを創ったのか木村も怖くなってくる。イベントでひょっこり姿を現したりしないだろうか。
「キィムラァ。女狐が復活したぞ」
「すぐにボローと交代で」
「わかったぞ」
ちょうど事象も動き出した。
止まったのが時ではなく事象だったことが時間稼ぎの面では良かった。
鶏がボローをまたしても襲う。木村ができることはもう少しだけボローが耐え忍ぶ姿を見守るだけであった。
カクレガの入口が開き、禿げたケモ耳が現れる。
相変わらずやる気は見えない。
これに救われる都もどうなんだろうと木村はやや暗い気持ちになる。
アコニトも木村のそんな心中を鋭く察し、目をピクピクと痙攣させて怒ってみせている。
交代時点から最悪な出だしだが、とにかくカクレガの最後の戦闘キャラが出た。
泣いても笑ってもドライゲンの未来は禿げ狐にかかっている。
長い戦いもようやく終わりが見えてきた。
ただし、その結果はまだ明暗如何とも言いがたいのである。




