110.イベント「私のカツラを知らないか?」13
討滅クエストⅡも最終日である。
ウィル、フルゴウル、モルモーの固定メンバーに助っ人のラケシスが加わっている。
最初の三戦が無事に終了して、特殊イベント戦が開始された。
「……えっと、ラケシス神は戦ってくれたりしないんですか」
ラケシスの戦闘情報を集めたかったが彼女はまったく戦わない。
最終的に彼女と戦う可能性もあるので、木村としては彼女の戦闘スタイルを見ておきたかった。
しかし彼女は、ウィルやフルゴウルといった魔法使いよりもなお後ろに控えて、木村やおっさんとほぼ同位置から戦闘を見ているだけだ。
「すでに私たちが勝利する運命を決定づけました」
ずるいと木村は思った。
そんなの何でもありじゃないか、と。
「でも、僕が近くにいたらその運命が変わる可能性があるのでは?」
「『敵に負けて、この都市を滅亡しても良い』と木村くんは考えているのですか?」
「いや、まさか……。そんなことはまったく考えてないですよ。今日も被害なく終わるつもりです」
「ならば、勝利は必然。私はすでに役割を果たしています」
澄ました顔で告げる。
言葉どおり、残りの三人と兵士たちだけでも問題はなさそうである。
「運命が決められるなら、イベントをそもそもなくすとかはできないんですか? もうやめて欲しいんですけど」
「木村くんは神の力を過大評価しています。私たちは生じた『事象』を解析したり、ねじ曲げることはできますが、『事象』の発生を抑えることはできません」
女神の眉間に皺が寄り、苛つきが生じた。
表情が明確に変わったのを木村は見た。
彼女が感情を顔に出したのは初めてだ。
木村も彼女の苛つきがおおよそ理解できる。
彼女が言う事象とはイベントのことであろう。本来は自分たちが事象を起こして人をコントロールする側であるのに、事象を抑えられずコントロールされているという不愉快さによるものだ、と。
この女神どもがイベントを起こしていたと木村は半ば信じていたのだがそうではないようだ。
運営は女神たちよりも、さらに上の位置にいて、ソシャゲらしくイベントを開催しているようである。
女神はそのイベントに乗っかかって悪さをしていた。どちらにしてもタチが悪い。
ここでふと木村の中に疑問が生じた。
神は運営のイベントに干渉することはできない。
木村の力も神からの干渉をほぼ受けず、逆に与える側である。
「……そうすると僕をここに連れてきたのはあなた方ではない?」
「違いますね。事象によるものと私たちは考えています」
運命の女神たちの上に運営がいるのならば、彼らが木村をここに連れてきたのか。
木村が目覚めた時におっさんがいて、チュートリアルもしているくらいので関係者に違いない。
だが、おっさんはまったくそのあたりを話さない。彼の正体から探るに、この世界の竜と繋がりのある神が怪しい。
「この世界の竜は、カゲルギ=テイルズにもいるんですか?」
「いません。私たちの世界に存在していた竜は討滅クエストで現れたものです。こちらの世界の竜とは別物になります」
「カゲルギ=テイルズに神がいるように、この世界にも神がいるんでしょうか?」
「この世界に神はいません。強いて言うならば、この世界の竜が神に近いと言えます。しかし、私たちとは存在形態が異なります。この世界には私たちが入り込む余地があるのです」
女神の話が木村にはよくわからない。
彼の価値観では、神は世界にいっぱいいる認識だ。
過去に、冥府の導き手も女神と似たようなことを言っていたことを彼は思い出した。
『上司は二人も要らないから片方に消えてもらった』だったか。神の席にも限りがあるかもしれない。
あれやこれやを女神と話しているうちに、特殊イベント戦も最終段階になった。
黒鶏が白卵を温めている状態である。
「出番が来たので失礼」
モルモーが昨日と同じように手を大量に生やして、黒鶏を持ち上げる。
抜けた黒羽根を木村がもって白卵にくっつけた。
卵が割れて白鶏が出てくる。
攻撃を仕掛けなければ動かないのだが、攻撃の意志を見せると凄まじい速さで動く。
昨日はウィルとフルゴウルが道を塞ごうとしたがズレが生じて失敗し、リコリスの働きによって倒すことができた。
今日はモルモーや兵士たちも合わせての同時展開を考えている。
狭いところでは逃げ道も多いため、外側から順繰りにルートを潰して逃げ道をなくす作戦だ。
最初のチビ白鶏のときよりも、空間的に大規模な魔法の行使となる。
「今回の事象の名称をご存じですか?」
作戦中にラケシスが話しかけてきた。
すでに成功が決まっているためか木村も緊張感が欠けている。
成功するかどうかわからないから、必死になれるのであって勝利確定では張り合いがない。
なくて良いような張り合いなのだが、爽快感も義務感も失われ、やる意義すら感じられなくなってしまう。
「事象の名称?」
女神の言う事象というのがイベントということは木村も理解している。
なぜそんなことを尋ねるのだろうかと思いつつも答える。
「討滅クエストⅡではないのですか? ……ボーナスステージ?」
「ボーナスステージの個別具体的な名称です。内部情報としては『鶏が先か、卵が先か』という題が入っています」
聞いたことのある題名だった。
どちらか一方がいないともう一方が誕生しないというジレンマの問題である。
鶏がいなければ鶏の卵は存在せず、鶏の卵がなければ鶏は存在しない。最初に生じたのはどっち?
「今回だと鶏になるんですかね。最初に鶏が出てから卵が出ますし」
「果たしてそうでしょうか? 最初の鶏が出現する瞬間を木村くんは見ましたか?」
「……いえ。見てないですね」
出現とともに鶏の鳴き声は聞こえるが、鶏が出現する瞬間を誰も見ていない。
兵士たちも鳴き声を聞いてから、声のした方角をたよりに鶏を見つけるのであって、最初から鶏を確認したという報告は聞いていない。
「もしかして卵が先に生まれてる?」
「でも、だからなんなの?」って話である。
木村としては鶏が先でも、卵が先でもどちらでも良い。被害なく倒せれば良いのだ。
「因果性のジレンマは私たちの話でも言及できます。『神が先か、世界が先か』――どちらでしょうか?」
「世界がなくなると神が存在できなくなるのですから、それは世界が先ではないですか」
話が一気に大きくなったと木村は感じる。
加えて内容が先の例とは種類が違う。
「そもそもその二つは鶏と卵とは別の問題ではないですか。世界が神を生むわけでもないし、神が世界を生むわけでもないでしょう。世界に神が含まれているだけなので、因果ではなく包含の関係になるのでは?」
「木村くんの暮らした世界ではそうかもしれませんが、カゲルギ=テイルズ世界ではそうとは言い切れません。神と世界には因果関係があります。世界が神を生み、神が世界を生んでいます」
それってソシャゲだからじゃないのかと木村は考えた。
たとえソシャゲでも世界がやはり先ではないか。世界を作って、世界に合うキャラが設定される。
だが、すぐに逆でもいけるのかと考えてしまう。最初に世界の神々を登場させるゲームと決めれば、有名な神の性格や能力の設定を考えて、それらが存在する世界を考えても良さそうだ。
相互に因果関係があると言えばあるのかもしれない。
あるいは互いに関与せず存在もできそうだ。
もしも世界がなくなっても魅力的なキャラは別の世界で生きていける。
木村が召喚しているキャラもある意味そういった存在だろう。
別の世界で生きるための基盤があれば良い。
ここでふと別の疑問が生じた。
ラケシスは木村がカゲルギ=テイルズの主人公だと知っている。
そして、『サ終』が世界の終焉ということもわかっている。果たして『サ終』がどのようなものか本当に理解しているのだろうか。
「ラケシス神。今さらなんですが、サ終ってどういうものと考えていますか?」
「世界の終焉です。世界の未来は断たれ、主人公たるあなたが世界から立ち去り、私たちもまた消し去られる事象です」
「……そうですか」
ゲーム内部のキャラから見るとサ終とはそういうことになるようだ。
つまり、このラケシス神は自らがゲームの世界――サーバの中にあるだけのデータによる一構成物とわかっていない。
女神は考えていないのかもしれないが、木村はときどき考えてしまうのだ。
木村が今いる異世界はゲームの世界ではないかと。限りなくリアルに感じられるだけのデータで管理されているだけの世界。
木村も含めて全てが数字の羅列でできていて、死さえも一種の状態異常ステータスなら、キャラが死んでも簡単に復活するのはステータスが直されるだけだと。
ラケシスは「この世界に神はいない」と言いきり、木村はその言葉に疑問を持っていた。
自分をここに引き寄せた存在は、その力からしてまさしく神と言って良い。それなのに神がいないとはどういうことだろうか、と。
単純だった。この世界にいないだけのことだ。今の木村やラケシスらも全てデータなら、神はこの下位世界に存在していない。
神はより上位の現実的あるいは高次元の世界で、木村たちを設定して管理している。
この思想を言い始めるとキリがない。
木村がいた現実の地球ですら、「実は現実はゲームの中なんですよ」がまかり通ってしまう。
ラケシスがこの世界やカゲルギ=テイルズ世界を下位の世界だと実感できていないのは、彼女が生きていた世界はまさしく、彼女にとって木村で言うところの現実だからだ。
世界の形を変えてでも、彼女なりの現実世界をつなぎ止めようと必死なのだと木村も理解はできた。
木村の決意は柔らかく脆い。
およそ考えられる最悪の結合をしている。
先ほどまで「神ども許すまじ」としていた思いが薄れていく。
「神も大変ですね」
しかし、必死だからと言って人を安易に切り捨てる理由にされては困る。
人もまた必死に生きているのだから。少なくともこの女神には今までやってきた代償は負わせる。
二世界の衝突を何とか緩めて、人も神も生き残る方法はないのだろうか。
カゲルギ=テイルズに込められた意味が『犠牲』だからといって、人を犠牲にするか、神を犠牲にするかといった安易な選択が本当に正解なのか。
「いちおう聞いておきたいのですが、何も犠牲にすることなく両世界の命を救おうとは考えないのですか?」
「犠牲なくして生存なし。何かを救うとは、何かを救わないということです。救うものが大きくなればなるほど、救わないものも大きくなります。何も犠牲にしないというのは、何もしないことと同義です。全てを滅ぶに任せることに他なりません」
出身世界の影響を強く受けすぎていないか。
あるいは女神の考えが実際には正しく、木村がぬるいだけなのか。
それでも彼は安易に犠牲を受け入れたくはない。
知り合った人たちがいなくなるとどうしても悲しくなる。
せめて目の前にいる女神たちだけの犠牲で他が救えたりしないものか。
木村は新しい道を模索するつもりなのだが、その答えは見えてこないのである。
特殊イベント戦も運命どおり被害なく終わった。
特に大きな異常はない。
強いて言えばヅラウィの姿がなかった。
いつも、遠くから木村や兵士たちを見守っていたのだが今日はいない。
昨日の時点で髪がほぼほぼなくなっていたので、力を出す余裕がなかったのだろうか。
「戦闘も終わりましたので私は去りましょう」
カクレガに戻ると女神はさっそく別れを告げる。
ウィルやフルゴウルも彼女がいることで雰囲気が悪かったので、木村としても正直助かった。
時間で消える時はどこからでも消えられるのだが、早く帰る時は木村の自室からでないと消えることはできない。
冥府の川の神は自室から早々に帰って頂いた。トイレに戻られては溜まったものじゃない。
「おぉ、坊やぁ」
部屋までは送ろうと、木村が女神と歩いているとアコニトがやってきた。
彼女にしてはかなり朝が早いと言える。ふらつかずまっすぐ歩いているのもレアだ。
「んあぁ? その顔は水の女かぁ?」
「……えっ」
木村は素直に驚いた。
アコニトの言う「水の女」というのは、王都で水で人の姿をしていた女ということだろう。
大正解である。ただし、あの時、ラケシスはシエイの姿をしており、全身が水で構成され顔もロクに見えていなかった。
明確に人らしき姿をしている今のラケシスとは似ても似つかない。
「なんでわかるの?」
「言っただろぉ。顔だぁ。この女はずぅっと嗤っとるぞぉ。良いことでもあったのかぁ?」
木村はラケシスを見るが、事務的な冷たい仏頂面だ。
嗤うどころか感情すら読み取れない。
「儂の好かん顔だぁ」
「戯れ言を。木村くん。獣の讒言に耳を貸す必要はありません」
「坊やぁ。うぬも何か変なことを告げられただろぉ。顔に出とるぞぉ。決意と迷いが混ざった中途半端な間抜け面だぁ。役目でも言い渡されたかぁ。――すぐ忘れろぉ。この嗤い女の思うつぼだぞぉ」
木村はまたもや驚いた。
当てずっぽうではない、アコニトは彼の心を見て取っている。
すごい芸当なのは間違いないのだが、普段の有り様からしてすごさよりも気持ち悪さが勝る。
「ほどほどに聞いとけぇ。儂は飯にする。にやけ顔を見ても腹が膨れんからなぁ。坊やも後でこい。話がある。大切な話がなぁ」
「私も帰ることにしましょう。あまり長くいては獣の臭いが付いていまいますから」
ラケシスの態度が他の人物への態度と明らかに違う。
二人の神は互いに顔も合わせずすれ違う。
木村はとりあえずラケシスと自室まで歩いて行く。
「最後に一つだけ聞きたいんですが……」
自室の扉前にたどりついてから木村はラケシスに声をかけた。
もしもアコニトに声をかけられていなかったら、尋ねなかったし思いもつきもしなかっただろう。
「今日、こちらに来た理由はなんでしょうか?」
ラケシスが木村をゆっくりと振り返る。
彼女はすぐには答えなかった。
アコニトの発言で木村も疑問が生じた。
ラケシスがわざわざ愚痴や質問だけをしに来たとは考えづらい。
姉や妹の所業への嘆きは真として、木村が主人公の役割に推測したことへの確認か。
あれだけ木村に主人公の自覚をするよう裏でこそこそと仕向けておいて、どうして今になってわざわざ自ら確かめに来たのか。
大神ではないが別の者を送れば良いはずだ。神の身分でわざわざ下界に出向くことを嫌っていそうな性格をしている。
「木村くんは、獣の言葉に心を苛まれすぎています」
「おっしゃるとおりです。あの薬中狐は人の心を見ることにかけては、追随を許さないほど長けています。使い方は大きく誤っていると思いますが……。その彼女の言葉が気になってるんです」
具体的には「嗤い女の思うつぼ」というアコニトの言葉である。
何が思うつぼなのか。それも彼女がすぐ前に言っていた。「決意と迷いが混ざった顔。役目でも言い渡れされたか」である。
「ラケシス神はカクレガに来て、すでにあなたが果たす役目を果たしている。だからこそ、長居する必要もなくさっさと帰っていくのかな、と」
ラケシスは表情も反応も何もない。
眼鏡レンズ越しに見える瞳は、女神らしく光を帯び、されど無機質に木村を見ている。
「あなたは――僕に決意をさせるため、ここに来たのでは」
決意していれば良し。決意していないのならさせるまで。
木村に主人公としての決意をさせるため、彼の心がすり減る介入をし続けてきた女神だ。
逆に言えば、彼女は人の心をわかっているとも言える。
彼女の無自覚で尊大な態度は神の傲慢さ故だと思っていたが疑問が生じた。
見た目も姉や妹より人間に近い、神ならではの傲慢さこそあれど、人の心をある程度理解している。
木村の前で、わざわざ人を犠牲にする発言を女神自身がすることにより、彼の怒りを煽り、自覚と決意を促すためだったのではないか。
「傲慢かもしれませんが、僕は、あなたがあなたなりに世界の存続を願っていることは理解したつもりです」
大神オーディンは世界をわずかでも繋げるためなら、自らが消えても問題ないと言っているようだ。
おそらく女神が語ったあの言葉に嘘はない。妹と姉に対する愚痴も本当だ。
事実の中に嘘を混ぜると嘘がわかりづらくなると聞く。
「ラケシス神が犠牲にするのは本当に神以外なのですか?」
傲慢さこそあれど、ラケシスは神として果たすべき事は果たすという責任感は持っているように思える。
どこかの狐とは違い、この女神も世界が繋がるためなら、我が身を何とも思っていないのではないか。
「木村くん。神の心を測るなど傲慢以外の何ものでもありません。そして、その考えはあなたの妄想です。獣と一緒に夢想するようではいけません。決意を揺るがすことなく、主人公としての道を進みなさい」
「でも、それではあなたがたが、」
「そのくだらない迷いを断つため、私からあなたに神託を下しましょう。――私はドライゲンの都の運命を決定づけました。明日です。彼らの命を犠牲にして、あなたに決意の道を進ませます」
「それでは」とラケシスは扉を開け部屋に入った。
「は?! 待っ」
木村の声は虚しく響く。
女神の姿は消え去って、飾り気のない部屋とその主が残った。
ラケシスが消え去ってしまった。
最初から最後まで爆弾を投げ込んで来た女神だ。
ある意味でアコニトに似ている。彼女たちが嫌い合っているのはある種の同族嫌悪じゃないのかと木村は考えてしまう。
あれこれ考えは出てくるが、逆に出てきすぎてまとまらない。
朝食もまだだ、アコニトにも呼ばれていたから食堂に行ってみることにした。
アコニトが食堂でご飯を食べている。まだ半分以上が残っていた。
彼女は食べるのが遅い。時間感覚が人間と違うようで、ちまちまとご飯を食べる。
「おぉ、来たか。ん~? 面倒なことを抱えている顔だぁ。まあ、座れぇ。儂の話に比べれば、坊やの面倒ごとなど些細なものだと気づくぞぉ」
アコニトはラケシスのことなど、どうでも良い様子だ。
そういえば、アコニトが別れ際に大切な話があるとか言っていた気がする。
今も彼女にしてはかなりまともな様子なので、木村もなんだか緊張が出てきてしまう。
「実はな。儂は昨日いろいろとリコリスと話したんだぁ」
「そう。それは良かった」
木村は素直に返答する。素っ気ない返事だが心からの言葉だ。
アコニトもやや気恥ずかしさがあるようで手を軽く扇いで木村の言葉をかき消した。
彼女は手元のお茶をグイッと飲みほし、キッと目を開ける。
かつてないほどの真剣だ。
イベントや討滅クエストもこれくらい真面目にできないものか。
「それでだぁ。儂はなぁ。決意したぞぉ」
木村だけでなくアコニトも決意をしたようだ。
この真面目さはそれを木村に告げるためだと彼も気づいた。
彼も居住まいをすぐさま正し、アコニトの顔を正面から見つめる。
「儂はなぁ――もうハッパはやらん」
「………………あ、そうなんだぁ。ハッパをやめるのねー。へえぇ……」
木村も困惑する。
危ないクスリはやめた方が良いのは間違いないのだが、そこまで大げさに言うことなのか。
正した居住まいが今にも崩れそうだ。真面目に聴いて損をした気分である。
「何かいろいろ考えてるのが馬鹿らしくなってきた」
それでもいろいろと考えが浮かんできてしまうのが、今は馬鹿な狐と朝ご飯を食べることに意識をむけることにする。
最終日のことは食べてからで良い。
仲間も一緒に考えてくれるはずである。
木村たちは討滅クエストⅡの日々を乗り越え、イベント最終日を迎えることになった。




