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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ショートショート㉜ 体を食べる国

作者: ちゃぼ茶

ある辺境の地にあるX国



この国では他の国とは善悪を決める方法が大きく異なる


いわゆる裁判の方法が違うのだ



その方法とは


人間を食べる


ことである


被告人の体の一部を同じ人間が食べることで有罪無罪が決定される


この異様な方法が取られるのは


この国の司法がある宗教集団により掌握されていることに加え


国自体が汚職や腐敗されてしまってるからだ


そのため一部の富裕層や政府の人間、宗教集団にとって不利益な人間は


食べられる


食べられると言っても体の一部なため、すぐに死ぬことはない。


しかし、そもそも裁判にかけられる人間は国を支配する人々にとって邪魔な存在のため


判決は有罪、すぐに処刑される


国民はそれについてどう考えているか


それは無関心だ


自分さえ裁判にかけられなければそれでいい


自分さえ食べられなければ…


自分さえ…


裁判は1ヶ月に1度必ず行われる


例え、犯罪を犯した人がいなくても


国の、司法の威厳を保つためにいわばパフォーマンスとして行われる


そのため国民は月末になると自分の代わりに食べられる、生贄を探し始める


1人が決まると全員で囲み、石を投げるように吊し上げる




そんな醜い月末が今月も訪れた


来月の裁判のために誰かいないかと国民もが探し始める


自分が食べられないようにする一心で


「来月はどうする?」


『誰かいないか?』


そんな中ある少年が吊し上げられる


その少年は誰よりも優しく、真っ直ぐな人間であり働き者であった


困っている人がいれば損得を考えず手を貸す


少年だった


しかし、貧しかった


父親は少年が生まれる前にいなくなってしまった


母親はまだ幼い少年を残して裁判にかけられ処刑された


少年1人で生きてきたのだ


国民は皆、少年の真っ直ぐな人柄や協力的な性格から自分たちの子供のように可愛がっていた


裁判にかけられる人がいなくなるまでは


今月は稀にある政府や、宗教集団にとって不利益な人間が現れなかった…


つまり国民の中から吊し上げなければならないのだ


少年に対す扱いが手のひらを返すように変わった


吊し上げるためだ


少年の母親も同様に吊し上げられた後の処刑だった


親子揃って国により殺されるのだ


国民は口を揃えて言う


「『あいつは昔から処刑されるべき悪人だった」』



そして裁判の日が来た


少年の、右腕と左足は食べられ


有罪判決が言い渡された


処刑された





国民はまるで少年が元々いなかったかのように来月のために吊し上げる人間を探し始める


国にとって不利益な人間がいなかった時のために…




こんな醜い国があっていいのか


結論から言おう


この国は


少年の処刑があってから程なくして


無くなった


正確には国民がいなくなり国として成り立たなくなった


裁判を行なっていた富裕層や政府、宗教集団の悪の権化は逃げ出しだが…





ここで少し昔のお話をさせてくれ


X国である夫婦が生まれた


妻は誰よりも夫の力になり、困った人にはすぐに手を貸すお節介な


夫は炭鉱で働き誰よりも働き者で、どんな悪にも屈しない正義感のある


そんな夫婦だった


妻のお腹には子供がいた


そんな幸せな夫婦には誰にも言えない1つ秘密があった


それは


夫である男性が人間ではないと言うことだ


ゾンビの一族だった


ゾンビ特有の匂いを隠すために炭鉱で働いていた


そんな夫は自分の子供と顔を合わせる前に国を出た


家族を守るために


国の中で噂が広まってしまったために


人間以外がいると




X国か滅びた時に話を戻そう


滅び、人間がいなくなった国にある男がいた


ゾンビの夫である


彼は怒り狂っていた


愛する妻と子、家族が殺されたことがわかったためだ


何故なら自分の少年時代そのそっくりなゾンビが目の前にいたからだ


そう、国民はいなくなったのではなくゾンビになったのだ


ゾンビのハーフである少年を食べたことにより


感染したのだ


夫は息子と、ゾンビになった国民と共に逃げ出した悪の権化を探し始めた


愛する妻、母親の復讐のために…


to be continued…………?



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― 新着の感想 ―
[良い点] 粗筋がSFっぽかったので「本当に恋愛要素ある??」と半信半疑で読み進めましたが、読み終えて、「あ、成る程、確かに」と意外に思え、またそれが面白かったです。 [気になる点] 裁判にかけられる…
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