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vs兄(sideメイ)

ひらがなが多いので読みにくいかもしれません。すみません。

「あなたは勉強していれば良いの! 外遊びなんて必要無いのよ!」


 お母さまに外であそびたいっていったら、そうさけびながら、ぶたれた。いたい。なきたい。


 ぼくは、リンリドルこうしゃくのあととりだからおべんきょうしていればいい。ってお母さまはいう。お父さまはいつもおしごとがいそがしくて、いえにいない。あわない。ぶたれたところがいたくてなきそう。でもなくとお母さまがまたぶつ。そんなとき、ぼくの3つ下のジューンがぼくとお母さまのあいだにきて、ぼくのかわりにお母さまにぶたれてたおれた。


 ジューン!

 ぼくはびっくりしてジューンを見た。ジューンはすぐにお母さまに「ごめんなさい」をいう。お母さまはそれでいい、といなくなった。ジューンにあやまったら、4さいなのにむずかしいことをいった。


「じぶんをすくえるのはじぶん」


 ジューンのことばが、なんだかこころにのこる。くりかえしていたら、ジューンはおへやにかえった。なんだろう。ジューンのことばに、お母さまがいったことをやっていればぶたれないし、おこられないってきがした。それからぼくは、お母さまにおこられないようにおべんきょうばかりするようになったけど。やっぱり外であそびたい。


 そんなときだった。


「何をしているの! このソファーにシミが有るじゃないの! 買い替えるわよ! 全く役に立たない使用人ね!」


 また今日もお母さまがおこってる。今日はどのしようにんがおこられているんだろう。ちょっと見てみたら、ジューンがお母さまのうしろに立っていて。はぁ。っていいながら、いきなりころんだ。


「おかあさま、ごめんなさい! ジューンはころんでしまいました!」


 いつもしずかにあるきなさい! とお母さまにおこられているジューンだから、お母さまは「また、静かに歩かなかったのね!」と、ジューンをぶった。ジューンは「ごめんなさい。ごめんなさい」ってあやまるだけ。お母さまは「分かれば良いの」といなくなった。


 ジューンは、なんでいきなりころんだんだろう。そのあとが、きになって見ていたら、お母さまにおこられていたしようにんたちを見た。じじょが2人。しつじが1人の3人。しつじは、お父さまといつもいっしょだけど、このリンリドルこうしゃくけのぜんぶをしっている、らしい。どういうことかよくわからないけど、ぼくのうしろに立っているぼくのじじょがいってた。


「あなたたち、おかあさまがまたおこらないうちにソファーをかえて。あと、じぶんをすくえるのはじぶんだけだから、おかあさまがおこらないようにどうしたらいいか、かんがえたほうがいいわ」


「お嬢様。お助け下さりありがとうございました」


「わたしは、たすけたわけじゃない。わたしにはすくえない」


「でも、お嬢様はわざと転んだでしょう」


「なんのことだかわからないわ。わたしは、ただ。おかあさまがおこってるこえがうるさくていやなだけ。きょうは、おとうさまがおしろでおしごとをして、おしろでとまるのではなくて、あいじんにあうひでしょう。だからおかあさまは、イライラがつよい」


「お嬢様、あの」


「いいのよ。セプテル。わたしは、おとうさまにあいじんがいることをしってるし、おかあさまはそれがきにいらなくて、イライラしているのもしってる。それにおかあさまは、さいきんおきにいりのオペラのやくしゃにあえないから、よけいだわ。やくしゃがどんなひとなのかしらないけど、おとうさまよりカッコいいのかしらね。おとうさまはあいじんにどうどうとあえるけど、おかあさまはやくしゃをあいじんにできないし、あいたいときにあえるわけじゃないから、おとうさまがズルイっておもっている。それでイライラして、わたしやおにいさま、そしてあなたたちにおこる。それくらい、わかってるわ」


 ぼくは、ジューンがいっていることがあんまりわからなかった。ただ、セプテルとよばれたしつじがジューンのいったことをだまってきいていたから、ほんとうのことだってわかった。


 ぼくのいもうとは、もしかしたらかみさまのきまぐれ子なのかもしれない。えほんでよんだ。とってもあたまのいい子は、かみさまのきまぐれ子っていって、ふつうの子とはちがうんだって。


 それならわかる。

 ジューンはきまぐれ子だから、やさしいんだ。

 だからぼくのかわりに、お母さまにぶたれたり、しようにんのかわりに、お母さまにおこられた。

 じぶんをすくえるのはじぶん。

 そのとおりだ。

 お母さまにおこられないように、ぶたれないようにするのは、ぼくがお母さまのいうとおりにしなくちゃいけない。

 でも。


 ジューンは、そんなことをいいながら、ほかの人をたすけてる。

 ぼくは、そんなジューンをまもるためにつよくならなきゃ。


「お嬢様。お嬢様は神の気紛れ子でしたか……」


 セプテルのことばに、ぼくはセプテルもそうおもったんだ、とわかった。

お読み頂きまして、ありがとうございました。

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