最重要機密保持会議
昼が過ぎ、皆が下校して異常事象対策委員と担任たち、学年主任が会議室に集められ、窓が閉め切られて扉に鍵がかけられた。
「えー、本日はお集まりいただきありがとうございます。」
この学年主任も、えーあーを語頭に使う癖がある。
「本日お集まりいただいた理由は既にご存知の方が、、、いる訳がありませんね」
杉岡先生も先程とは違い真剣な顔をしていた。集められた理由も箝口令の中では知る由がない。
「えー、本日教える事はメモとか録音とかは絶対にしないでください、いいですか、、、この3年生の期間にこの学年で起きている事を他の学年や家族、先生たちや友人に暴露してしまうと、率直に言います、、、両方とも事故死に遭います」
清水の顔が一瞬で強ばった。
「えー、対策委員には、これより発生するであろう、いえ必ず発生するこの事象を解決するために有利な能力者と呼ばれる人を探してもらいます、当然ながら先生たちも協力しますが、あくまでも先生たちは学校の、この事象を知らない人たちを守るために動きます、また、能力者とは別に介錯人と呼ばれる者もとても重要です、詳しくは明日午後にもう一度集まっていただいてから元介錯人の教務主任から話してもらいます」
他のクラスの異常事象対策委員も学年主任の話で呆然としていた。
「えー、50年以上かけて確立し確証を得た対策です油断すると、本当に死にます、昨年は16人失いました、ニュースにはなってません、3年生関係者以外の記憶や記録は異常事象として勝手に改竄されていますから、、、それに私は介錯人でしたから、、、何度も言いますが、これは冗談とかドッキリとかではありません、遊び半分で暴露して亡くなった生徒もおります」
めちゃくちゃ釘を刺してくるが、同時に過去を暴露し、死を悟ったように清水が震え始めた。
察するにこちらからは暴露はできないが、経験者から話を聞く分には大丈夫らしい。