終わりの話し
4月6日に新学期が始まった。
どこか暗い顔をしている担任は清水の言葉で気づいたようだった。
「それでは皆さんは今日で3年生になりましたね、いろいろと大変かもしれませんが元気に卒業を迎えましょう」
新学期始まって最初の話しで卒業の事が述べれた、担任も何かを隠しているように話していた。
「今日はお昼までですから、それまでに学級委員を決めましょう」
すると上原と廣瀬が手を挙げた。
ブロンドの美女と黒髪の美少女である。
「有能な指揮官こそ、その戦力を最大限まで引き出せる、それがクミタックの分隊長であります」
熱弁を始めた廣瀬は根っからのFPSゲーマーだ、プロチームからもスカウトされたらしいが、それを辞退した経歴がある。
「では、投票で決めましょう」
小さな紙切れを渡されてそれぞれどちらかの名前を書いて投票した。
結果は25対5で上原が圧勝した。
「では廣瀬さんは副学級委員をお願いしますね」
返事は決まっている。
「ラジャー!」
そして担任に敬礼し、教室が笑いに包まれた。
「廣瀬さん、先生には敬礼しないでくださいね」
落選したものの返事だけは2年の時と変わらず元気だ。
それから、昼になって気持ちの良い適温の風と共に都会では珍しくキビタキの鳴き声が聞こえてきた。