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殺し合いの独裁者[ディクタチュール]  作者: 加藤裕也
第7章 : 関わり合いと処罰する者(パニッシュメント)
248/300

248.怨讐

「嘘だろ、」


 思わず足がすくみ、しゃがみ込む碧斗(あいと)。地震によって火山活動を活発化させる。それ故に訪れる、火山の噴火。

 そんな大きなもの、我々が止められる筈ないでは無いか、と。そう思うと同時、美里(みさと)は力強い足取りで碧斗に近づき、腕を掴んで立たせる。


「しっかりして。このままだと、私達だけじゃ無くて、この世界の人達も大勢犠牲になる。早くしないと、、大変な事になる」


「っ、、そ、そうだね、、直ぐ、行かないと、」


 美里の力強い言葉に碧斗は圧倒されながらもそう返す。規模が大き過ぎる。少しでも間違えば、この国は滅ぶ程の話だ。そんな重大な事を、自分達で何とか出来るのだろうか。守るものが増え、責任が増す事に、碧斗は恐怖し足が震えた。碧斗を引っ張る美里もまた手が震えていた。駄目だと分かっている。美里も怖いのに、いつまでも怖気付いていられない。全く持って情け無い。それは分かっている。だが、今回の碧斗の恐怖は、そう簡単には消えてくれなかった。


「ま、、街の人を、、移動させた方が、」


「こんな僅かな時間で全員を移動させられるとは思えないし、事を大きくしてしまう可能性もある。それに、いくら勇者とはいえ私達の言葉をみんながみんな信じてくれるとは限らない。事が起きる前に止めるのが、私達が出来る行動の中で一番早いと思う」


「そ、、そう、かもな、」


 美里のもっともな言葉に碧斗は目から鱗が落ちた。ならば、こうしてはいられない。碧斗は覚悟を決める。死ぬかもしれない。いや、もう死んではいけないのだ。この国の人達の命がかかっている。

 胃が痛い。足が重い。帰りたい。そんな弱気な思いが何度も頭を過ぎる中、目の前でそれでも必死に向かう美里の顔を見て足を踏み出す。


ーそうだ、、俺はこの国の人達を守る以前に、、相原(あいはら)さんを、、樹音(みきと)君を、、大翔(ひろと)君を守るんだ。今は、、それだけでいいー


 碧斗は目つきを変えると、美里の手を、今度は掴み返す。


「え、?」


「相原さん。掴まってて、、飛ばすよっ!」


「きゃっ、ちょ、ちょちょちょっ!」


 碧斗は美里の手を掴むと同時に、足から煙を一点に集中させて放ち、大空へ飛躍した。


ー待ってろ、、絶対に、噴火なんてさせないー


 碧斗はそう胸中でS(シグマ)にそう告げると同時、美里の腕を握る力を、僅かに強めた。


「まっ、待ってっ、ちょっ、、うっ」


「あ、ご、ごめん、、つい、」


 碧斗は美里が恐怖しているのに気づき速度を落としながらゆっくりと地上に戻る。


「...い、いきなりだったから、」


「ごめん、でも、相原さんのお陰で、俺のやらなきゃいけない事が見えたから」


 碧斗のその"いつもの様な"表情に、どこか安心した様に息を吐くと、目つきを変えて、自信げに放った。


「なら、伊賀橋(いがはし)君、先に行って」


「えっ、、あ、相原さんは、?」


「勿論私も直ぐ行く。でも、私を連れてだと、時間かかっちゃうでしょ?」


「でも、、っ!」


 美里と会話をする中、またもや地震が一帯を襲う。


「ほら、、早くしないと、」


「...わ、分かった、、気をつけてね、」


「伊賀橋君の方がでしょ?」


「それは、そうだけどね」


「私が着くまで、、もつ?」


「分からない、、火山を前もって見ておいてないから、どんな種類の火山かは分からない。でも、俺が出来る事は、ある」


「そっか、、なら、大丈夫そうね」


 碧斗の、どこか策がある様な表情と言葉に、美里は微笑んで告げる。その美里の胸を張った一言に、碧斗は「ずるいなぁ、」と、どこか寂しそうに呟くと、改めて目つきを変え踵を返した。


「絶対、、来てね、、待ってるから」


「あんたこそ、、私が行った時へばってたら許さないから」


「うん、分かった」


 碧斗は微笑んでそう返すと、今まで以上の速度で飛躍し火山の方へと向かった。その姿を同じく寂しそうに見つめながら、美里は力強く足を踏み出した。


           ☆


「もうそろそろか、、本当、近くに火山があって良かった」


 火山の上で笑う、一人の男子。その背後に、ゆっくりと。降下して着地した男子は鋭い視線を向けた。すると。


「思ったより遅かったな。俺からそっちに行くとでも思ったか?」


 彼は。Sは、前を向いたまま、背後の人物をまるで分かっている様に放つ。


「まあな、、お前の事だから、俺狙いかと思ったよ」


「ああ。お前狙いだ。それは変わらない」


「なら、、どうしてこんな事、?」


「考え方を変えた、と言った方が正しいか。今までのやり方じゃ足りないって、、分かったからな」


「今までのやり方、?」


「なぁ、お前は分かってないけどな、、知らないうちに人をイラつかせているって、自覚しろよ?」


「俺が、?」


 Sの淡々とした発言に、碧斗は眉間に皺を寄せる。


「俺にイラついてるって言いたいのか?」


「ああ、許せない。改めてそう思った。だからこそ、決めたんだ」


「それとこの噴火に何の関係があるんだ?」


 Sがそこまで告げ碧斗が聞き返すと、少し間を開けたのち、彼は振り返ってニヤリと微笑んだ。


「お前以外を全員消して、お前だけを残そうって、決めたんだ」


「っ」


「この世界にただ一人だ。転生者だけじゃない。この世界全てが、絶滅する。その中で、生き残りとなるんだ。何も無い孤独の中、絶望の中で、ゆっくりと死んでいけ」


「それが、、俺に対する恨みの晴らし方か?」


「ああ。計り知れない絶望を与えてやるよ。そして、転生者に殺される事も出来ない。その深い絶望の記憶を、残したままこれからを生きろ」


 Sは乾いた笑みを浮かべる。自害をした際は、どうなるのだろうか。碧斗は僅かにそんな考えをしながらも、少しでもその最悪な未来を想像してしまった事に首を振る。


「させるかよ、、全員、救ってみせる」


「随分とカッコいいじゃんか。何も、守れなかった奴が」


「っ」


「いっつも守られてきた奴が、威張ってんじゃねーよガキ。母親に守られ、命を取り留め、周りの人に恵まれ、助けられて来た。一人では何も出来ない雑魚が。少し能力を応用出来る様になったからって図に乗るなよ」


 Sは、鋭い目つきで、低くそう告げる。それに、碧斗は初めこそ目を剥き、動揺したものの、直ぐに改める。


「ああ、その通りだ。守られてきた。恵まれた。だから俺はここに居る。多分、一人だったら死んでたと思うし、死のうとしてた」


「開き直りか?」


「ただ、気づいただけだ。一人で生きてる人間なんて居ない。大翔君も裏切られたりしたけど、周りに人が居た。水篠(みずしの)さんも、多くの人達に助けられながら、だからこそ優しい人になった。樹音君も、その出会いが良いものだったかは分からないけど、それによって彼は救われてたんだ。相原さんも、散々な人生なのかもしれないけど、それでも、ここまで生かしてくれた周りの人が居た。そのお陰で、、みんな、出会えたんだ」


「何が言いたいんだ?時間稼ぎか?」


「ああ、それもあるな。...まあ、何が言いたいかって言うと、つまり。そもそも、俺は一人で戦うつもりなんて無いって事だ」


「っ」


 碧斗がそれを放つと共に、Sの足元は大きく揺れ、それによりーー


 ーー彼の足場となっている地面が砕け吹き上がる。


「これはっ」


「S。お前の能力はあくまでマントルだ。火山の活性化を根本から操れる能力じゃない。つまり、この勝負。その根源となる炎を司る人が有利って事だ!」


 数メートル先。後から追いついた美里が、遠くから手を伸ばす姿が、持ち上げられた空中から見て取れる。


「なるほど、、火山の近くである事を利用して、俺の地面の真下にエネルギーを集中させたか、」


「ああ。ただ、炎を強くすると噴火の可能性がある。だがっ、そこから生まれる煙は、いくらでも動かせるっ!」


 碧斗はそう告げ人差し指を立てると、浮き上がった地面に僅かに見え隠れしていた煙が突如物質を変化し更に上空に持ち上げる。


「動いたら、どうなるか分かってるだろ?もう、こんな事はやめろ!」


「辞めないと言ったら、俺を落とすつもりか?」


「ああ」


「ハッ、出来ないくせして生意気な」


「せいぜいそう思い込んどけ」


 碧斗はそう放つと、後から息を切らして追いついた美里に振り返る。


「相原さん、ありがとう」


「はぁ、はぁ、、まだ、、やる事残ってるから」


「うん。ありがとう、、お願い」


 碧斗は美里にそう促すと、彼女は地面に手をやる。その様子に一瞬Sは驚愕の表情を浮かべた。

 だが。


「クッ!?うっ、うぅあぁっ!?」


「っ!相原さんっ!?」


 何かに大きく弾かれた様に、美里は尻餅をつく。


「はぁ、、はぁ、」


「大丈夫、?」


「はぁ、、はっ、はぁ」


「っ」


 碧斗は、倒れ込んだ美里の手を見て驚愕する。その手は、爛れ、焼け焦げた様になっていた。これは能力によってだろうか。いや、彼女は熱の耐性がある筈だ。故に、いくらマグマが出てこようとも火傷にはならない筈である。ならば、と。碧斗は目を細める。と、そんな中、上空のSは笑う。


「はははっ」


「...何笑ってんだ」


「いやぁ、、ちょっとびっくりしたけど、やっぱ馬鹿だなぁ」


「は、?」


「火山の噴火を止めるために、炎のエネルギーを調整しようとしたんだろ?いやぁ、馬鹿だなぁ」


 Sはそこまで告げると、しゃがみ込み、下の美里を見下して放った。


「火山の活性化を止めるなんて、一人の能力で出来る筈ないだろ」


「っ」


「なら、お前が死ね」


 低く放ったそれに美里が絶望を見せる中、碧斗は強く放ち、煙の圧力を止める。と、Sの乗っていた地面は勢いよく落下する。


「おいおい。いいのか?俺を殺したら噴火を止められなくなるぞ?俺はマントルを固める事も可能だ。つまり、マグマを固めてマントルの状態に戻す事が出来るんだ。そんな俺を殺したら、止める方法が極端に少なくなると思わないか?」


「だからって、生かしておいて、止めるつもりないだろ?」


「ははっ、よく分かってるじゃん」


 碧斗の鋭い目つきに、Sはニヤリと微笑む。その瞬間、地面にSは到達し、その一瞬。碧斗と彼の目線が対等となる。Sはどこかで、こいつらは殺す事はしないと高を括っていたのだろう。だが、そんな慈悲など既にない。碧斗はそう告げる様な冷たい視線を送った。

 が。


「「っ」」


 落下し、その場には大きな衝撃が襲う。それに目を強く瞑る美里と碧斗だったものの、ゆっくりと目を開けた。その先にはーー


「ふぅ、、全く、感情のまま後先考えない行動は良くないねぇ。碧斗、お前、少し馬鹿になったか?」


「っ」


 Sが、いつもの様に微笑みながら、こちらを見据え立っていた。おかしい。明らかに、地面に叩きつけた筈だ。それだというのに。


「どうした?俺が生きてる事が気になるか?...はっ、原理は簡単だ。地面の下は、全て俺のテリトリー。マントルを固めて俺にくっつけて、防御服の様にする事も可能。溶かしたマントル。マグマを噴き出させてそれで地面を支える事も可能。少し考えれば出来る事だろ」


「クッ、」


 Sの解説に、碧斗は歯嚙みする。


「どうやら焦ってるみたいだな。まあ、それはそうか。世界が終わるんだから、、でも大丈夫だぞ。お前だけは残る」


「その言い方、、お前も、、死ぬつもりか?」


「ああ。そうじゃなきゃ、本当の孤独であり、絶望とは言えない」


「どうしてそこまで俺にこだわる、?S、お前は、自らの命を絶ってまで誰かを貶めようとする人間じゃないだろ」


 Sの反応に、碧斗は疑問を放つ。すると、彼はどこか憤りを見せながらも、ニヤリと笑って口にした。


「お前が目障りなんだよ。多くの操り人形(おもちゃ)を簡単に元に戻し、俺の言葉が響かなかった」


「響かなかったわけじゃない。寧ろ、死のうとまで思った。でも、俺は、一人じゃ無かった」


「ハッ、そうだな。だから俺はそれを奪おうと思ったんだ。段々と興味が湧いてきたよ碧斗。そこまで絶望しても周りの人達の力で這い上がれる様な奴が、その"周りの人達"が消えた時、どうなるかって」


「ただの興味か、」


 笑う彼に、碧斗は目を細めると、ゆっくりと立ち上がる美里を一瞥してSは口を開く。


「時間稼ぎ、、は辞めといた方がいいぞ。相原美里の体力回復。それを考えてるのかもしれないが、いくら回復したからといっても不可能だ。...感じてたよ。相原美里。君が蹲りながら、未だに地面に手を当て、操ろうと奮闘していた事を」


「っ」


 Sが彼女に視線を送り、それに目を剥く中、彼は続けた。


「だが不可能だ。俺は未だに一定周期でマントルごと動かしプレートを移動させ、地震を起こして火山活動を活発化させてる。君が操れる様な体力を取り戻すのと同じくらいのスピードで、俺も頻繁にそれを続けてる。だから、追いつく事は不可能だ」


「そうかよ、、なら、噴火する前に、この地震を止める」


「ほう、、どうやって?」


「お前を今すぐに消す」


「おいおい、、さっきの話聞いて無かったのかよ、本当に馬鹿になったか?」


「聞いてたさ。だからこそ、消すって言ってんだよ」


「っ」


 碧斗は低くそう放つと同時、Sの周りに有害な煙を発生させる。


「そう簡単に抜け出せると思うなよ」


「けほっ、、ははっ、けほっ、いいのかよ。この世界が消えるぞ」


「既に火山が噴火してるなら、消えるかもな。でも、まだ噴火はしてない。あくまで、その可能性があるってだけだ」


「火山活動がここまで進んでるんだ。もう噴火するのは目に見えてるぞ」


「確かにそうかもな。でも、噴火したら手に負えないが、その前なら、いくらでも方法はある」


 碧斗は強くそう放つと、ニッと自信げに笑ってみせる。その様子に、Sは嘘は無さそうだと。そう感じ取り、彼もまた微笑む。


「何か、かはっ、、策があるみたいだな」


「ああ。だからこそ、お前はここで消す。お前を生かしておいたら、このまま火山活動を進行させ、手遅れになる」


「なるほどなぁ、、なら、俺は俺で、死ぬギリギリまで足掻かせてもらうよっ!」


「っ」


 Sはそう笑うと、瞬間。強い地震が一同を襲う。


「クッ、震源地に近い分、、立ってるのがやっとだなっ、」


「頑張れ。俺が死ぬまでの辛抱だ」


「お前、、本当に死ぬ気なのか、?」


「お前が本気で殺す気ならな」


 碧斗はSの不敵な笑みに目を細める。と、そんな中、美里が蹲りながらふと口を開く。


「伊賀橋君、、こいつ、多分本気だと思う、、本当に、死ぬつもり、」


「クッ、そうか、」


 美里の発言に、碧斗は歯嚙みする。その様子を目にしたSは笑みを浮かべる。


「おいおいどうしたんだよその顔はぁ!まさか、脅すだけ脅して、本当に殺す気なんて無かったんじゃねぇかぁ!?がほっ、、けほっ、、ハッ、、そうだよなぁ、人を殺せるわけねぇよなぁ!目の前で、しかも煙で、失ってるんだから。お前の本当の、母親をっ!」


「っ!」


「あんたっ、!」


 Sの発言に、碧斗は目を剥き蹌踉めく。変な冷や汗が、止まらない。


「伊賀橋碧斗。お前は本当に、伊賀橋として生きることにしたんだな。あーあ、可哀想だなぁ、母親が、、体張って、命懸けて守ってくれたのに、、その母の名を、捨てる選択をしたのか」


「黙れ、」


「どうした?事実を言ってるだけだ。それとも何だ?過去を忘れて、母を忘れて今を楽しんでる事が、図星だったか?」


「黙れよっ!」


「ぐふっ」


 碧斗はそう声を荒げると、顔を上げると同時、Sに今まで以上に濃い煙を放つ。息の出来ない程、強く。


「かはっ、けほっ、、そうか、お前は、人を殺めるんだな、」


「うるさい!」


「ようこそ、、こちら側へ」


「うるせぇ!」


 Sがニヤニヤとして放つ中、碧斗が拳を握りしめ、強く足を踏み出し、彼を殴ろうと向かう。

 が、その瞬間。


「ならせめて、俺が生きてる間に、絶望の表情を見せてくれ。伊賀橋碧斗」


「なっ」


 Sが目を細め、小さく儚げに笑うと、次の瞬間。


「えっ、嘘っ、」


「っ!」


 地面が大きく揺れ、それがピークに達したその時ーー


 ーー地面が大きく割れ、美里の蹲る地へとひび割れが伸びて行った。


「っ、、させるかっ」


 碧斗はSに向かっていた体を慌てて戻し、煙を使って勢いよく向かうがしかし。


「っ」


「そう簡単には行かせないよ」


 碧斗の目の前の地面が、大きく割れ、目の前が一瞬にして崖となった。


「クッ!」


 先程まで目と鼻の先であった筈の美里が、遠い。間に合うかと、碧斗はそれでも尚瞬時に煙の圧力で飛躍する事により美里に向かう。

 が。


「おおっと、そんなヌルゲー、させると思った?」


「っ!クソッ!」


 突如目の前には、地殻変動によって出来た地面のヒビから、噴き出したマグマが行く手を遮る。それに、スピードを出していた碧斗は慌てて空中で留まると、それによって。


「っ!相原さんっ!」


「っ、伊賀橋君っ!」


 既に美里は、落下し始めていた。


「クッ」


 碧斗はまだ間に合うと、煙の勢いを増して向かおうとするがしかし。


「っ」


 その行手をまたもや遮る様に、マグマが噴き出した。


「クソッ!邪魔なんだよっ!」


 碧斗はそれを避ける様に飛躍しながら、落下する美里に向かう。が、刹那ーー


「っ!嘘、でしょっ」


「っ、相原さんっ!」


 ーー美里に向かって、急降下するヒビの中の底から。


 マグマが噴き出した。

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