ロンドンへ行く準備
その日から、二日後。
長浜駅から米原駅、そして乗り換えて新大阪駅からバスで約三十分。
現在地は、大阪国際空港だ。
既に春休みシーズンに入っている為、様々な服の人間がぞろぞろいる。
さて、そんな空港で私達はどんな様子かと言うと。
私は別に驚かなかった。部活の合宿や、一年の時の留学、その他諸々の行事で空港には何度も行っているし、その度に飛行機に乗っている。
故に、今更余計な心配をしたり、行き先の事以上にワクワクしたりというのは無い。
問題は他の部員達だ。
まずは真宙。
「先輩! 空港って色々おいしいもの売ってますよね!」
修学旅行で一度訪れている筈なのだが、初めて行ったみたいにはしゃいでいる。
しかも飛行機乗る前だと言うのに、色々な食べ物を抱えている。
「こ、これから飛行機乗るんだよ・・・・・・?」
「分かってますよ~!
あと、あの店行ってきますね!」
真宙は近くの牛タン弁当の店に駆けていく。
「遅れないでね!」
真宙にそれだけ言い残し、私は次に秀未がいる場所に行く。
秀未は何故か、竹刀の手入れをしている。
「あれ、てか竹刀って持ち込めたっけ?」
多分無理だったと思うが。
最後に空良を見に行った。
空良は本当に初めてらしく、何と言うか。
――顔が、死んでいた。
「刺激が強すぎたのか・・・・・・?」
空良を救出した後、私達は全員で荷物チェックを受け、飛行機に乗った。
数時間が経過した後、私達はロンドンの土を踏むことになった。




