真実 その二
ライブドームの爆発と冬季大会がどうなったかを、私は駅で目の当たりにした。
冬季大会は、私達を含めた五チームが棄権したこと、そして爆発により、別の場所に会場を移し、延期。
爆弾の設置を指示した『white lillys』メンバーは失格になると共に、逮捕。
それは、表向きは彼女達の味方をしていた空良も例外ではない、と思っていたが、空良は数日間の拘留で済んだらしい。
私は今、帰りのバスの中にいる。
例の手紙を取り出し、そして読もうとしていた。
黒いシールを剥がし、封筒の中身を取り出して開く。
私は声に出さずに、読み始めた。
『約束通り、これを読んでいるのは大会が終わった頃ですよね?
退部はしましたが、心残りがあるので、こうして手紙を送ります。
私が何故、秀未先輩に言われているのに秘密を守ろうとしていたのかは最後の方で書くとして、まず何故「white lillys」の味方のフリをして、彼女達の秘密を暴いたかを説明しますね。
彼女達の強さの秘密は、天才的な頭脳を持つ真友の科学力にあったんです。
肉眼でははっきりと見ることは出来ませんが、彼女達は透明な動きのアシスト装置を身に纏っているんです。
必要な動きをプログラムに纏めて、まるで操られる人形のように動く事で、あのような完璧な動きを作っていた。
つまり彼女達の強さは、偽りです。
では、一番知りたいと思っていることを言いますね。先輩。
私の秘密を。
私は、援交していたんです。
家族は生まれてすぐに死んで、施設に預けられて。
でも、自分は他人より劣っていると他の子から指摘されて。
耐えられなくて、出て行って。
それでも、お金は無くて。
何も出来ないなら、体を売るしか無いんだなって思ったんです。
でも高校に入ってから、寿奈先輩という自分とは、真逆の人と出会って、そんな人の心に触れて、同じことをやれました。
スクールアイドル自体は、最初はどうでも良いと思っていたのに。
何故でしょう。今では退部したことが辛いんです。
自分はそんな資格なんて無い事、分かってます。
だから最後に、先輩達を助けることにしたんです。
初めて、優しく接してくれた先輩にお礼がしたいから。
今まで、本当にありがとうございました。
さようならです』
短い筈の文章なのに、読み終える頃には、既に滋賀に到着していた。
再び丁寧に手紙をしまい、ポケットに入れてから、夜空を見た。




