中間テスト後日の事
「先輩、こんにちはー」
「お、寿奈さんこんにちは」
琴実先輩が礼儀正しく準備する。
他の先輩はまだ来ていない。
「テストはどうでした?」
「あ、それなりに難しかったけど、赤点は取らなくて済みました・・・・・・」
五月の中旬に中間テストがあり、その結果が今回返ってきたのだ。
少ししてから、優先輩と道女先輩も入室した。
「ちぃーす!!」
「こ、こんにちは・・・・・・」
「百地さんに伊賀崎さん。こんにちは」
優先輩は鞄を置いてから、私に聞く。
「そういや寿奈~。テストどうだった?」
「あ~、大丈夫でした! 赤点もありませんでしたし!」
「私も大丈夫だったけどるぇ、道女がまた学年一位取ってた」
「優ちゃん、それ言わないでって言ったでしょ~?」
「いいだろ? 別に一位は恥ずかしいもんじゃないんだし」
「もー」
二人の微笑ましい会話を見ながら、私はいるべき人が一人足りないことに気付く。
「あれ、服部先輩は?」
「死んだんじゃないの~?」
「うわあッ!!」
そこに無かった声に驚き、振り向くとそこに服部先輩がいた。
「は、服部先輩・・・・・・」
「いや~ごめん。遅れちゃった~」
服部先輩はバッグを置き、椅子に座る。
「あ、正子~。テストはどうだ?」
「ん~? 全教科赤点。追試で七十点以上取るまで部活禁止言われた~」
軽々しくそう言いながら、机の上にあったクッキーを頬張る服部先輩。
「ちゃんと受けて下さいよォォォォォォォ!!」
私の絶叫が、部室中に響いた。