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今日からアイドルを始めたい!  作者: 心夜@カクヨムに移行
第十五章 十月・十一月&十二月編 秋季大会編
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光は迷わない

『光は迷わない』作詞 松野心夜 歌 Rhododendron

(杉谷寿奈 黒野空良 雪空真宙 明智秀未)


(きみ)はまた 笑ってた

あと少し あと少しと 手を伸ばす僕らを


闇と光の狭間で 僕らはまだ迷っているよ

どうすれば(きみ)に届けるのかどうかと


大好きな(きみ)のように 頂点で輝きたい

どうしたら(きみ)のように 迷わず飛べるの?

分からないけど 飛んでみようかな

頭空っぽにしてさ


(きみ)もまた 笑ってた

落ちそう 落ちそうと もがいてる僕らを


闇に落ちそうな所で 僕らはまだ抗っていたよ

どうすれば(きみ)に勝てるのかどうかと


大嫌いな(きみ)には 負けるわけにはいかない

どうしたら(きみ)から 逃れられるの?

分からないけど 飛んでみようかな

頭空っぽにしてさ


闇に落ちそうな所で 僕らはまだ抗っていたよ

気が付けば(きみ)に負けそうだったよ


でも!

大嫌いな(きみ)には 負けるわけにはいかない

どうしたら(きみ)から 逃れられるの?

分からないけど 飛んでみようかな

頭空っぽにしてさ


大好きな(きみ)のように 頂点で輝きたい

どうしたら(きみ)のように 迷わず飛べるの?

分からないけど 飛んでみようかな

頭空っぽにしてさ


◇◇◇

 

 秋季大会から一週間。

 午前八時五十分。大会の結果発表の時間まであと僅か。

 しかも、今回は一番重要だ。

 今回の結果の発表方法は前回までとは違う。

 自分達のチームの得票数、順位、総合ランキングが表示されるのが前回までの発表方法。

 今回は、決勝――――即ち冬季大会に出場する全十チームの順位、得票数が表示される。

 簡単な話、発表されなければ私達は終わりなのだ。

「お願い・・・・・・」

 一分が過ぎるのが物凄く遅い。

 もう五分過ぎたかな、とパソコンの時計を見るが、まだ八時五十分。

 私が予想した時間の五分の一しか経過していない・・・・・・ッ!!

 

 十分間貧乏揺すりを続け、九時。

 更新ボタンにカーソルを合わせた状態でマウスを左クリック。

 真っ白なページが数秒間表示された後、更新されたページがランクを表示した。

 結果は・・・・・・。

「『Rhododendron(ロードデンドロン)』・・・・・・六位!?

やったああああ!」

 一万五千票。しかも他の優勝候補と言われていたチームをかなり抜き去った。

 私達以外の知っているチームでは、ハイロガールズが四位にランクイン。

 そして注目の一位は。

white(ほわいと) lillys(りりーず)・・・・・・五万票」

 二位の得票数が二万票。それを大きく引き離したぶっちぎりの一位。

 確かこのサイトでは、チームの詳細が見られる。

 カーソルをwhite(ほわいと) lillys(りりーず)に合わせ、左クリック。

 小さなウィンドウが出現し、様々な情報が表示される。

 まず出身校を見る。

「私立フュルスティン女学院高校!?」

 勿論覚えはある。

 私の元親友――刹那芽衣が通っていた女子校。

 彼女は『フュルスティンズ』というチーム名で、私と服部先輩を潰す為に戦い、自殺した。

 芽衣の自殺によって、『フュルスティンズ』は解散し、ランキングにもそこの文字は無かったが・・・・・・。

 下にスクロールすると、white(ほわいと) lillys(りりーず)のメンバーは一人もいない。

 いない、のだが。

 リーダーの顔を見て、私は不思議な気分になった。

 紅く短い髪。緑色のツリ眼の美しい顔。

「この子って・・・・・・」

 

◇◇◇

 

「終わったわ」

「私もやっとだよ~・・・・・・」

 長大かつ難解な数式を解き終わった後、私は芽衣の前で溜め息を吐いた。

 対して芽衣はいつもの事だが、あまり苦労したように見えない。

 一体どうすれば芽衣みたいになれるのか、私はまだ分からなかった。

「芽衣ってさ、どこか塾に通っているの?」

「通ってないわよ。家庭教師を雇っているの」

「家庭教師?」

 芽衣の答えに対して訊き返すと、ドアの音が一定のリズムで叩かれ、内開きにドアが開く。

 芽衣より一、二歳程度年下の少女。

 右手で赤い髪をいじってから、芽衣に近付く。

「彼女が家庭教師よ」

「え・・・・・・?」

 私のような凡人に理解出来ない方法や論理で、常に私の上にいた芽衣の事だから、芽衣の言う事ややる事に対して驚かないようにしていたが、今回は流石に無理だった。

「あ、あの芽衣・・・・・・?」

「まあ見ていると良いわ」

 そう言いながら芽衣が机の下から出したのは、大学生の数学の教科書だ。

 芽衣も、まだ分からないと言っていた大学生レベルの数式。

 少女はそれを受け取ってから、シャープペンを握り、少し考え込む。

 出来るわけがない、と私は勿論思っていたが。

 少女はそのまま、シャーペンを動かし始めた。

 普通の大学生ですら手を止めそうな問題を。

「終わりました、芽衣さん」

 少女から渡された教科書を、芽衣は私に手渡した。

 教科書の模範解答と合わせてみる。

「え、合ってる?」

 驚きを隠せない顔で、私は芽衣と少女を交互に見ていた。


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