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今日からアイドルを始めたい!  作者: 心夜@カクヨムに移行
第九章 十二月編 クリスマスと大晦日!
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クリスマスライブ その一

十二月二十五日。

 今日はクリスマスの日。私はベッドから起き上がり、昨日の夜に準備した靴下を見る。

「サンタさん、来てくれたかな・・・・・・?」

 靴下に入っていた、直方体のプレゼント箱を床に敷かれたマットの上に乗せ、リボンをほどく。

 上にある箱を外して、箱の隣に置き、中身を取り出す。

 それは、私が欲しいと思っていた漫画の全巻セットが入っていた。

「わー!! サンタさんありがと――――

 

「――――ぐあッ!! ・・・・・・いてて」

 思い切り椅子から転げ落ち、頭を打ち、最悪な目覚め方をした。

「てか、何で今頃小学生の時の夢なんて見たんだ・・・・・・?」

 スマホをスリープから解除し、日時を確認する。

 十二月二十日、午後三時五十分。

「クリスマスですらなかった・・・・・・」

「あ、寿奈。早いわね」

 ガラガラという音と共にドアが開き、服部先輩が入室した。

「服部先輩・・・・・・」

「寝起きみたいな言い方ね。さっきまで寝てたの?」

「まあ、はい」

 

◇◇◇

 

 その内全員が揃い、部長席には服部先輩がいる状態で、諸連絡が開始された。

「じゃあまずは、連絡から始めるわね。

突然だけど、十二月二十四日にライブを行うことになったわ」

 なるほど、クリスマスライブか。

 しかし妙だな。秋季大会で優勝したのは、芽衣達のチームなのに。

「実は嬉しいことに、市長が私達を気に入ってるらしいからね」

「なるほど。ところで、ライブはどこでやるんですか?」

 ふっふっふ、と服部先輩はニヤけながら口を開く。

「聞いて驚くが良いわッ!! 路上に特設ステージを用意してでのライブよッ!!」

 路上、特設ステージだとッ!?

 勿論テレビとかで見たことある。道路上に、某ネズミの国のパレードのような大きなステージを用意し、そこで歌うという奴だ。

「そんな凄い奴をやるんですか?」

「そうよ。七夕祭りとは格が違う振る舞いよッ!!」

 遂にここまで来たか。

 このライブ、失敗は出来ない。

「さあ、練習を始めよう――」

 某ラノベで聞いたことのある台詞を呟きながら、服部先輩は外に向かう。

 

◇◇◇

 

「はぁ・・・・・・。疲れた・・・・・・」

 今日の練習もハードだった。

 

 床に座り込む私に、服部先輩はスポーツ飲料を手渡した。

「ねえ、寿奈」

「ん? 何ですか?」

 何故か少し恥じらうような素振りを見せてから、私に問う。

「サンタクロースを何歳まで信じてた?」

「サンタクロースですか・・・・・・」

 さっきもプレゼントをもらった時の夢だった。

 アレは確か、最後にプレゼントをもらった小学六年のクリスマスだと記憶している。

「小学生までですかね。クリスマスイブの時は眠れませんでしたよ」

「え、やっぱそうなの?」

 少し意外そうな顔をする先輩に私は、

「じゃあ先輩はどうなんですか?」

「私は、今でも信じてる・・・・・・」

 随分メルヘンチックね先輩。

「因みに今でも白馬の王子様が迎えに来ると信じてる」

「先輩ホントに高校生なの?」

 ただ年齢だけ増やした幼女じゃないよな・・・・・・?

 そんな二次元みたいな事は無いと思うし。

「あと姫にも憧れてる」

「ええ加減にせえよ?」

 前言撤回。有り得るかも知れん。


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