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今日からアイドルを始めたい!  作者: 心夜@カクヨムに移行
番外編 個別エンディング
158/168

百地優・伊賀崎道女編『私達は、またきっと会える』

放課後。

 大学の授業を終え、百地優と伊賀崎道女はある場所に向かっていた。

 今日はアイドルサークルの活動もない。

 飲み物と花を買い、優と道女は飲み物を飲みながら目的地へと向かう。

「道女」

「どうしたの、優ちゃん」

 隣で歩く優は、少し上を向いていた。

 今日行く目的地の事で、辛い思い出が蘇ったのか、顔も引き攣らせている。

「やっぱり、行くのやめたいの?」

 道女が問う。

 すると優が慌てて顔をこちらに向けた。

「いやいや、親友の墓参りくらい行けなくてどうするんだ!」

 優と道女の共通の目的。それは正子の墓参りだ。

 ここ最近は騒動で忙しくて行っていなかった。

 進級したという報告もしたいという事で、始業式の服のままで、墓参りに行くことになった。

 

 墓へは、早く到着した。

 服部家の墓に花を供え、二人は両手を合わせる。

「正子、眠れていると良いな」

「うん・・・・・・」

 優があの時のようにナイフを取り出さないかと心配になる。

 だけど今日は、そんな様子も無さそうだ。

「・・・・・・お前に、渡したいものがあるんだ」

 優はここにいない正子に話しかける。

 優はやはり、ポケットからナイフを取り出した。

「ゆ、優ちゃん!」

「落ち着け」

 そっとナイフを、花の近くに置く。

「お前のナイフだ。

だけど、私達があの世に来るまで絶対に使うなよ・・・・・・」

 優はそう言い残し、道女と共にその場をあとにした。

 正子が実際あの場にいたら、何て答えるのか。

 その答えが気になるが、それ以上は考えないことにした。

「私達は、遠い未来にきっとまた会える。

それが例え人間じゃなくても、例え地球が滅びていても」

 三人で交わした約束を、道女は歩きながら口ずさんだ。


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