大会 その一
土曜日。バス停に集合し、琴実先輩は出欠を確認していた。
「皆さん、準備はいいですか?」
「はいッ!!」
私も東京に行くのは初めてではない。夏コミや冬コミ、その他のアニメのイベントで何度か東京に行ったことはある。
東京行きのバスに乗り、数時間。
着いたのは、東京駅日本橋口。
バスから降りて真っ先に、私は叫んだ。
「来たーッ!! 久しぶり東京―ッ!!」
とはしゃぐ私に。
「寿奈さん、遊びに来たわけじゃありませんよ?」
「す、すいません・・・・・・
それで、これからどうするんですか?」
「大会の会場がある、秋葉原に行きますよ」
そして反射的に、「秋葉原―ッ!!」と叫んでしまう私に再び。
「寿奈さん!!」と咎める声が聞こえた。
◇◇◇
東京駅から山手線に乗り、約五分。
秋葉原駅を出てすぐ。琴実先輩が口を開く。
「えーでは、今日の午後五時まで自由時間にします。自由に回ってもいいですが、迷子にならないように・・・・・・
「やっほーい!!」
話が終わる前に、服部先輩が駆け出した。
「あ、正子待てよー!!」
「置いてかないでー!!」
遂に琴実先輩以外が行ってしまった。
「迷子にならないように気を付けて下さい寿奈さん」
「はい・・・・・・」
◇◇◇
自由になってから、私は狂ったように秋葉原を駆け回った。
「うおおおおおッ!! これは『暗号の洗脳』のブルーレイ! しかも初回限定版!! 買っちゃお! 買っちゃお!」
感激しながら電光石火の速さで商品をカゴに。
まだ止まらない。
ターゲットロックオン。目標目の前。ダッシュを開始。
「『剣技オンライン』!? 最近映画化されて三期も期待されている大作!! 買う! 買う!」
そしてフィギュアコーナーに向かい。
「そして『ゲームがなきゃ人生じゃない』のフィギュア!!
スカイとホワイトのフィギュア!! 買うわ!!」
そしてレジに向かい、購入した頃には。
私の財布の中身はほぼスッカラカンになっていた。
だがそんなことは気にせず、私は宿でブルーレイ鑑賞をしていた。
それと同時に、皆がお土産を見せびらかしている。
「寿奈さん、アニメのグッズが多いですね・・・・・・」
「秋葉原に来てるんだから、買わなきゃ損ですよ道女先輩」
「顔がなんか怖いよ寿奈さん!!」
道女先輩の叫びを聞いてから、次に服部先輩に聞く。
「服部先輩は何を買ったんですか?」
「あー私は、コレ!」
そう言って取り出したのは、バームクーヘンをはじめとした洋菓子だ。
「結構多いなおい! 一人で全部食べる気ですか?」
「うん!」
服部先輩、食いしん坊だったんだなぁ。
「なあ正子~。私にもくれよ~!!」
「優にはあげられないかなあ~」
「そんな~!!」
優先輩はしょんぼりとした。
松野心夜です! 遂に大会編入りました!
作品が何か分かったら、感想までどうぞ!




