8話
どうやら飛ばしていた様です。
8話
ひたすら戯れた姉ちゃんは、ようやく落ち着きこれからの予定を話した。
「んじゃ、PT組んで森に行くよ〜」
「何しに行くの?」
「勿論ボス討伐に決まってるでしょ?」
「いきなり?」
「ウルドの森は、ほぼトゥートリアルの様なばしょなんだから大丈夫よ、そ、れ、に、知ってるよ〜、え、い、ゆ、う、様」
「どうしてそれを!?」
俺は姉ちゃんが俺の称号を知っている事で驚愕した。だが、俺はすぐさま視線を2人に移した。
「勿論2人に教えて貰った」
「お前ら!」
「悪かった、でも知ってる知り合いが多いに越した事はないだろう?」
「はあ、そうだな」
少し、怒ろうとするが、桐和の言い分一理あるので、仕方無く肩を落として了承した。そこで、姉ちゃんが、嬉しい情報を差し出した。
「それに、今分かったけどね〜、その称号【看破鑑定眼】で見えないの」
「か、かんぱかんていがん?」
「うん、上位のスキルでね〜【鑑定】、【地図察知】、【看破】を統合したランク6」
「「ランク6!?」」
「ランク6?」
その時一緒に提示した情報に驚く2人だが、俺はあんまり興味が湧かない。
「たっけー、しかも統合か」
「んふふ〜、高いでしょ〜」
桐和が高いと評価し、姉が自慢気に話す。スキルにランクがあり、ランクが高ければ必要熟練値も多くなる。それにスキル自体にも熟練度があり、熟練度が上がると普通に必要熟練値も必要になる。それに統合は2つかそれ以上のスキルを犠牲に1つのスキルに出来る。統合に使用されたスキルは消えて無くなり、統合も自主的にじゃ無く、条件を満たした上で無ければ、その情報すら現れない。派生スキルとしてでしか現れないレアスキルだ。
兎に角、こうして俺たちはパーテイーを組んで森に向かうのです。
「なあ、さっきまで、普通に姉ちゃん言ってたけど、念の為ちゃんとルミネシアって言うから」
「ん〜、ルミちゃんとかで良いよ」
「あだ名ですか?」
「まあ、良いんじゃねえの?」
「じゃあ、お前カズで良いか?」
「良いんじゃね?」
「ちょっと待ってよ、それじゃパターン的にあたしラシになるじゃない」
「クラシはクラシで良いだろ?」
「十分だと思うぜ」
「変なあだ名付けられなくて良かった」
会話を弾ませながら、俺たち4人は、森に行こうと足を運んだ。
「ユウシはどんなスキル構成にしたんだ?」
「ん?ああこんなだ『シェア』」
俺はステータスを上げて、『シェア』と言う。『シェア』と言う事で、自分のステータスを相手に表示させ見せる事が出来る。
「「「…」」」
すると、全員哀れな人を見る様な目で見つめて来る。
「な、何だよ…そんな目で見るなよ」
「「「そう言われてもね〜」」」
そうなのだ。ユウシのスキル構成は悪い方である。【解体】【料理】などは上位のスキルである。より現実味が湧き、そっちの方が良いと言う人が多い。【受け流し】は、あんまり、効果が無い。歩くのに、歩くのスキルが必要無いと、言える様な理由もあり効果が無いとも言える。スキル無しでも受け流し出来るし、成長スキルもあんまり効果が無い。
【魔力操作】の説明も曖昧で、【魔法理論】の方が使い易いしで評価はガタ落ちで【魔力操作】は無駄にMPを消費すると言う事で、燃費が悪い。詠唱しなくて済むが使いにくい為使われない。
【短剣】は、上位に入るが、メインとして使うのが心元無い。サブ武器スキルとして、利用法は多いがメインとして使えないと評価。
【拳】は自分に相手の防御力と攻撃力の高さの違いでダメージを受けるし、攻撃は連続性でダメージは微量、魔法を利用した戦闘法は一時期流行ったが、INTを上げる為に地味に痛いし魔力の消費が激しい為、使えないと評価を下される。
【身体強化】は、体を強化してステータスにプラス値を加算するだけで何も無い。だが、派生スキルの【武身強化】が、多く望まれる為、選ばれる。他は効果があんまり望ましく無い。
【生産】と【鍛冶】の評価は中盤の上と言ったところで、使い所が難しい。上位スキル保持者に関しても、周りに情報を振り回さ無い為、情報が少ない。
【掃除】は、β版でのアップデートの時に利用者が圧倒的に増えた。理由は臭い。
兎に角、最悪では無いが使い所が難しい物ばかりである。
「でもステータスが、馬鹿高いわね〜」
「俺より、3倍位高いぞ」
「まあ、兎に角ボス討伐行こうか」
ルミネシアは落ち着きを払いながら先に進もうとする。【看破鑑定眼】で既にステータスを見ていたからだろう。
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ウルドの森にて、俺たちのパーテイーは戦っていた。
「おらああああ!!」
「せやあああ!!」
「ふっ」
順番に和、クラシ、俺となっている。今はオーク10対にゴブリン15対と戦いを繰り広げていた。ルミネシアのレベリンクは正直きつい。何十体も魔物を連れて来て戦わせる、と言ったパワーレベリングだ。
「こらゆうちゃん!!声が小さい!!」
「和もクラも余所見しない!!」
「悪い!」
「すいません!」
「…」
俺は無言のまま、戦闘を繰り広げた。熟練度を上げる為、時に殴り、時に流し、蹴る。
「ゼアつ!」
ゴブリンに一撃叩くが全く減ってく気がしない。だがこれで終わった訳でも無い。俺はナイフで攻撃を受け流す。だが俺は攻撃に出ずに後ろへ下がる。俺は左から掛かってくるオークの一振りも受け流す。何度か押されて、体制を崩されたりするが、猫人の体で直ぐに戻す。そしてナイフで
一閃
二閃
三閃
俺はここで、一旦下がりナイフを腰に刺す。下がった位置にはゴブリンが一匹。俺はゴブリンが左からから右へと振るう剣を、振り向きざまに右腕で上へ弾き飛ばした。間違って腕を落とさないように用心しながら。俺は【身体強化】を行う、次にゴブリンの顔に5発拳をめり込ませる。そして、右足で蹴り飛ばす。周りの音に意識を半分程送っていた俺には、後ろのオークに気付いていた。左足を軸に、前に出された右足を回す。俺は左足をここで浮かせる。
「らあっ!!」
右足の回し蹴りがオークの脇腹に当たる。オークは、それでも武器を俺に向けて振るう。だが、回転する俺の体に左足が付いてくる。膝辺りまで曲げていた。
「せあっ!」
俺は左足をバネの様に解放する。またしてもオークの脇腹に当たる。俺の体は自分の左足によって弾かれる。オークの攻撃は当たらずに済むが服を少し破かれる。俺は転がり体制を前後反転する。俺は足と膝を地面にめり込ませる。俺の目にさっきと違う、武器を振り降ろす瞬間のオークの腹が映る。そして、一気に駆け出し、オークの右脇腹を通る。
「ふっ!」
俺の手に握られるのは、腰から抜かれたナイフ。そして、俺に切られたオークは武器を地面に突き刺していた。直ぐさま反転し俺はオークにナイフを握り突っ込む。
「らああああっ!!」
俺はナイフをオークの体の心臓辺りを背中から、刺した。
「グゥアガグッ」
するとオークは息を詰まらせながら血反吐を吐く。だが、俺はナイフを回転させ、くり抜く。そして、オークは生気を失い倒れる。俺は、他の魔物を見据える。そして、俺は再び身を戦いに投じた。
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ルミネシアにレベリングさせられた俺たちは、今ボスを探しながら歩いてる。現在のユウシのステータスはこうなっている。
ーーーーーーーステータスーーーーーーーー
ユウシ
猫人lv3
短剣士lv8
HP: 172/340
MP: 93/200
VIT: 56
STR: 58
INT: 68
DEX: 66
AGI: 125
MID: 48
スキル-8
【短剣】
【拳】
【魔力操作】
【身体強化】
【受け流し】
【解体】
【生産】
【掃除】
【料理】
【鍛冶】
称号:
未知の英雄-
ステータスを全値100%上昇する。
挑みし者-
スキル熟練値の獲得量が5%上昇する。
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「ゆうちゃん、新しい称号入手したね〜」
「見えるのか…」
「取り敢えずそれは後にしよう」
「ああ」
俺はスキル欄の【短剣】を押す。なんとレベル18まで上がっていた。俺はそのまま他のスキルも確認する。ちなみにスキルレベルが上がると、新しいアーツが使える様になる。俺は嬉しい思いを心に羽ばたかせる。
「おっ、ボスフィールド着いたよ〜ってあれ?」
ルミネシアが俺を見て首を傾げると2人も同じ反応を示す。俺も自分の体を確認する。
光ってる。
「うお?」
「光ってるね」
「光ってるな」
「光ってる」
順番にルミ、和、クラである。ちなみにクラは定着してしまった。ルミのレベリングの時に急を要すると、クラと言っていた為だ。
俺はステータスをもう一度開くと新しく『未知の英雄』の下に『英雄の試練に挑みし者』と書いてあった。
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《英雄の試練に挑みし者》
称号強化:未知の英雄
称号獲得:知られざる英雄
全ステータス120%上昇。
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超適当です。