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マトリックスの外側

ここにおいて、(多くの高名な学者を差し置いて、)彼の予想が的中する理由は明らかだろう。


グローバル経済が中立的で公益的だというナラティブは欺瞞であり、実際には現代人類文明は米国(と米ドル)を頂点とする世界的覇権構造だ。そして、メディアやアカデミアの言説は実際には中立ではなく、社会階級の圧倒的な決定要因はメリトクラシー(個人の資質)ではなく、生まれた環境条件の格差である。そして、平和は格差を深めると同時に傲慢(hubris)を深めていくが、そこで言説される欺瞞的な正義を最も強く信じ込んでいるのが、富裕層やメディアやアカデミア、つまり洗脳を行っている本人なのだ。


したがって、歴史は正義の勝利であり進歩だと見なす者達が、マトリックスの内側からマトリックスの没落を予見することはできない。既存のアカデミアが言説支配(narrative control)の内側にいる一方、江学勤はナラティブの外側にいる。それが、彼の思想の本質的な強みだ。


そのため、彼の思想は、他のどの知識人よりも興味深いと私は思っている。

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