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かつて神童と呼ばれた89位聖女。ハニトラ勇者伝説の真実を暴いて見せます!  作者: けけりーな
第七章 幼い翼のひな鳥たちは、本物の聖女の翼を知りました!
99/116

99 アンナの切り札

〇宿場町・教会裏


「これは……第三神界魔法……」


流石のミアも息を呑む。


目をつぶり必死に長い呪文唱えているアンナ。

そこでミアはある違和感を覚えた。

アンナが紡ぐ呪文は、学園の教科書にある正統なものとは微妙に異なっている……



「残念だけど、その呪文は適用範囲が広がっただけ。

威力自体は第一神界のものと変わらないわ。

そんな麻痺魔法で私を捕らえられないのは、さっき証明済みでしょう?」


ゼニアは余裕たっぷりに嘲笑っている。

しかし、ミアは気づいていた。


(違う……アンナちゃんは、呪文の構成を書き換えてる。)



「だったら喰らいなさいよッ!ぬおおおあああああああああッ!!!!」



アンナが吠え、両手を広げた瞬間、夜空から無数の女神の光が降り注いだ。


次の瞬間、ベアトリーチェのクロスを握ったアンナが、

腕を体の前で交差してグッとこぶしを握る。


すべての光が、ゼニア一人の周りに収束していく。


「!?」


状況が理解できていないゼニア



(やっぱりこれは、アンナちゃんのオリジナル魔法。

第三神界魔法を少し書き換えている!!)


ミアは、急いで防御壁魔法を強化する作業に入る。


アンナはパン!と手を叩き、片手を天に掲げて小さくジャンプする。


「だああああああああ!!!」と今まで一番の大声で叫びつつ

着地と同時に腕を振り下ろした。



しかし、そのアンナの声よりもはるかに大きな声で悲鳴を上げるゼニア



「ぐおおおおああああああ!!!!!!」



今度は確実に、麻痺の光が効いている!

力技でも振り払えないゼニア。



「ミア!!今よ!!!」



必死すぎて仮名で呼ぶことすら忘れたアンナの叫びに、ミアも即座に反応しました。


「はい!!はあああっ!!」


ミアが展開した防御壁が、ベアトリーチェのクロスの共鳴を受けて凄まじい速度で拡張していく。


それはもはや「壁」ではなく、巨大な「光の質量」と言った方が近い。


ジュウウウゥッ!と肉の焼けるような音が響く。


「ぎゃああああーーーーーー!!!」


アンナの麻痺魔法で動けないゼニアは、迫りくる聖なる壁に押し潰され、

焼き尽くされながら、後方へと吹き飛ばされました。



ドォォォォン!!



数メートル飛ばされたゼニアは、地面を数回転し、ようやく静止しました。



「ハァ、ハァ……」


肩で息をしながら、アンナは満足げに片手を高く掲げる。


(どうよ! アタシたち最強じゃない!?)と言わんばかりの、ミアへのハイタッチの合図。


しかし、ミアは全く気づかず、ゼニアの方へ駆け寄っていってしまった……


「……おい」


上げた手がが虚しくさまよい、アンナは強烈なジト目でミアの後姿を眺めるのだった。



「ぐ……ぐうぅ……」


虫の息ながらも、ゼニアは執念で上半身を起こした。

ミアが近づこうとすると、鋭い腕の一振りで拒絶する。


「ガハァッ…… き、今日のところは引いてあげるわ……

でも、このままじゃおかないわよ……

あなたたちは、我らの計画に最適な『サンプル』……必ず手に入れてみせるわ!」


ゼニアの背後の空間が歪み、どろりとした闇が彼女を飲み込んでいく。

転移魔法。深追いする間もなく、魔族の気配は完全に消失してしまった。


「はぁ……」


緊張の糸が切れたアンナは、その場にぺたんと尻もちをついた。



「ベアトリーチェ様、ご無事ですか!」

「え、ええ。大丈夫よ……ありがとう、ミィさん。それから、アンナさんも」


静寂を取り戻した宿場町の裏庭。


ボロボロになりながらも、二人の若き新人シスターと、一人のベテランシスターは、

この恐ろしい夜を生き延びたのだった。

最後まで読んでいただいてありがとうございます!


よろしければ、次のお話もよろしくお願いいたします。

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